第3585回 クラブワールドカップのパリサンジェルマン(10) 5回目の対戦となるチェルシー戦

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■欧州勢同士の戦いとなった新方式最初の決勝

 新方式となって最初のクラブワールドカップの決勝はパリサンジェルマンとチェルシー(イングランド)という欧州勢同士の顔合わせとなった。クラブワールドカップが新方式になり、各大陸から複数のチームが出場することになったが、欧州勢がその面目を保った形になった。欧州勢同士で優勝を争う初めての大会となったが、グループリーグでパリサンジェルマンはボタフォゴ(ブラジル)、チェルシーはフラメンゴ(ブラジル)といずれも南米勢に敗れている。決勝トーナメントに入ってからはパリサンジェルマンは北中米カリブ海勢1チーム(米国のインテル・マイアミ)、欧州勢2チーム(ドイツのバイエルン・ミュンヘン、スペインのレアル・マドリッド)を下し、チェルシーは欧州勢1チーム(ポルトガルのベンフィカ)、南米勢2チーム(いずれもブラジルのパルメイラス、フルミネンセ)を下してファイナリストとなった。
 チェルシーは今大会が3回目の出場、初出場の2012年大会は決勝でコリンチャンス(ブラジル)に敗れたが、2回目の出場の2021年大会はパルメイラスを延長戦で下して優勝している。

■初対戦は2004-05のチャンピオンズリーグのグループリーグ

 さて、これまでのパリサンジェルマンとチェルシーの対戦であるが、これまで欧州カップで対戦したことが4回ある。いずれもチャンピオンズリーグで、最初は2004-05シーズン、前年のリーグ戦でリヨンに次いで2位となったパリサンジェルマンは3年ぶりに出場、グループリーグでチェルシーと同じグループHに入る。グループリーグ初戦でパリサンジェルマンはパルク・デ・プランスにチェルシーを迎えるが、ディディエ・ドログバの2ゴールなどで0-3と敗れる。これで意気消沈したパリサンジェルマンは、チェルシーとのアウエー戦もスコアレスドローでグループリーグは1勝2分3敗の最下位に終わった。

■3回目の対戦でようやく勝ち抜いたパリサンジェルマン

 2回目以降の対戦はカタール資本になってからである。2013-14シーズンのパリサンジェルマンはフランスのリーグチャンピオンとして出場、グループリーグを首位で突破、決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメント1回戦ではバイエル・レバークーゼン(ドイツ)に連勝し、準々決勝でチェルシーと対戦した。第1戦はパルク・デ・プランスでの試合、パリサンジェルマンが3-1と勝利し、チェルシー相手の初勝利を記録する。しかし、翌週にロンドンのスタンフォードブリッジで行われた試合はチェルシーが2-0で勝利、2試合通算スコアで3-3となったが、当時はアウエーゴール2倍ルールが存在したため、チェルシーが準決勝に進出した。
 この次のシーズンもその次のシーズンも両チームは決勝トーナメントで顔を合わせる。2014-15シーズンは決勝トーナメント1回戦で対戦した。グループFで2位通過のパリサンジェルマンはグループG首位通過のチェルシーを先にホームで迎える。第1戦は1-1のドロー、ロンドンでの第2戦、パリサンジェルマンは前半のうちにズラタン・イブラヒモビッチが退場となり、10人で戦う。終盤の81分にチェルシーが先制する。しかし、パリサンジェルマンは86分にダビド・ルイスが同点ゴールで試合は延長戦に入る。延長後半にエデン・アザールにPKを決められ、苦しくなったが、114分にチアゴ・シウバがゴールをあげ、第2戦も2-2のドローとなるが、アウエーゴール2倍ルールのおかげで今度はパリサンジェルマンが勝ち抜いた。

■9年前の対戦はパリサンジェルマンが連勝

 そして最後の対戦となった2015-16シーズンもまた決勝トーナメント1回戦で対戦、グループAで2位通過のパリサンジェルマンはグループGを首位突破したチェルシーと第1戦をパルク・デ・プランスで戦い、イブラヒモビッチとエディンソン・カバーニのゴールで2-1と先勝する。第2戦はロンドンのスタンフォードブリッジでの試合、アドリアン・ラビオが先制点をあげ、いったんは追いつかれたが、後半に決勝点をイブラヒモビッチが決めた。
 これまでの対戦成績はパリサンジェルマンの3勝3分2敗、9年ぶりの対戦はどうなるであろうか。(続く)

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