第530回 最後のテストで手痛い敗戦(3) 新メンバー出場せず、新体制で初の黒星

■白いセカンドユニフォームを新調したフランス代表

 ワールドカップまで100日となった2月下旬、フランス代表は新しいセカンドユニフォームを発表した。フランス代表はファーストに青色、そしてセカンドに白色を使用してきたが、今回はその白いユニフォームが新調される。新ユニフォームも白地であるが、デザインについては青と赤のアクセントが印象的である。肩から袖にかけて青と赤のストライプはそのままであるが、右胸の部分は青、左胸の部分は赤という躍動感のあるデザインになっている。通常ホームゲームではフランスは青いファーストユニフォームを着用するが、スロバキアもファーストユニフォームは青色であることから、フランス代表はこの白いユニフォームでスロバキアを迎え、今年最初の試合を新ユニフォームで戦うことになる。

■注目のGKにはグレゴリー・クーペではなくファビアン・バルテス

 さてその白いユニフォームに身を包んだ11人がスタッド・ド・フランスのピッチでラ・マルセイエーズを歌う。GKはファビアン・バルテス、DFは右にビリー・サニョル、中央にジャン・アラン・ブームソンとリリアン・テュラム、左に1年半ぶりに復帰のミカエル・シルベストル、MFは守備的な位置に3人を配し、右にビカッシュ・ドラッソー、中央の下がり目にアルー・ディアラ、左にパトリック・ビエイラ、そして攻撃的なMFはジネディーヌ・ジダン、FWは2トップにダビッド・トレゼゲとニコラ・アネルカという布陣となった。前々回紹介した初選出の2人については、フランソワ・クレルクはベンチ入りしたが、ジェレミー・トゥーラランはベンチ入りしなかった。
 この中で議論となったのがGKである。前週のチャンピオンズリーグのPSVアイントホーヘン戦でも安定した守備を見せ、無失点に押さえたグレゴリー・クーペを推す声が強かった。ファンの声がクーペを支持するだけではなく、フランスの1部リーグに所属する選手もマルセイユのバルテスよりもリヨンのクーペを支持する意見が強く、アンケートでは7割の選手がクーペの起用を支持した。ところがレイモン・ドメネク監督はベテランのバルテスを起用し、試合前の選手紹介のときからバルテスは大きなブーイングを浴びる。

■後半からの交代選手が試合を動かし、スロバキアが勝利

 対するスロバキアはワールドカップ出場権を逃したことから、主力が外れたメンバー構成となっている。また正GKのカミル・コントファルスキーも手を負傷しておりメンバー入りしていない。そのようなメンバー相手にフランスは選手のテストを試みたが、前半は両チーム無得点、後半に入る段階でフランスは2トップをティエリー・アンリとシルバン・ビルトールに替える。一方のスロバキアの香華金人を次々と入れ替えてくる。試合はこれらの途中交代メンバーが動かした。まずはストラスブールに所属するスロバキアのシラルド・メネトが62分にボレーで先制点。リードされたフランスも75分にビルトールがPKを決めて同点に追いつく。そして迎えた80分、スロバキアの選手を後半から出場したフローラン・マルーダがペナルティエリアのすぐ外でファウルして倒す。このFKのチャンスのキッカーとなるのは2分前に出場したばかりのジョゼフ・ブラコビッチである。直接ゴールを狙ったシュートをバルテスはとめることができず、これがこの試合の決勝点となった。

■3大会連続して新戦力を発掘できず、注目を集める今後のバルテス

 結局、久しぶりの試合でフランスは1-2と敗れてしまったが、実はこの敗戦はドメネク体制になって初めての敗戦である。内容が伴わないながらもこれまでの1年半フランスは負け知らずであった。
 また、クレルクはピッチに姿を現すことはなく、新戦力の発掘と言う点で収穫のない試合となった。2002年ワールドカップ、2004年欧州選手権に続いて年明けに新戦力を補強することができなかった。
 逆にこの試合での2失点でバルテスの評価はさらに下がった。1998年のワールドカップ前の親善試合のロシア戦で凡プレーにより失点したGKのリオネル・レティジは地元開催を前に代表メンバーから外されてしまっている。その8年前のワールドカップでゴールを守ったのはバルテス自身であり、バルテスの今後にはさらに注目が集まるのである。(この項、終わり)

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