第3552回 パリサンジェルマン、5年ぶりの決勝進出 (5) ファビアン・ルイス、アクラフ・ハキミのシュートで連勝
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■防戦一方の序盤をしのいだパリサンジェルマン
1週間前の第1戦とは逆に、パリサンジェルマンはキックオフ直後からアーセナルに一気に攻め込まれる。GKのジャンルイジ・ドンナルンマの好セーブでしのぐ。カウンターアタックに活路を見出すべく、右サイドのアクラフ・ハキミ、左サイドのヌーノ・メンデスが攻めあがるが、アーセナルの組織的な守備に阻まれる。
防戦一方で攻め手に欠くパリサンジェルマンが初めて得点チャンスをつかんだのは17分のことであった。自陣からのロングフィードを前線のデジレ・ドゥエとクビチャ・クバラツヘリアでパス交換、最後はクバラツヘリアが左サイドから右足でシュート、これがファーサイドのポストをたたく。23分にはパリサンジェルマンは中盤でインターセプトして決定機を迎えた。アーセナルの最終ラインの横パスを飛び出してきたブラッドリー・バルコラがカットしてそのままドリブルで前進、中央に上がってきたドゥエにラストパス、ドゥエのシュートはアーセナルのGKダビド・ラヤに防がれたが、これがパリサンジェルマンにとってこの試合初めての枠内シュートであった。
■FKのこぼれ球から先制点をあげたファビアン・ルイス
パリサンジェルマンが最初の得点チャンスをつかんだが、アーセナルはそれを気にすることなく試合を進めたが、落とし穴があった。27分にパリサンジェルマンはアーセナル陣内でFKのチャンスを得る。キッカーはビティーニャ、ゴール前にあげたが、これをアーセナルのトーマス・パーティーがヘディングでクリア、ボールはペナルティエリアにちょうど入ってきたファビアン・ルイスが獲得し、マークしていたガブリエル・マリティネリを交わして左足でシュート、ラヤも正しい方向にジャンプしたが、シュートの勢いが勝った。第1戦とは全く違う展開の中で押されていたパリサンジェルマンが先制、2試合通算スコアを2-0とした。
この1点でパリサンジェルマンがようやく目を覚ました。30分にはパリサンジェルマンが中盤でボールを奪い、バルコラとクバラツヘリアがつなぎ、最後はバルコラがマイルズ・ルイス・スケリーを交わしてGKと一対一になり、シュート。この至近距離からのシュートをラヤは今度はストップ、パリサンジェルマンに追加点を許さない。しかし、アーセナルも試合序盤の攻撃は再現せず、34分にデクラン・ライスがゴール前に落としたボールをミケル・メリーノが放ったシュートは枠を外れ、前半はパリサンジェルマンが1点をリードして折り返す。
■ビティーニャのPKを止めたダビド・ラヤ
後半も先に得点チャンスをつかんだのはアーセナルであった。63分、右サイドの差かはパリサンジェルマンの選手を交わしてシュート、これをドンナルンマが右手でCKに逃れる。この直後にはハキミとドゥエがカウンターを仕掛け、ハキミがシュートするがラヤが止める。そして66分、ハキミがまたシュート、このシュートに対してルイスがペナルティエリア内でハンドがあったとVARの判定が下り、パリサンジェルマンは願ってもない追加点のチャンスを得る。キッカーはビティーニャ、助走の少ないキックであったが、ラヤは正しい方向に飛び、このPKをストップする。
■PK失敗の後に追加点を決めたアクラフ・ハキミ、遅すぎたアーセナルの初得点
試合の流れが変わるビッグプレーの直後に、パリサンジェルマンは第1戦のヒーローのデンベレをバルコラに変えて投入する。72分、パリサンジェルマンはカウンター、クバラツヘリアが長い距離をドリブルで駆け上がる。クバラツヘリアは折り返してデンベレにパス、デンベレはペナルティエリアに入ったところでハキミにパス、ハキミが右足でゴール隅にシュートを決める。これで通算スコアは3点差となる。
シュート数では圧倒的にパリサンジェルマンを上回ったアーセナルであるが、ゴールネットを揺らしたのはカウンターからレアンドロ・トロサールがマルキーニョスに競り勝って左サイドを駆け上がり、中央のブカヨ・サカにつなぎ、サカがテオ・エルナンデスのマークを外してゴールを決めた76分のことであった。
パリサンジェルマンが2-1と勝利、2連勝し、5季ぶりの決勝に進んだのである。(この項、終わり)