第3581回 クラブワールドカップのパリサンジェルマン(6) バイエルン・ミュンヘンに勝利、ウスマン・デンベレ復活のゴール
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■チャンピオンズリーグ上位の常連バイエルン・ミュンヘン
クラブワールドカップの決勝トーナメント1回戦でインテル・マイアミに4-0と快勝したパリサンジェルマンは準々決勝に進出した。準々決勝の相手はドイツのバイエルン・ミュンヘンである。今季のチャンピオンズリーグは準々決勝でインテル・ミラノ(イタリア)に敗れたが、6年連続してチャンピオンズリーグの準々決勝以上に進出しており、この大会の出場権を獲得している。
今大会はグループリーグでは最終戦でベンフィカ(ポルトガル)に敗れて、2位通過し、決勝トーナメント1回戦ではフラミンゴ(ブラジル)を破っている。
■バイエルン・ミュンヘンにノックアウト形式で勝ったことがないパリサンジェルマン
パリサンジェルマンにとっては2019-20シーズンのチャンピオンズリーグの決勝で敗れた相手であるが、その翌年の2020-21シーズンは準々決勝で対戦、1勝1敗であったが、当時存在したアウエーゴール2倍ルールで敗れている。その2年後の2022-23シーズンは決勝トーナメント1回戦で対戦、パリサンジェルマンは連敗している。そして、栄冠に輝いた今シーズンもリーグフェーズでアウエーではあったが、0-1で敗れている。2020年以降の両チームの対戦はバイエルン・ミュンヘンが5勝1敗と圧倒している。パリサンジェルマンは欧州カップのノックアウト方式ではバイエルン・ミュンヘンを下したことがないのである。
パリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンの準々決勝は7月5日、アトランタのメルセデス・ベンツ競技場で行われた。パリサンジェルマンは決勝トーナメント1回戦に続いて同じ会場での対戦となる。
■これまでとは違い、試合を支配できないパリサンジェルマン
パリサンジェルマンの先発メンバーであるが、GKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ウィリアン・パチョ、ヌーノ・メンデス、MFは右からジョアン・ネベス、ビティーニャ、ファビアン・ルイス、FWは中央にデジレ・ドゥエ、右にブラッドリー・バルコラ、左にクビチャ・クバラツヘリア、6日前のインテル・ミラン戦と同じメンバーである。
バイエルン・ミュンヘンはGKのマヌエル・ノイアーが主将、最前線にはハリー・ケイン、フランス人選手も5年前のチャンピオンズリーグ決勝でゴールを決めたパリサンジェルマン出身のキングスレー・コマン、DFのダヨ・ウパメカノ、FWのミカエル・オリーズが先発メンバーに名を連ねている。
パリサンジェルマンはここまでの4試合は相手を圧倒する内容の試合を続けてきたが、さすがにこの試合は違った。ただそれでも前半はパリサンジェルマンが優位に試合を進める。両チームのGKの活躍もあり、両チーム無得点のままハーフタイムを迎えるかと思われたが、前半アディショナルタイムに入ったところで、バイエルン・ミュンヘンが好位置でFKを獲得する。オリーズのキックに合わせたのがウパメカノである。フランス代表コンビが先制点を生んだかと思ったが、オフサイドの判定でゴールは認められず、後半に入る。
力が拮抗していただけではなく、激しい試合で両チーム、負傷者が多発する。バイエルン・ミュンヘンのムシアラは後半は試合を続行できず、ベンチに下がる。
■守勢ながらデジレ・ドゥエが先制点、ウスマン・デンベレが追加点
均衡が破れたのが78分、右サイドを攻め込んだジョアン・ネベスが中央のドゥエに戻す。ドゥエが蹴りこんだシュートにノイアーは反応することができず、パリサンジェルマンが先制点をあげる。ここからバイエルン・ミュンヘンの猛攻が始まった。80分にはレオン・ゴレツカに対してパチョがファウルで止めるしかなく、レッドカードをもらう。守勢のパリサンジェルマンは1人足りなくなり、さらに守りを固めるためにクバラツヘリアを下げ、ルーカス・ベラウドを投入する。
攻めるバイエルン・ミュンヘンは87分にはケインのシュートがオフサイドで取り消される。そして後半アディショナルタイムの92分にパリサンジェルマンはルカ・エルナンデスもレッドカードで退場、2人足りなくなったが、96分に右サイドをハキミがスラロームのように相手を抜き去り、ラストパスを中央に出す。これを決めたのが途中出場のウスマン・デンベレ、エースが復調し、準決勝に臨むのである。(続く)