第3709回 連覇を目指すラグビーフランス代表 (8) 暫定首位となったアイルランド
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■アイルランド-スコットランド戦後に暫定的に首位から陥落するフランス
第4節でフランスがスコットランドに敗れたことから、優勝争いは最終節の中でも最後に行われるフランス-イングランド戦が終了するまでわからない展開となった。
最終節は欧州中央時間の15時10分に行われるアイルランド-スコットランド戦から始まるが、この時点の勝ち点はフランスとスコットランドが16、アイルランドが14である。すなわち、この試合が終了した時点でフランス以外のチームが暫定首位となり、フランスは首位から陥落する。この試合の勝利チームはその時点でフランスを勝ち点で上回り、引き分けた場合もスコットランドは勝ち点でフランスを上回る。またアイルランドが4トライ以上あげて引き分けた場合は、両チームがフランスを勝ち点で上回り、その時点でフランスは3位となる。すなわち、アイルランド-スコットランド戦は優勝争いに残る権利をかけた試合となる。
■6か国対抗での初優勝、36年ぶりのトリプルクラウンを
優勝争いだけではなく、英国4協会相手に全勝するトリプルクラウンもかかった試合となる。近年のトリプルクラウンは2022年、2023年、2025年にアイルランドが記録しているが、スコットランドはグランドスラムを達成した1990年を最後に遠ざかっている。
ホームのアイルランドは前節でウェールズに苦戦し、ボーナスポイントは上げたものの、27-17というスコアで勝利している。一方のビジターのスコットランドは前々回の本連載のとおり、フランスの4連勝を阻み、最終スコアは50-40と10点差であったものの、内容的には完勝と言えるであろう。
■キックオフ直後からエンジン全開のアイルランド
大会前はイングランド、フランスと並んで優勝候補にあげられていたアイルランドは今大会ではよいパフォーマンスを残せなかったが、この試合では立ち上がりから猛攻を仕掛ける。3分、アイルランドはスクラムで押し込んで反則を奪い、スコットランド陣内深くにタッチキック、この試合最初のラインアウトでアイルランドはモールで押し込むのではなく、連続攻撃を仕掛け、最後はゴールポスト下にジェイミー・オズボーンがトライする。これに対してスコットランドは7分にアイルランドゴール前で19フェーズを重ね、右隅にダーシー・グラハムがトライ、フィン・ラッセルが難しい角度のキックを決め、すぐさま追いつく。
ゲーム再開のキックオフからスコットランドの反則を誘い、アイルランドは今度は右サイド奥深くにタッチキックを蹴りこみ、左サイドからのラインアウト、今度はバックスまでモールに加わり、昨年のトライ王、フッカーのダン・シーハンがトライ、ジャック・クローリーのゴールも決まって14-7、スコットランドに試合の主導権を渡さない。19分にはスコットランド陣内の22メートル付近左サイドでのスクラムから大きく右に展開、最後はロバート・バルクーンが右隅にトライを決める。
■追いすがるスコットランドを突き放したアイルランド、勝ち点3差で暫定首位
前半はアイルランドが19-7とリードして折り返したが、後半に入ってトライの応酬の時間帯が訪れた。52分、アイルランドのゴール前でスコットランドは連続攻撃、フェーズを重ねながらもトライラインを越えることができなかったが、ラッセルがトライを決める。しかし、アイルランドもその後のキックオフからスコットランドのゴール前で似たような連続攻撃で57分にダラー・マレイがトライ、アイルランドはボーナスポイントを獲得する。タイトルに執念を燃やすスコットランドは60分にFWがパスをつないでロリー・ダージがトライ、21-26と迫る。
最後の最後になって地力の差が表れた。アイルランドは68分にバックス陣が果敢に前進しながらパスをつなぎ、トミー・オブライエンがトライ、さらにペナルティゴールでリードを広げて、安全圏に入り、試合終了間際の80分にはスコットランドが半ドエリングエラーしたボールを拾ってオブライエンがトライゾーンまで走りこむ。6トライをあげて43-21と勝利したアイルランドは勝ち点を19に伸ばし、暫定首位、フランスの試合を待つことになったのである。(続く)
