第3820回 今年も優勝を逃したデビスカップ(3) カナダに敗れ、初めてファイナルズに進めず

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震、令和8年熊本地震、令和8年千葉豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■フランスを率いるポール・アンリ・マチュー監督

 2019年に大会方式が変更となってからデビスカップの優勝から遠ざかっているフランスであるが、昨年から大会方式が完全ノックアウト方式となった。2月に行われた1回戦でスロバキアを下し、9月の2回戦はカナダと対戦する。アウエーでの試合を制して、11月の8か国でのファイナルズに進出したいところである。
 シングルス4試合、ダブルス1試合で3試合先勝方式において、フランスはダブルスでピエール・ユーグ・エルベールという絶対的存在がいるが、フランスにとっての課題はシングルスである。
 フランスの監督はポール・アンリ・マチュー、全仏オープン、全英オープン、全豪オープンのシングルスで準々決勝に進出したことがあり、2002年のデビスカップの決勝戦のメンバーである。2017年に現役を引退、2023年のシーズン終了後にセバスチャン・グロスジャンに次いでデビスカップの監督に就任している。就任初年の2024年はリーグステージで1勝2敗で敗退、2年目はファイナルズの初戦の準々決勝でベルギーと対戦する。ファイナルズはシングルス2試合、ダブルス1試合の2戦先勝方式で行われ、シングルスで連敗して敗退している。

■全米オープン初戦敗退のアルトゥール・フィス、メンバーから外れる

 期待のかかる3年目であるが、カナダ戦を前に誤算が起こった。シングルスのメンバーとして期待したアルトゥール・フィスがメンバー入りしなかったのである。22歳のフィスの父親のルーツはハイチ、日本の皆様であればハイチとテニスと言えば大坂なおみを思い出されるであろう。フィスはジュニア時代から頭角を現し、16歳でプロとなる。2024年にはジャパン・オープンのシングルスで優勝していることは日本の皆様にも記憶に新しいところであろう。2025年はフランス選手の中でランキング最上位となる。2026年は負傷もあり、8月中旬には米国のシンシナティ・オープンで優勝し、四大大会に次ぐマスターズ1000クラスのトーナメントで初優勝を飾った。
 全米オープンの前哨戦に位置づけられるトーナメントで優勝したことから、全米オープンではアウトサイダーとして注目を集めたが、ドローが悪かった。1回戦の相手はATPランキングの最高位が3位のギリシャのステファノス・チチパス、セットカウント1-3で初戦敗退する。その敗退の後、フィスはデビスカップチームからの離脱を申し出たのである。フィスは2025年の1回戦以来のデビスカップメンバーとなり、ATPランキングも一桁の9位にランクアップするタイミングであり、期待を集めていただけに、残念なことになった。

■初日のシングルスで連敗したフランス

 フランスのシングルスのメンバーとして選ばれたのはATPランキング39位のカンタン・アリスと49位のアルトゥール・リンデルクネッシュである。リンデルクネッシュは前回の本連載で取り上げたように、1回戦のスロバキア戦ではシングルスで2勝している。  戦いの舞台はカナダのケベック、会場のビデオトロンセンターはチケット完売で1万人のファンが集まった。
 シングルス第1試合、リンデルクネッシュはカナダのナンバー2、ATPランキング205位のライアム・ドラクセルに0-2で敗れる。シングルス第2試合はアリスがフェリックス・オジェ・アリアシムと対戦する。カナダは2022年にデビスカップで優勝したが、その時のメンバーであり、現在ATPランキング4位の実力者である。アリスは第1セットはタイブレイクまで持ち込んだが、落とす。第2セットを奪い、ファイナルセットに望みを託すが、あっけなく落とし、フランスは初日のシングルスで連敗した。

■フランスに立ちはだかったフェリックス・オジェ・アリアシム

 2日目は得意のダブルスで始まり、スロバキア戦同様、エルベールとバンジャマン・ボンジのペアがストレートで勝ち、残りのシングルス2試合にかける。
 カナダのエース、オジェ・アリアシムに対し、リンデルクネッシュは第1セットを奪い、第2セットはタイブレイクとなり競り負ける。第3セットを落とし、この時点でフランスは敗退する。優勝どころか2019年の大会方式が変更となってから初めてファイナルズに進めなかったのである。(この項、終わり)

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