第1382回 フランスカップに驚きのファイナリスト(1) ベスト16決定戦でも苦戦が続く1部勢

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■欧州の舞台から去ったフランス勢

 マルセイユのチャンピオンズリーグ敗退により、フランスのサッカーファンの今季の楽しみは国内の三大タイトルだけとなった。リーグ戦はパリサンジェルマンとモンペリエが激しい首位争いを継続し、両チーム一歩も譲らない。リーグカップはリヨンとマルセイユの間で4月14日に決勝が行われる。そしてフランスカップについては本連載第1363回でリヨンとマルセイユがそろって準々決勝に進出したことを紹介したが、このたび準決勝が行われ、4月28日の決勝戦のカードが決まった。今回からフランスカップの決勝戦に至るまでの道のりを紹介しよう。

■主力を温存しても大勝したパリサンジェルマン

 年が明け、1月と2月のフランスサッカー界は主に国内タイトルに注目が集まる。今年は偶数年ということもあり、アフリカ選手権が赤道直下の赤道ギニアとガボンで開催され、アフリカ諸国の代表選手を欠いた陣容で各クラブは国内のタイトルを争うことになる。
 新春早々のベスト32決定戦を勝ち抜いたチームは1部勢13チーム、2部勢7チーム、ナショナルリーグ勢5チーム、CFA勢5チーム、CFA2部勢2チームという顔ぶれである。この32チームは1月20日から23日にかけてベスト16決定戦を戦った。
 初日の20日に登場したパリサンジェルマンはベスト32に残った中では最も下位のCFA2部のサブレ・シュール・サルトと対戦する。サブレ・シュール・サルトはベスト32決定戦では2部の古豪スダンをPK戦の末下す。ベスト16を目指し、ビッグクラブを舞台をルマンの本拠地MMアレーナで迎え撃つ。メンバーを落としたパリサンジェルマンであったが、簡単に4-0と圧勝する。

■延長戦でアジャクシオに勝利したCFAのブール・ペロナ

 しかし、その翌日から登場した1部勢は苦戦を強いられた。最大の驚きは4部に相当するCFAのブール・ペロナであろう。1部のアジャクシオを鶏の産地として有名なブール・アン・ブレスに迎える。先制点はアジャクシオ、後半立ち上がりに先制するが、21歳のスーリメン・ベンチャイブが2ゴールを挙げて逆転、このまま金星かと思われたところ、後半のロスタイム94分にアジャクシオが追いつき、試合は延長戦へ。延長前半にブール・ペロナは勝ち越し、1998年にモンペリエとメッスを下したのと同様、ベスト16に進出する。

■下部リーグのチーム相手に辛勝の続く1部勢

 また、オセールも2部のシャトールーに敗れてしまう。下部リーグのチームに敗れた1部勢はアジャクシオとオセールだけであったが、勝ち残ったチームは冷や汗もの戦いが多かった。前年度二冠のリールはCFAのコンピエーニュに延長戦の末1-0と辛勝、ボルドーもナショナルリーグのクレテイユにPK戦でようやく勝利。またマルセイユも2部のルアーブルを延長戦で突き放して勝利という具合であった。またリーグで首位争いを続けるモンペリエはアフリカ選手権のため主力が不在で、2部のツール相手に先制したもの、試合終盤は守勢に回り、辛うじて1-0と勝利している。
 下部のチーム相手にすんなりと勝利したのはパリサンジェルマン以外にはCFAのルションをナントのボージョワール競技場で2万の大観衆相手に2-0と下したリヨン、CFAのバランスを2-0と下したエビアン、2部のバスティアと対戦し、前半に相手が退場して数的優位に立って勝利したバランシエンヌくらいである。
 アフリカ選手権で主力選手を欠いているとはいえ、1部勢はベスト32決定戦に続いて下部リーグの挑戦に苦戦を強いられたのである。
 この結果、2月初めに行われるベスト8決定戦に進出したのは1部からレンヌ、エビアン、モンペリエ、ディジョン、パリサンジェルマン、リヨン、ボルドー、バランシエンヌ、リール、マルセイユという10チーム、2部からはシャトールー1チームのみとなった。そしてナショナルリーグからはGFCOアジャクシオ、クビリー、オルレアンの3チーム、CFAからはブール・ペロナとドランシーの2チームとなったのである。(続く)

このページのTOPへ