第3582回 クラブワールドカップのパリサンジェルマン (7) レアル・マドリッドに快勝、決勝進出

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■フランス代表が初めて試合をしたイーストラザフォード

 クラブワールドカップの準々決勝、パリサンジェルマンはこれまで2回の優勝経験があるバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と対戦し、苦戦しながらも勝利し、準決勝に進出した。
 準決勝の相手はこれまで最多の5回の優勝を誇るレアル・マドリッド(スペイン)である。7月9日、会場は決勝も行われるイーストラザフォードのメットライフ競技場である。現在はアメリカンフットボールのニューヨーク・ジェッツとニューヨーク・ジャイアンツの本拠地、2010年にオープンした近代的なスタジアムで、来年のワールドカップでは会場となる。イーストラザフォードという地名は本連載の読者の方はよくご存じであろう。1979年にフランスが初めて米国と対戦したのがこのイーストラザフォードである。現在のライフスタジアムの前身のジャイアンツスタジアムで試合を行ったが、これはフランスにとって米国との初対戦だけではなく、初めて人工芝での試合となった。試合はフランスが6-0と勝利したが、その後、米国は力をつけた。1994年にはワールドカップを開催し、フランスは予選最終戦で敗れて本大会出場を逃し、来年のワールドカップ出場を目指す。

■ウスマン・デンベレ、チャンピオンズリーグ決勝以来の先発復帰

 このようにフランス代表と縁のあるスタジアムにパリサンジェルマンが戻ってきた。そして戻ってきたのはパリサンジェルマンだけではない。チャンピオンズリーグの決勝戦で負傷したウスマン・デンベレが先発メンバーとして戻ってきたのである。
 パリサンジェルマンの先発メンバーであるが、GKはジャンルイジ・ドンナルンマ、DFは右からアクラフ・ハキミ、マルキーニョス、ルーカス・ベラウド、ヌーノ・メンデス、MFは右からジョアン・ネベス、ビティーニャ、ファビアン・ルイス、FWは中央にデンベレ、右にデジレ・ドゥエ、左にクビチャ・クバラツヘリアという陣容である。ストッパーのウィリアン・パチョがバイエルン・ミュンヘン戦で退場処分となり、出場停止となってベラウドに先発を譲ったが、チャンピオンズリーグの決勝以来のデンベレの復帰に期待は高まる。

■注目を集めたデンベレとキリアン・ムバッペの対決

 2024-25シーズンの活躍で欧州最優秀選手に与えられるバロンドールの最有力候補のデンベレであるが、2023年まではバルセロナに所属していた。デンベレがパリサンジェルマンに移籍してきた理由はリオネル・メッシ、ネイマールというスター選手が移籍し、その後釜として期待されたからである。そして移籍してきた時点でキリアン・ムバッペがシーズン終了後に他のクラブに移籍することが決まっていたため、ポスト・ムバッペとして期待される位置づけであり、移籍2年目でその期待に応えた。
 そして準決勝の相手はそのムバッペが移籍先に選んだレアル・マドリッドである。ムバッペも今大会は先発メンバーから外れていたが、6試合目にしてようやく先発メンバーとなる。ムバッペとデンベレの対決にファンは注目した。

■序盤のデンベレの活躍でパリサンジェルマンが決勝進出

 この2人の戦いであるがデンベレに軍配が上がった。序盤の6分、ドゥエが右サイドを切り裂き、中央にクロスを配給、これをレアル・マドリッドのラウール・アセンシオがカットしたが、トラップが大きく、これをデンベレが奪い、そのままシュート、これはGKのティボー・クルトワが防いだが、そのこぼれ球をファビアン・ルイスが押し込み、パリサンジェルマンが先制点を奪った。さらにデンベレの動きはさえる。9分には最終ラインのアントニオ・リュディガーからボールを奪ってそのままゴールへ一直線、そのままゴールを決める。
 序盤のデンベレの活躍で試合は決まってしまった。24分には右サイドのハキミからのパスをファビアン・ルイスが決めて3点目となる。
 後半も試合はパルサンジェルマンのペース、87分にはハキミからのクロスを受けたブラッドリー・バルコラが相手のマークを受けながらペナルティエリア内でキープ、最後はゴンサロ・ラモスにつないで4点目が決まる。
 注目の一戦に勝利したパリサンジェルマンが決勝に進出したのである。(続く)

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