第3049回 2022-23フランスリーグ開幕(3) 快勝でスタートしたモナコとパリサンジェルマン

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■2日目の土曜日に登場する注目のモナコとパリサンジェルマン

 フランスリーグは欧州カップ出場復帰を目指すリヨンが1部に復帰してきたACアジャクシオを2-1と下して始まった。初日の金曜日の8月5日には1試合だけが行われ、土曜日に2試合、日曜日に7試合行われる。かつては夜間のみに試合が行われたが、近年は午後の早い時間にも試合が行われ、東アジアのゴールデンタイムを意識したスケジュールとなっている。
 2日目の土曜日は17時からストラスブール-モナコ、21時からクレルモン-パリサンジェルマンというカードである。

■PSVアイントホーフェン戦とメンバーを入れ替えたモナコは開幕戦勝利

 モナコはこの前後にチャンピオンズリーグの予備戦3回戦を戦っている。ホームでの第1戦については本連載第3046回で紹介した通り、8月2日のモナコで第1戦で1-1のドロー、中2日でリーグ開幕戦を戦い、第2戦はアイントホーフェン(オランダ)で中2日の8月9日に行われる。前後のスケジュール的にこの日しか試合が設定できないモナコ、鳴り物入りで加入した南野拓実はPSVアイントホーフェン戦で負傷をして精彩を欠いたこともあり、ベンチメンバーからも外れている。また、PSVアイントホーフェン戦では主将を務めたウィッサム・ベンイェデルはベントからのスタートとなる。
 一方のストラスブールは昨季のリーグでは6位、惜しいところで欧州カップを逃しており、今季は欧州カップ出場が目標である。
 試合はホームのストラスブールが優位に進めるが、先制点を奪ったのはモナコであった。前半終了間際の43分、この試合5回目のCKから右ウイングとして南野の代わりに入ったクレパン・ディアッタがボレーシュートで得点を奪った。後半に入っても53分にモナコはソフィアン・ディオップが追加点をあげる。
 一方のストラスブールは過去のホームでのモナコとは相性がよかったが、1点を返すにとどまった。
 2022年に入ってからはパリサンジェルマンよりも多くの得点をあげているモナコが、開幕戦勝利、ベンイェデルも温存し、PSVアイントホーフェンとの第2戦に弾みをつけた。

■日本ツアー以来メンバーを固定しているパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンは土曜日のゴールデンタイムに試合を行う。相手のクレルモンは昨季1部に初昇格、17位の成績で残留を決め、2シーズン目を迎える。しかしながら、負傷者、移籍選手が多く、昨季1-6と大敗しているパリサンジェルマンは難しい相手である。
 パリサンジェルマンは1部での50シーズン目となる。この時点で2部に降格したサンテチエンヌと並ぶ10回の優勝を誇るが、11回に伸ばして単独首位に躍進したいところである。内転筋を痛めたキリアン・ムバッペがパブロ・サラビアに代わった以外はクリストフ・ガルティエ監督は就任直後の日本ツアーで採用したファーストチョイスをそのまま起用する。ムバッペは前週のチャンピオンズトロフィーは累積警告で欠場しており、2試合連続で欠場となった。

■5点を奪い、課題の守備も無失点、好発進したパリサンジェルマン

 役者ぞろいのメンバーを固定したパリサンジェルマンは試合を終始支配し、8分にサラビアからのパスをネイマールがコースを変えて先制点。26分にはアクラフ・ハキミ、38分にはFKのこぼれ球をマルキーニョスがゴールに入れて、前半だけで3点を奪う。後半にも終盤の80分、86分にリオネル・メッシが連続得点をあげる。特に86分はオーバーヘッドというアクロバティックなゴールで、スタジアム全体から拍手が起こった。パリサンジェルマンは5-0で大勝発進する。
 得点力だけではなく、日本ツアーで問題視された守備も、前週のチャンピオンズトロフィーのナント戦に続いて無失点で乗り切り、ガルティエ監督は合格点を与えることができたであろう。問題は、チャンピオンズリーグが佳境を迎えた段階で、この日先発させたファーストチョイスのイレブンをどのようにターンオーバーさせていくか、ガルティエ監督の手腕が問われるところである。(続く)

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