第2454回 ベスト8が決まったフランスカップ(2) パリサンジェルマン、ナショナルリーグのビルフランシュに大苦戦

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ボージョレ地方の中心都市ビルフランシュ

 前回の本連載ではフランスカップベスト8決定戦を戦ったN3とN2のチームの戦いについて紹介した。N3から唯一勝ち残ったバスティアはカーンにPK戦で敗れ、N2のビットレは1つ上のリーグのナショナルリーグのリヨン・ドゥシェールに逆転勝ち、クロワはディジョンに敗れた。
 そしてナショナルリーグ以下のアマチュアチームでベスト16決定戦を戦ったチームがもう1チームあり、それがナショナルリーグのビルフランシュである。リヨンの近くのボージョレ地方の中心都市であり、ワインのエチケットでこの都市の名前は世界の人々に知られている。
 今からちょうど100年前、すなわち欧州に平和がやってきた年にビルフランシュにはサッカー、ラグビー、陸上を行う総合型スポーツクラブが生まれる。そして1927年にサッカー部門が独立して現在のクラブが誕生した。ワインで潤う町ではあったが、クラブはこれまで3部に相当するリーグでプレーするのが最高であり、その歴史のほとんどは地域リーグでの活動にとどまっていた。

■フランスカップの組み合わせに恵まれたビルフランシュ

 そして2018年にナショナルリーグに復帰したが、下位に低迷している。ところがフランスカップでは組み合わせに恵まれた。5回戦から出場し、12月までに行われた5回戦から8回戦ではいずれも格下のリーグのチームと対戦した。特に7回戦と8回戦ではN3勢と対戦し、120分経っても得点を奪うことができず、PK戦を勝ち抜き、越年した。1部勢が参戦してきたベスト32決定戦では6部に相当するR1のクラブと対戦し、90分を終えて0-0、延長戦で突き放した。ベスト16決定戦では昨季の準優勝チームとはいえ格下のN2のレゼルビエと対戦し、2-0と勝利を収めている。格上どころか同格のチームとも対戦せず、ここまではフランスで最も恵まれたクラブであったと言えよう。

■直前のリーグ戦でリヨンに敗れたパリサンジェルマンが大苦戦

 しかし、すでにくじ運を使い果たしてしまったビルフランシュのベスト8決定戦の相手はパリサンジェルマンとなった。ビルフランシュ-パリサンジェルマン戦は2月6日に行われたが、パリサンジェルマンは直前の2日に行われたリヨンでの試合で1-2と逆転負けを喫し、今季リーグ戦で初めての黒星となっている。ビルフランシュのホームゲームであり、リヨンのグルーパマ競技場で行われる。すなわち4日前に今季リーグ戦初黒星を記録したスタジアムで再び試合を行うのである。グルーパマ競技場にはビルフランシュのジャイアントキリングを見ようと2万2000人を超える観客が集まった。
 試合は予想通りパリサンジェルマンが主導権を握るが、なかなか得点を奪えないままハーフタイムを迎える。後半に入ってもCKやFKのチャンスは得るものの、ゴールネットが揺れることはない。60分過ぎにはアンヘル・ディマリアに代えてキリアン・ムバッペを投入、終盤には若手選手に代えてエディンソン・カバーニもピッチに登場する。しかし、無得点のまま、後半終了のホイッスルが鳴る。
 スタンドのどよめきとともに延長が始まり、ようやくパリサンジェルマンが得点を決めたのは101分のことであった。ユリアン・ドラクスラーがようやくゴールを決める。パリサンジェルマンは延長後半に2点を追加し、3-0と勝利するが、ビルフランシュの健闘には多くのファンが驚いた。

■エミリアーノ・サラに捧げる勝利をあげたナント

 これ以外は1部勢同士の対戦が3試合、2部勢同士の戦いが1試合であった。パリサンジェルマンをリーグ戦で破ったリヨンは、リーグ戦では降格圏内にあるものの、フランスカップ、リーグカップでは勝ち残っているギャンガンを下して8強入りした。エミリアーノ・サラの飛行機事故に揺れたナントはトゥールーズに勝利、サラの事故後初めて本拠地ボージョワールで勝利した。今季ヨーロッパリーグに出場したレンヌはリーグ2位のリールを下した。そして唯一の2部勢対決はオルレアンが首位のメッスを破り、リーグ戦の上位チームが敗れた。(この項、終わり)

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