第2464回 フランスカップ準々決勝(2) レンヌ、リヨン、ナントも準決勝進出

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■年明けからほとんどの週の半ばに試合を行うレンヌ

 2月の末から行われたフランスカップの準々決勝、ベスト4一番乗りは現在3連覇中のパリサンジェルマンであった。パリサンジェルマンが準決勝進出を決めた翌日の2月27日には18時30分からレンヌ-オルレアン戦、21時からリヨン-カーン戦が行われた。 ヨーロッパリーグの決勝トーナメントを戦っているレンヌは前週に1回戦の第2戦を戦い、スペインのベティスにアウエーゴールの差で競り勝って2回戦進出を決めている。2回戦の相手はイングランドのアーセナルということで、レンヌはファンの期待であふれている。レンヌは2月は週末のリーグ戦だけではなく全ての週の半ばにリーグカップ、フランスカップ、ヨーロッパリーグの試合を行い、28日しかないにもかかわらず月間で8試合目となる。1月も似たような状況でジレ・ジョーンヌの影響で延期となったリーグ戦、リーグカップ、フランスカップの試合を週の半ばに1試合ずつ行っている。2月のこれまでの試合の成績は4勝2分1敗とまずまずの成績である。翌週も翌々週も半ばにはアーセナルとの試合が予定されており、年が明けてから3月下旬の代表戦のためのインターナショナルマッチデーまで平日に試合のない週は1月の第1週と最終週のみ、という厳しいスケジュールになっている。アーセナル戦に向けて、2部のチームに勝利して弾みをつけたいところである。

■強行スケジュールのレンヌがオルレアンを下す

 試合はレンヌのペースで進む。23分にはダミアン・ダシルバのシュートがゴールネットを揺らしたが、ビデオ判定の結果ゴールは取り消しとなる。また40分にもペナルティアリア内でクレマン・グルニエが倒され、PKがいったんは与えられるが、これもビデオ判定で取り消しとなる。前半は両チーム無得点で折り返す。
 後半に入り65分にレンヌはバンジャマン・ブリジョーが待望の先制点を決める。さらに71分にはエムバイ・ニアンが追加点をあげてリードを広げ、強行スケジュールを戦うレンヌが準決勝進出を決めた。

■リヨン、カーンを下し、昨年の雪辱を果たす

 そしてリーグ3位のリヨンは18位のカーンを迎える。昨年も準々決勝で対戦し、カーンが1-0と勝利している。リヨンはリーグ3位とはいうものの、首位パリサンジェルマンとの勝ち点差22を考えるとリーグ優勝はありえず、現実的にはフランスカップが手に届きうるタイトルである。今季で契約の切れるブルーノ・ジェネジオ監督にとってフランスカップは獲得しなければならないタイトルである。クラブ史上初となる2年連続の準々決勝となったカーンであったが、昨年の雪辱に燃え、自力で上回るリヨンの壁は厚かった。
 開始直後から試合を優位に進めてきた地元リヨンは26分にジェイソン・デナイエがヘディングで先制ゴール、カーンはファウルでリヨンの攻撃を止めるしかなかった。後半立ち上がりの49分にはマクスウェル・コルネが追加点を決める。カーンは77分にカシミール・ロドリグ・ナンガが1点を返すが、81分にはアレクサンデル・ジクが危険なタックルで一発退場となる。数的優位になったリヨンはメンフィス・デパイもゴールをあげ、3-1と勝利、昨年の雪辱を果たした。

■12年ぶりの準決勝進出となったナント

 準々決勝最後の試合は欧州カップに出場していないナントがN2のビットレとアウエーで対戦する。N2のビットレはラバルのフランシス・ラバセ競技場でカナリア軍団を迎え撃つ。ビットレのこれまで最高の成績は10年前のベスト16、今回はそれを1つ上回るステージにたどり着き、1万2000人のファンが応援する。
 一方のナント、フランスカップの準決勝から10年以上離れ、今年は笑里・サラのためにもタイトルを獲得したいところである。ナントは25分にガブリエル・ボッチリアが先制点をあげる。ボッシリアはその直後にもシュートを決めるが、オフサイドの判定。ナントは前半終了間際のアントニオ・マンチェの追加点で2-0とリードを広げ、12年ぶりの準決勝進出となったのである。(この項、終わり)

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