第3640回 折り返しを迎えるリーグフェーズ(3) 首位と2位の対戦となったパリサンジェルマン-バイエルン・ミュンヘン戦
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■第3節を終えた時点で5チームが3連勝
前々回と前回はチャンピオンズリーグのリーグフェーズ第3節のフランス勢の戦いを紹介した。前年覇者のパリサンジェルマンはレバークーゼン(ドイツ)に7-2と大勝し、3連勝を飾った。第3節終了時点で3連勝というチームはパリサンジェルマンを含んで5チームある。バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、アーセナル(イングランド)、インテル・ミラノ(イタリア)、レアル・マドリッド(スペイン)が勝ち点9で並ぶが、得失点差でトップになるのが+10のパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンである。得失点差の次の順位決定方法である総得点ではパリサンジェルマンが13、バイエルン・ミュンヘンが12であり、パリサンジェルマンはトップに躍り出た。昨年の今頃はリーグフェーズでなかなか勝ち点を積み上げることができず苦戦していたのとは対照的である。
■首位と2位が対戦する好カード
首位のパリサンジェルマンの第4節の相手は2位のバイエルン・ミュンヘンである。大会形式が昨年変わってから、リーグフェーズで途中段階とはいえ、首位のチームと2位のチームが顔を合わせるということは初めてのことである。11月4日21時、パルク・デ・プランスで両雄は顔を合わせる。なお、この試合の前にすでにアーセナルは第4節の試合を終え、チェコのスラビア・プラハに勝利しており、暫定首位となっている。
■直近の対戦はクラブワールドカップでパリサンジェルマンが勝利
これまでにパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンは公式戦で14試合戦ってきた。直近の試合は欧州カップではなく、今年7月5日に米国のマイアミで行われたクラブワールドカップの準々決勝である。この試合の模様は本連載の第3581回で紹介しているが、パリサンジェルマンが苦戦しながらも2-0と勝利している。しかし、これまでの両チームの通算成績はバイエルン・ミュンヘンが8勝6敗と勝ち越しており、また、クラブワールドカップで勝利する前はバイエルン・ミュンヘンが4連勝している。そしてバイエルン・ミュンヘンはこのクラブワールドカップの準々決勝で敗れて以来、国内外の公式戦で15連勝している。
■この試合の主役となる新加入のルイス・ディアス
パリサンジェルマンは今季新加入したイリア・ザベルニーが前節でレッドカードを受けたため、出場停止。クラブワールドカップでゴールを守っていたジャンルイジ・ドンナルンマが移籍したため、GKは新加入のルカ・シュバリエが務める。10人のフィールドプレーヤーは全員、昨季からのメンバーとなった。
一方、バイエルン・ミュンヘンは今季新加入の選手が1人先発となった。リバプール(イングランド)から移籍してきたコロンビア代表のルイス・ディアスである。リバプールと言えば昨季のチャンピオンズリーグではパリサンジェルマンとベスト8決定戦で対戦し、2試合ともホームチームが1-0で勝利し、PK戦の末、パリサンジェルマンが勝ち抜いている。決勝トーナメントに入ってから最もタフな対戦相手であった。そのリバプールの右サイドのFWとして2試合とも先発しているのがルイス・ディアスなのである。ブンデスリーガの得点ランキングはトップがバイエルン・ミュンヘンのハリーケインの12点、そしてルイス・ディアスも5ゴールを決めて3位にランクインしている。もちろんこの試合にはケインも先発出場しており、セルジュ・ニャブリ、フランス代表のミカエル・オリーズとともに強力な攻撃陣を構成している。さらにフランス人選手については、キングスレー・コマンはメンバーから外れているが、ダヨ・ウパメカノが先発している。
このように4か月前のマイアミでの対戦とほぼ同じメンバーが先発するが、その当時はチームに加入していなかったパリサンジェルマンのシュバリエについては加入後最も厳しい試合となり、この試合の主役は同じく新加入のバイエルン・ミュンヘンのルイス・ディアスとなったのである。(続く)
