第3546回 リヨン、準々決勝で敗退 (6) リヨン、4連続得点で2点リード

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■2点を追うリヨン、攻撃的な選手を投入

 ヨーロッパリーグの準々決勝、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)-リヨン戦の第2戦、アウエーのリヨンはボールを支配したが、マンチェスター・ユナイテッドが前半のうちに2点をあげてリードする。リヨンもゴール前に迫るが、マンチェスター・ユナイテッドのGKアンドレ・オナナの好セーブに阻まれる。
 2点を追うリヨンは早めに選手交代を仕掛け、ポール・アクオク、ジョルダン・ベルトゥと言った中盤の選手に代えて、タナー・テスマン、アレクサンドル・ラカゼットという攻撃的な選手を投入する。さらにこの日は1トップであったが、これと言ったシュートを放つことができないジョージ・ミカウターゼをベンチに下ろし、マリック・フォファナをピッチに送り込んだ。
 しかし、ホームのマンチェスター・ユナイテッドがこのまま準決勝に進出すると、オールドトラフォードの7万観衆は思い込んでいた。

■コランタン・トリッソとニコラス・タグリアフィコの連続ゴールで追いついたリヨン

 ようやくリヨンが1点を返したのは71分のことであった。右サイドからのFK、チアゴ・アルマダがゴール前にボールをあげる。マンチェスター・ユナイテッドの選手がヘディングでクリアしたが、ほぼ真上にボールが上がり、ムサ・ニアカテ、ラカゼットとヘディングでつなぎ、最後はコランタン・トリッソがヘディングでゴールネットを揺らす。 さらにリヨンはマンチェスター・ユナイテッドのゴール前で波状攻撃を仕掛ける。ラカゼットのシュートに続き、右45度からのエインズリー・メイトランド・ナイルズのシュートは強烈であったが、オナナが防ぐ。そして78分、左サイドのフォファナからのクロスをメイトランド・ナイルズが右側から折り返す。ファーポストに飛んだボールに反応したのがニコラス・タグリアフィコ、押し込んだボールがゴールラインを越えて、ついにリヨンは追いついた。

■退場者を出し、1人少ない状態で延長戦に入ったリヨン

 なおもリヨンは攻め続け、85分にラヤン・シェルキのシュートはオナナに阻まれる。そして守勢のマンチェスター・ユナイテッドは89分にメイソン・マウントが前方のレニー・ヨロにパスを出すが、ヨロに対してトリッソが後方からチャージ、主審はトリッソにイエローカードを提示するが、トリッソはこの試合の前半終了間際にも警告を受けており、イエローカードに続いてレッドカードが出され、退場となってしまう。さらに好守を続けてきたGKのルーカス・ペリも負傷して横たわり、立ち上がったところでマンチェスター・ユナイテッドのFK、これをブルーノ・フェルナンデスが直接ゴールを狙うが、ペリが何とかCKに逃れる。数的有利となったマンチェスター・ユナイテッドはその後も攻め続けるが、90分の笛が鳴り、試合は延長戦に突入する。

■ラヤン・シェルキ、アレクサンドル・ラカゼットのゴールで2点リードしたリヨン

 数的不利なリヨン、延長戦では30分間耐えてPK戦に望みをつなぐのがセオリーであるが、果敢に攻めた。そして延長前半終了間際の105分、タグリアフィコから前線のフォファナにパスを供給、ペナルティエリア内で相手の選手と接触して倒れながらもシェルキにパスを出して、シェルキが勝ち越し点を決めた。10人のリヨンが延長戦で先手を取った。
 延長後半に入る時点でリヨンはこの試合で初めて守備に重点を置く。攻撃で活躍したシェルキを下げてブラジル人DFのアブニル・ビニシウスを入れる。陣形は守備的になったが、リヨンは攻める姿勢を忘れなかった。延長後半の108分、ペナルティエリア内にボールを持ちこんだフォファナがルーク・ショーに倒され、リヨンはPKを獲得する。ラカゼットが決めてリヨンは2点リードとなる。71分からの40分間弱にリヨンは4連続得点、2点ビハインドから2点リードとなり、残り時間はわずか12分である。しかし、ここからまた別のドラマがこの劇場で始まったのである。(続く)

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