第3199回 終盤を迎えたフランスリーグ(2) マルセイユに勝利し、優勝争いに残ったRCランス

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■リーグ戦では負け越した1月のパリサンジェルマン

 新監督を迎え、戦力が充実したパリサンジェルマンは中断前までは国内外で無敗だったパリサンジェルマン、ワールドカップでも所属選手が大活躍した。
 ところが再開後2戦目で2位のRCランスと直接対決、ここで敗れ、今季国内外で初めての黒星となる。また1試合おいて前半戦最後の試合はアウエーでのレンヌ戦、ここでも敗れてしまう。続くホームでのスタッド・ド・ランス戦も引き分ける。1月はリーグ戦4試合を行い、1勝1分2敗と負け越す。

■3連敗を記録した2月、バイエルン・ミュンヘンにも敗れる

 2月はいよいよチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが始まる。2月14日のパルク・デ・プランスでのバイエルン・ミュンヘン戦に照準を合わせてきたパリサンジェルマンであるが、その直前の8日に行われたフランスカップのベスト8決定戦のマルセイユ戦、11日に行われたリーグ戦第23節のモナコ戦、いずれも敗れてしまう。バイエルン・ミュンヘン戦も敗れて、カテゴリーは違うが、3連敗を喫する。2011年にカタール資本が参画してから初めてとなる3連敗にファンはショックを隠せなかったのである。
 パリサンジェルマンの2月最後の試合はリーグ戦のマルセイユ戦、この試合で3-0と勝利したが、2月の公式戦の戦績は2勝3敗と負け越したのである。

■パリサンジェルマンに追いつくことのできないRCランスとマルセイユ

 これだけ首位のパリサンジェルマンがもたついたものの、前半の貯金があり、他のチームはなかなかパリサンジェルマンを捕まえることができない。中断前に2位でパリサンジェルマンとは勝ち点5の差であったRCランスも2月から3月にかけては低調な成績であり、RCランスをかわして2位となったマルセイユも2月28日のベロドロームでのパリサンジェルマンとの直接対決で完敗してしまい、首位奪還はできなかった。
 パリサンジェルマンは3月のインターナショナルマッチデーの前後にレンヌとリヨンという欧州カップ出場チーム相手にパルク・デ・プランスで連敗するが、それでも2位のRCランス、マルセイユとは勝ち点6の差があった。
 4月の末の時点で各チームは残り6試合となる。この時点で首位のパリサンジェルマンの勝ち点は75(24勝3分5敗)である。2位のマルセイユは勝ち点67,3位RCランスは勝ち点66である。4月30日にパリサンジェルマンがロリアンに1-3と敗れ、マルセイユがオセールに勝利、5月2日にRCランスがフランスカップ優勝のトゥールーズに1-0と勝利する。残り5試合でパリサンジェルマンはRCランスとは勝ち点6差、マルセイユとは勝ち点7差となる。

■RCランスがマルセイユとの直接対決に勝利

 5月6日には優勝争いへのサバイバルゲームともいう2位RCランスと3位マルセイユの直接対決が行われた。この試合で引き分け以下だとパリサンジェルマンへの挑戦権を失うと考えてよいであろう。両チームとも後半戦のパリサンジェルマンとの直接対決では敗れてしまっている。
 会場はRCランスの本拠地、フェリックス・ボラール、RCランスはここまで14勝1分1敗と最も良い成績を誇る。また25失点という守備も最高の成績である。対するマルセイユはワールドカップからの再開後は最も良い成績を誇り、特にアウエーゲームを苦とせず、過去11試合のアウエーゲームの戦績は9勝2分、ただ、昨秋のもたつきとパリサンジェルマンとの直接対決の敗戦が痛いところである。
 優勝へのラストチャンスをかけた1戦、開始して間もない8分にマルセイユのサンチェスのシュートが入るが、VARの判定となり、マルセイユの選手がRCランスの選手にファウルをしていたということでノーゴールとなる。その後もマルセイユが優位に試合を進めるが、42分に先制点を奪ったのはRCランスであった。CKからセコ・フォファナがミドルシュートを決めた。
 後半に入って60分にRCランスは期待の若手ロイス・オペンダがヘディングで追加点、今季リーグで19点目となり、得点ランキングでも4位のベルギー代表である。
 マルセイユは88分にディミトリ・パイエが1点を返すのが精一杯、1-2で敗れ、優勝争いから後退し、RCランスがパリサンジェルマンを追うのである。(続く)

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