第2018回 2015-16フランスリーグ、フィナーレ(2) 3位モナコ、4位ニース、5位リールが来季の欧州カップへ

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■最終節にもつれ込んだ3位から5位までの争い

 前回の本連載では最終節の前節の第37節で2位争いの直接対決があり、リヨンが新スタジアムでモナコに6-1と大勝し、2位の座をほぼ確定したことを紹介した。
 第37戦を終了した段階の順位であるが、首位はパリサンジェルマンで勝ち点93、2位はリヨンで勝ち点65、3位はモナコで勝ち点62、4位はニースで勝ち点60、5位はサンテチエンヌで勝ち点58、6位はリールで勝ち点57となっている。
 3位チームは予備戦経由でチャンピオンズリーグへ出場できるが、3位モナコと4位ニースの勝ち点差は2である。また、モナコの得失点差は+5、ニースの得失点差は+16であるため、モナコが引き分け、ニースが勝利した場合は順位が逆転する。1週間前まで2位だったモナコはチャンピオンズリーグ出場に黄信号がともった。
 また3位の可能性のある4位ニースも5位サンテチエンヌとは勝ち点で2つの差であり、ニースが敗れて、サンテチエンヌが勝利した場合は順位が入れ替わる。さらに6位のリールは得失点差が+11であり、数字の上では4位までに入る可能性がある。リーグ6位のチームもフランスカップ決勝でパリサンジェルマンが勝利すればヨーロッパリーグの出場権を獲得できるが、リールは自力でリーグ5位以内に入りたいところである。

■モナコとニースの3位争い

 最終戦は全試合同時刻の21時にキックオフされた。上位から組み合わせを紹介すると、モナコはホームにモンペリエを迎え、ニースはアウエーでギャンガンとの対戦である。5位サンテチエンヌは6位リールを迎えるという直接対決となる。第37節のリヨン-モナコ戦に続き、最終節でも欧州リーグの出場権をかけた直接対決がみられる。
 さて、3位争いに着目しよう。モナコは勝てば確実であるが、引き分け以下の場合は4位のニース次第である。チャンピオンズリーグとなってからの初出場を狙うニースは2分に早くもアラアン・プレアが先制点を決める。残り88分間、ニースの試合もモナコの試合もスコアが動かなければ、ニースがチャンピオンズリーグ行きとなるが、モナコはその44秒後にイバン・カバレイロがゴールを決めて、順位表を元に戻す。そして19分にニースはギャンガンのマブート・エルディングのゴールで同点に追いつかれ、32分にモナコはファビーニョがPKで追加点をあげる。ニースは前半終了間際にジャン・ミッシェル・セリが勝ち越し点を決めるが、モナコ優位でハーフタイムを迎えた。

■モナコ、ニースとも勝利し、順位は変わらず

 後半に入り、先にスコアが動いたのはギャンガンの試合、50分にニースは痛恨のオウンゴールを犯してしまう。しかし、試合を圧倒的に支配していたのはニースである。ニースのトップ下は、欧州選手権のメンバーから落選したばかりのハテム・ベンアルファである。ベンアルファが前線の2人に次々とボールを供給し、61分にはプレアが勝ち越しゴールを決め、ニースは最終戦を白星で飾り、勝ち点3を上積みする。しかし、モナコもモンペリエに対し2点のリードを守り、2-0で勝利する。
 モナコ、ニースとも勝利したことにより、モナコが3位となりチャンピオンズリーグの予備戦3回戦に出場し、ニースは4位を確保、ヨーロッパリーグへの出場を確保した。もしフランスカップでパリサンジェルマンが優勝した場合はグループリーグからの参戦、マルセイユが優勝した場合は予備戦3回戦からの出場となる。

■5位争いの直接対決は大躍進のリールが勝利

 そして注目のサンテチエンヌ-リール戦は引き分け以上で5位を確保するホームのサンテチエンヌは押し気味に試合を進めたが、シュートに結びつけることができない。逆に41分にPKを献上してしまい、エデルのPKが決勝点となる。リールはフレデリック・アントネッティが11月末に監督に就任した時の順位は17位、それ以降順位を上げ、ついに5位にまで上げてシーズンを終了し、ヨーロッパリーグに出場することになった。
 敗れたサンテチエンヌはフランスカップ決勝でパリサンジェルマンの勝利を期待することになったのである。(続く)

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