第714回 2006-07フランスカップ・ファイナル(1) ソショー、延長戦でモンソーレミンを下し決勝進出

■フランスカップに対するファンの期待

 フランス国内の三大タイトルの行方は3月31日にリーグカップ(ボルドー)、4月21日にリーグ(リヨン)と決定し、残るはフランスカップだけとなった。リーグ戦は5月26日まで行われるが、5月12日に行われるフランスカップ決勝が今季最後の国内でのタイトルとなった。5月には欧州レベルではチャンピオンズリーグ(23日)、UEFAカップ(16日)の決勝も行われるが、フランス勢は早々に敗退し、5月にフランス国民がタイトル争いを楽しむことができるのはこのフランスカップだけとなった。

■CFAから史上2回目の準決勝進出を果たしたモンソーレミン

 フランスカップについては準々決勝までの戦いぶりを本連載で紹介してきたが、マルセイユ、ソショー、スダン、モンソーレミンが4強に残った。モンソーレミンは4部リーグに相当するCFAに所属しているが、それ以外の3チームは全て1部リーグのチームである。
 最も注目を集めたのは言うまでもなくこのCFAのモンソーレミンである。ベスト8決定戦ではボルドー、準々決勝ではランスと今季欧州カップに出場している1部リーグの強豪チームを連破してきた。4部に相当するリーグに所属するチームとしては2000年のカレー以来2度目のフランスカップ準決勝進出である。ベスト8決定戦、準々決勝とホームゲームをくじで引き当て、第二のホームグラウンドとも言えるグーニョンで試合を行い、強豪チームを破ってきた。
 ベスト4が出そろった4日後の3月4日、準決勝の組み合わせ抽選会が行われた。モンソーレミンがソショーを迎え、マルセイユがナントを迎えることになった。4月17日にモンソーレミン-ソショー戦、翌18日にマルセイユ-ナント戦が行われた。

■延長戦に2点をあげたソショー

 モンソーレミンはホームゲームをそれまでの2戦同様、グーニョンで開催する。4回戦から参戦しているモンソーレミンは10戦目となる。決勝戦はスタッド・ド・フランスで開催されるため、これが最後の地元での試合となる。会場のグーニョンのジャン・ラビル競技場にはこの夜も満員の1万5000人の観衆で埋まった。そして今回はソショーからも遠くないと言うことからソショーの応援団の姿も見える。ソショーにとってフランスカップ準決勝進出は1989年以来18年ぶりのことである。
 試合は開始直後はソショーのペースであったが、大応援団に後押しされたモンソーレミンも盛り返し、前半の終盤になるとモンソーレミンの中盤の守備が安定し、均衡する。また、選手、ボールの動きも活発で好ゲームとなり、両チーム無得点のまま前半を終える。後半になってもソショーが攻めるが、モンソーレミンの中盤の堅い守備にはねかえされるという展開が続く。そして試合は延長戦へと突入したのである。
 モンソーレミンはベスト8決定戦で延長、PKの末にボルドーをこの競技場で下している。一方のソショーはこれまでに4試合戦ってきたが、全て90分で決着をつけてきた。延長戦に入ってようやくゴールネットが揺れた。95分、ソショーのセバスチャン・グラックスがゴールを決める。沈黙するスタジアム、しかしモンソーレミンはボルドー戦では延長戦で2回リードを許しながら2回追いつき、PK戦で勝利している。ところが、そのファンの期待もむなしく、延長後半になった111分、ソショーのベテラン選手のジェローム・ルロワが追加点をあげる。モンソーレミンはこれで万事休す。ソショーはボールを回し始め、モンソーレミンの選手の足は止まり、ソショーが決勝進出を決める。

■ベストアマチュアチームに輝いたモンソーレミン

 モンソーレミンは2000年のカレー以来となるCFAからの決勝進出はならなかったが、フランスカップを大いに盛り上げた。
 このフランスカップでは、優秀な成績を残したアマチュアのチームに対して表彰を行っている。これはプロとアマチュアが混在して戦うフランスカップならではのもので、勝利数、進出したレベル、上位リーグの所属チームに対する勝利を指数化したものである。全国を22に分けた地区ごとの最優秀のチームと、全国のベスト5が表彰対象となる。ブルゴーニュ地区のモンソーレミンはもちろん全国でトップとなり、ベスト・アマチュアチームとなったのである。(続く)

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