第3188回 フランスカップ、トゥールーズ優勝 (1) 11年ぶりのタイトルを目指すリヨン

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■国内のタイトルのみが楽しみのフランスのサッカーファン

 前回までの本連載はフランス勢として欧州カップに最後まで勝ち残ったニースのヨーロッパカンファレンスリーグでの戦いを紹介してきたが、4月20日に行われたホームでの第2戦でバーゼル(スイス)に延長戦の末敗れた。この結果、欧州の舞台からフランス勢はすべて姿を消し、フランスのサッカーファンのシーズン終盤の楽しみはリーグ戦とフランスカップという国内のタイトルのみとなった。  フランスカップについては4月30日に決勝が行われ、古豪トゥールーズが優勝した。本連載ではベスト8が決まった段階まで紹介したが、今回からはトゥールーズの優勝に至る道のりを紹介しよう。

■ベスト8決定戦でパリサンジェルマンを破ったマルセイユ

 フランスカップのベスト8は1部勢が5チーム、2部勢が3チームとなった。近年のフランスカップで上位進出の少ない2部勢が3チーム残ったが、2部勢の中で1部勢に勝利して勝ちあがってきたのはロデス(ベスト8決定戦でオセールに勝利)だけであり、グルノーブルとアヌシーはドローに恵まれていたといえよう。準々決勝で2部勢はいずれも1部勢と対戦し、真価の問われるところである。1部勢はリーグ戦でトップを走るパリサンジェルマンがマルセイユに、リーグ上位のリールもリヨンにベスト8決定戦で敗れている。上位勢で残ったのはマルセイユ、RCランスなどである。
 準々決勝での2部勢と1部勢の対戦はマルセイユ-アヌシー、トゥールーズ-ロデス、リヨン-グルノーブルといずれも1部勢の本拠地で試合が行われる。唯一の1部勢同士の対戦はナント-RCランス戦である。

■欧州カップの連続出場が途切れたリヨン

 準々決勝は2月28日に1試合、3月1日に3試合が行われ、ベスト4入りをかけた最初の戦いはリヨン-グルノーブル戦である。リヨンは1997-98シーズンから2019-20シーズンまで23季連続して欧州カップの本戦に出場してきたが、2020-21シーズンには出場できなかった。2021-22シーズンにはヨーロッパリーグに出場し、準々決勝まで進出したが、そのシーズンに行われていた国内リーグでは8位、フランスカップは初戦で敗れ、2022-23シーズンも欧州カップに出場できなかった。リヨンは、国内タイトルのみに専念できる環境にあったが、この時点でリーグ9位、来年の欧州カップ出場のためにはリーグ戦の順位ではやや厳しいところにあり、フランスカップで3連勝して出場権を得たいところである。
 一方のグルノーブルは現在2部で7位、フランスカップで上位進出するのは準決勝でレンヌに敗れた2009年以来のことである。グルノーブルからリヨンは遠くないことから大勢のファンがグルーパマ競技場に駆け付けた。

■新戦力のジェフィーニョが活躍し、4強一番乗りとなったリヨン

 リヨン再生を託された指揮官はローラン・ブラン、1月末にブラジルのボタフォゴから獲得したジェフィーニョがリヨンでは初めて先発出場となる。地元ファンの声援に押されたリヨンは、キックオフ直後から優勢に試合を進め、パスをつないだ組織的なプレーでグルノーブルを圧倒する。24分にはワールドカップ・カタール大会での活躍も印象的なニコラス・タグリアフィコからのクロスをブラッドレイ・バルコラがヘディングで決めて先制点を上げる。
 38分にはファン注目の新戦力であるジェフィーニョが初先発初ゴールを決めて、リヨンは2点のリードとなる。ジェフィーニョはその後も積極的にゴールを狙い、ファンからの拍手を浴びる。リヨンはグルノーブルの反撃を74分の1点に押さえて、2-1と勝利して準決勝に進出した。
 リヨンがフランスカップの準決勝に進出するのは2019-20シーズン以来3季ぶりのことであり、この時は最終回となるリーグカップでも決勝に残っている。リヨンが国内カップ戦で優勝したのは2011-12シーズンのフランスカップ、11年ぶりのタイトルに向けてあと2勝となったのである。(続く)

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