第3583回 クラブワールドカップのパリサンジェルマン(8) 延長戦でベンフィカを破ったチェルシー

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■2020-21シーズンのチャンピオンズリーグを制したチェルシー

 準々決勝でバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、準決勝でレアル・マドリッド(スペイン)という欧州の強豪を破って決勝に進出したパリサンジェルマン、国内リーグ、国内カップ、チャンピオンズリーグに次いで4つ目のタイトルとしてクラブワールドカップの獲得まであと1勝となった。
 決勝の相手はイングランドのチェルシーである。チェルシーは今季(2024-25シーズン)のチャンピオンズリーグには出場しておらず、その前のシーズンも出場していない。今大会に出場している欧州のクラブで出場資格となる4シーズンのうちの2シーズンのチャンピオンズリーグに出場していないのはこのチェルシーとユベントス(イタリア)だけである。チェルシーは今大会の出場資格の対象の最も古いシーズンである2020-21シーズンのチャンピオンズリーグで優勝しているため出場権を獲得した次第である。ただ、2シーズン連続でチャンピオンズリーグに出場していないとはいっても、今季のプレミアリーグでは4位に入り、来年はチャンピオンズリーグに戻ってくる。

■グループリーグを2位で通過したチェルシー

 そのチェルシーはグループリーグではまずロサンジェルスFC(米国)に勝利したが、第2節でブラジルのフラメンゴに敗れ1勝1敗となる。最終節はチュニジアのエスペランスと1勝1敗同士の直接対決になったが、前半のアディショナルタイムに2ゴール、後半のアディショナルタイムにも1ゴールをあげ、3-0と勝利して、フラメンゴに次ぐグループ2位で決勝トーナメントに進出した。

■雷雨による中断の後、後半アディショナルタイムに追いついたベンフィカ

 決勝トーナメントの1回戦はポルトガルのベンフィカと対戦した。64分、チェルシーは左サイドでFKのチャンスを得る。直接ゴールを狙っても、ゴール前の選手に合わせてもよい距離と角度からのFKである。これをリース・ジェームズが直接狙う。ニアポストへのシュートに対し、ベンフィカのGKアナトリー・トルビンのセーブは及ばず、チェルシーが先制する。
 このままチェルシーが逃げ切るかと思ったが、85分に会場のシャーロットのアメリカ銀行スタジアムを雷が襲い、試合は2時間中断する。試合が再開してすぐに時計の針は90分を指したが、6分のアディショナルタイムに入って2分ほど経過したところで、アンヘル・ディマリアがクロスをペナルティエリア内にあげる。チェルシーの選手がクリアしたが、ベンフィカの選手はハンドがあったと主張、両チームの選手が警告を受けることになるが、VARの判定の結果、ハンドが認められ、ベンフィカにPKが与えられた。キッカーはディマリア、かつてパリサンジェルマンに所属した37歳の選手がチームを救う同点ゴールを決めた。

■延長後半に3点を上げたチェルシーが勝利、準々決勝でパルメイラスと対戦

 試合は延長戦に入ったが、延長前半開始早々、ベンフィカのジャンルカ・プレスティアーニが2枚目のイエローカードで退場となる。ここから試合の流れは一方的なものとなった。チェルシーの攻撃を耐えていたベンフィカであったが、延長後半に入った108分、チェルシーはかつてパリサンジェルマンに所属していたクリストファー・ヌクンクが勝ち越し点をあげ、114分にはカウンターから抜け出したペドロ・ネトがGKと1対1になって、冷静にシュートを決めて追加点をあげる。さらに117分にはセンターサークル付近からコール・パーマーがキアナン・デューズバリー・ホールにスルーパス、最終ラインを押し上げスペースを空けていたベンフィカはGKしか残っていなかった。デューズバリー・ホールがシュートを決め、チェルシーが4-1で1回戦を突破した。
 準々決勝はブラジルのパルメイラスと対戦する。欧州のビッグクラブには多くの南米の選手が所属する。その結果として南米勢はなかなか欧州勢に勝利することができないが、パルメイラスには注目すべき選手が1人存在するのである。(続く)

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