第3550回 パリサンジェルマン、5年ぶりの決勝進出 (3) 伝統のダニエル・エシュテルのユニフォームを着用
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■メンバーを大幅に入れ替えストラスブールと対戦
パリサンジェルマンはアーセナル(イングランド)とのチャンピオンズリーグ準決勝の第1戦、序盤のウスマン・デンベレのゴールでアウエーで勝利を収めた。
第2戦は舞台をパリに移して5月7日、パルク・デ・プランスでの戦いとなる。第1戦と第2戦の間隔は中7日、両チームとも週末の5月3日に国内リーグ戦を戦ったが、意外な結果となった。まず、1点リードし、心理的に優位な立場にあるパリサンジェルマンはアウエーでストラスブールと対戦する。パリサンジェルマンはアーセナルに照準を合わせ、先発メンバーを大幅に入れ替え、アーセナルとの第1戦で先発したのはジョアン・ナバスただ1人、残りの10人を入れ替えた。ジャンルイジ・ドンナルンマ、ウスマン・デンベレ、アクラフ・ハキミ、ヌーノ・メンデスはベンチからも外れた。この中でデンベレはアーセナルとの第1戦では唯一のゴールをあげる殊勲者であったが、この試合で負傷してしまい、このストラスブール戦は欠場、アーセナルとの第2戦に向けて大事を取っている。
■優位に試合を進めるが、今季国内のアウエーゲームで初黒星
パリサンジェルマンは国内リーグの前節でニースに敗れ、無敗でのリーグ優勝が消えたからこそのこのような布陣を取ったのであろう。それでもパリサンジェルマンは試合を支配したが、20分、ルカ・エルナンデスがCKからの相手のヘディングシュートを自陣に入れてしまい、オウンゴールで1点を失う。さらに前半のアディショナルタイム、ストラスブールのフェリックス・ルマレシャルが右からのクロスに合わせて追加点、2点リードされてパリサンジェルマンはハーフタイムを迎えた。
パリサンジェルマンは後半の立ち上がりにブラッドリー・バルコラが個人技で1点を返したが、結局追いつくことができず、1-2で敗れる。パリサンジェルマンはニース戦に続いて国内リーグで連敗する。さらにパリサンジェルマンは国内リーグ戦ではアウエー戦で39試合連続無敗を続けていたが、この記録もストップしたのである。
ストラスブールはメンバーを落としたパリサンジェルマン相手に勝ち点3を獲得、順位を6位にあげて、来季の欧州カップ出場に向けて前進したのである。
■ほぼベストメンバーでボーンマスにホームで敗れたアーセナル
一方、追う立場にあるアーセナル、ホームでボーンマスとの対戦である。パリサンジェルマンとは異なり、アーセナルはリーグ戦では優勝はリバプールに譲ったとはいえ、ニューカッスル、マンチェスター・シティ、チェルシーなどと2位を争っている。パリサンジェルマンとの試合と比較すると9人が引き続き先発した。パリサンジェルマン戦で先発していなかったのは右サイドDFのベン・ホワイトと中盤のトーマス・パーティー、パーティーはパリサンジェルマン戦は出場停止だったことを考えると、ミケル・アルテタ監督は同じメンバーでチャンピオンズリーグも国内リーグも臨む考えである。
アーセナルは前半終盤にデクラン・ライスが先制点を決め、リードして折り返すが、後半に入って2点を奪われ、逆転負けとなり、4日前のパリサンジェルマン戦に続き、本拠地で連敗となった。
■縁起のいいジョーダンウィングスではなく伝統のユニフォームを選んだパリサンジェルマン
このように両チームとも連敗をした状態で迎える第2戦であるが、パリサンジェルマンがこの試合で着用するユニフォームが話題となった。パリサンジェルマンはホーム用のユニフォーム以外に複数のユニフォームを準備している。ホーム用はクラブ創立からの伝統であるダニエル・エシュテルのデザインを受け継いだものであるが、新作のユニフォームにジョーダンウィングスモデルがある。これは今年の1月22日のマンチェスター・シティ(イングランド)戦で着用し、逆転勝利をあげた縁起のいいユニフォームである。その後、このユニフォームを着用した試合はシュツットガルト(ドイツ)戦、ブレスト戦、リバプール(イングランド)戦と、勝利している。ジョーダンウィングスモデルを使用するという首脳陣の動きはあったが、結局伝統のユニフォームでアーセナルを迎え撃つことになったのである。(続く)