第2184回 2016-17フランスリーグフィナーレ(2) マルセイユが5位、カーンは1部に残留

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■最終戦で勝利すれば5位になるマルセイユ

 ヨーロッパリーグ出場権のかかるフランスリーグ最終節、マルセイユとボルドーはいずれも1部残留争いをする下位のチームとの対戦となった。マルセイユの相手は19位のバスティア、ボルドーの相手は18位のロリアンである。ボルドーを勝ち点で1リードするマルセイユは勝利すれば5位になりヨーロッパリーグの出場権を確保できるが、引き分け以下の場合はボルドーが勝利すれば逆転される。そのときは不本意であるがフランスカップ決勝でのパリサンジェルマンの勝利を願わなくてはならない。また、マルセイユが敗れて、ボルドーが引き分けた場合は勝ち点で並ぶが、得失点差で優位に立つマルセイユは5点差の大敗さえしなければ、ボルドーを振りきることができる。

■1部残留にかけるロリアンとカーン

 一方の残留争いであるが、17位のカーンはパリサンジェルマンとアウエーで対戦することから、勝算は少ない。したがってカーンを勝ち点1差で追うロリアン、カーンと勝ち点の差2のバスティアは順位を上げるチャンスであり、上位陣に勝利したいところである。 17位になれば1部残留は確定、18位になれば2部3位とのプレーオフに持ち込むことになる。

■主将バフェタンビ・ゴミス、今季20ゴール目が決勝点

 一斉にキックオフされた試合、ヨーロッパリーグ出場権を争うチーム、1部残留争いをするチームの中で最も多くのファンの前でプレーしたのがマルセイユである。ホームのベロドロームには5万5000人を超えるこの日最多の観客が集まった。マルセイユはバスティア相手に試合を支配し、主将で1トップを務めるバフェタンビ・ゴミスにボールを集めるが、なかなか得点に結びつかない。当然ファンもボルドーの試合が気になるが、ボルドーは開始早々に得点をあげている。このまま引き分けてしまい、ボルドーが勝利すれば、順位が逆転する。
 マルセイユのファンのフラストレーションを断ち切ったのがゴミスであった。74分にゴミスがゴールを決めてマルセイユのファンを歓喜に導く。ゴミスは今季20得点目となる。守勢一方のバスティアに対し、この1点で十分であった。マルセイユは勝ち点62の5位で全日程を終了、シーズン当初は低迷していたが、監督をフランク・パッシからルディ・ガルシアに交代したのが功を奏し、2年ぶりの欧州の舞台への復帰となり、来季に向けて大型補強を模索中である。

■カーン、パリサンジェルマン相手にアディショナルタイムに同点ゴール

 マルセイユとの5位争いをしていたボルドーは結局、ロリアンに追いつかれてしまう。ロリアンは3月までは調子が良かったが、シーズン終盤は勝ち点を伸ばすことができず、このボルドー戦も守勢であったが、ロリアンの狙いは勝ち点1であった。というのもカーンとの勝ち点差は1、カーンが敗れ、ロリアンが引き分けの場合、両チームは勝ち点で並ぶが、得失点差でロリアンが上回る。カーンがアウエーでパリサンジェルマン戦ということを考えれば、ロリアンは勝ち点1で順位を上げると考えることは順当である。
 優勝を逃したパリサンジェルマンとはいえ、パルク・デ・プランスでのシーズン最終戦、きっちり勝利して、次週のフランスカップ決勝に備えたいところである。ほぼベストメンバーの布陣であり、消化試合という言葉はパルク・デ・プランスのどこを探しても見つからない。この試合、13分にアドリアン・ラビオが先制点をあげる。この1点を守り切ると誰しもが思った、後半のアディショナルタイム、カーンはジョナタン・デラプラスのクロスをロニー・ロデランが決めて同点に追いつく。パリサンジェルマンにとってはまさかの引き分け、そしてカーンにとっては歓喜の引き分けとなり、17位をキープしたのである。
 結局、最終戦で勝利したナンシーが19位に上がるが、最下位のバスティアとともに2部降格、2部から優勝したストラスブールと2位のアミアンが1部昇格、1部18位のロリアンは2部3位のトロワとの入れ替え戦に臨むのである。(この項、終わり)

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