第2311回 コロンビア、ロシアと連戦(5) 若いメンバーで臨むロシア戦

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■オリビエ・ジルーの代表通算30ゴールも実らず、逆転負け

 ワールドカップ南米予選で四番手だったコロンビアにホームのスタッド・ド・フランスでフランスは2-3と逆転負けを喫した。フランスは4回目の対戦で初めてコロンビアに敗れた。南米勢に対しては最近はいい結果を残していないことが心配である。そしてフランスが2-0から逆転負けを喫したのは第二次世界大戦後初めてのことである。 終始フランスが優勢に試合を進めていたが、守備陣の乱れで失点を重ねてしまった。24歳のストッパーのコンビ、ラファエル・バランとサミュエル・ウムティティはまだ若すぎるのであろうか。
 一方、この日先制点をあげたオリビエ・ジルーはこれで代表通算30ゴール目となった。代表にデビューして8年目となる31歳はティエリー・アンリ(51得点)、ミッシェル・プラティニ(41)、ダビッド・トレゼゲ(34)、ジネディーヌ・ジダン(31)に次いで5番目となり、ジャン・ピエール・パパン、ジュスト・フォンテーヌと並んだ。

■サンクトペテルブルクでロシアと対戦

 コロンビア戦の4日後、フランスはサンクトペテルブルクでロシアと対戦する。開催国に乗り込んで試合をすることは大会前に大きな経験となる。ちょうどフランスがコロンビアを迎えた日にはブラジルがモスクワでロシアと対戦している。ロシアとの首脳外交がスムーズである日本のような国にとってはロシアは特別な国ではないが、一般的にはロシアは遠い国である。フランスのキャンプ地はモスクワ近郊のイストラに決定しているが、グラウンドがまだ完成していないなど、不確定要素をたくさん抱えている。フランスがサンクトペテルブルクで試合を行う可能性があるのは準決勝以降であるが、ロシア国内で練習、試合をするという大きな経験を得ることができる。

■4-3-3システムで臨み、キリアン・ムバッペをCFで起用

 ディディエ・デシャン監督はコロンビア戦の敗戦から気持ちを切り替え、このロシア戦をテストの試合と位置付けた。まず、システムを4-4-2システムから4-3-3システムに変更した。また代表経験の浅いメンバーを何人が先発として起用した。
 メンバーを紹介するとGKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、ローラン・コシエルニー、サミュエル・ウムティティ、ルカ・エルナンデス、MFは右からポール・ポグバ、エンゴロ・カンテ、アドリアーノ・ラビオ、FWは右からウスマン・ダンベレ、キリアン・ムバッペ、アントニー・マルシャルである。コロンビア戦に続いて先発しているのはGKで主将のロリス、ストッパーのウムティティ、MFのカンテ、FWのムバッペの4人だけである。またムバッペはコロンビア戦では右サイドの攻撃的MFであったが、ロシア戦ではCFとなる。

■ベテラン4人以外は若手選手を起用

 そしてFWはマルシャルの22歳が最年長で、ダンベレは20歳、ムバッペは19歳と非常に若い3人となる。また両サイドバックについては、右のパバールは21歳、昨年11月のウェールズ、ドイツとの親善試合に出場しているが、いずれも交代出場であり、初めての先発となる。左サイドのエルナンデスも4日前のコロンビア戦の終盤に交代出場しただけの22歳の選手である。11人の先発メンバーのうち、25歳以上はコシエルニー(32歳)、ロリス(31歳)、カンテ(26歳)、ポグバ(25歳)だけであり、代表出場歴についても20試合以上あるのは、この4人(ロリス:95試合、コシエルニー:50試合、ポグバ:50試合、カンテ:21試合)だけである。
 平均年齢は24.5歳、これは過去12年間で2010年8月のノルウェー戦、昨年6月のイングランド戦についで3番目に若い。ノルウェー戦は南アフリカでのワールドカップの直後に行われた試合であり、ワールドカップ中の練習ボイコットが原因でワールドカップのメンバーが1人も出場していなかったこと、そして昨年のイングランド戦はイレギュラーな日程で行われた3連戦の最終戦であり、ワールドカップ予選のスウェーデン戦の後の親善試合であったことから若手中心のメンバーとなっている。
 これらの若いメンバーがどのような試合をするのか興味は尽きない。(続く)

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