第3637回 ワールドカップ出場決定にあと一歩(5) アイスランドと引き分け、ワールドカップ出場決定は11月に

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■守勢のアイスランドが先制点

 10月の連戦の第1戦のアゼルバイジャン戦とは大きくメンバーを入れ替えた第2戦のアイスランド戦、もう1試合のウクライナ-アゼルバイジャン戦の結果によってはワールドカップ出場が決定する。
 試合は青いユニフォームのアイスランドのキックオフで始まった。開始直後からフランスが攻め込み、2分には早くもCKのチャンス、ミカエル・オリーズがゴール前にあげたボールに合わせたのがクリストファー・ヌクンクであったが、アイスランドのGKオラフソンに防がれる。試合はフランスのペースとなる。フランスは次々とアイスランドのゴールをめがけてシュートを試みるが、なかなか先制点をあげることができない。このところのフランスはシュート数が多いのが特徴であり、相手の力は劣るものの、2得点に終わったアゼルバイジャン戦も33本のシュートを放っている。レイキャビクでもフランスは次々とシュートを放つが、無得点。これと言った攻撃を仕掛けることのできなかったアイスランドであるが、25分にはアルベルト・グドムンドソンが抜け出てシュートを放つが、オフサイドの判定となる。このまま前半が終わろうとする39分、アイスランドはビクター・パルソンがグドムンドソンのFKに合わせてシュート、これがゴールに入り、アイスランドとしてこの試合2本目のシュートが主将マイク・メニャンの守るフランスのゴールネットを揺らしたのである。フランスは前半アディショナルタイムにも2回決定的なチャンスをつかんだものの、得点をあげることなく、ハーフタイムを迎えたのである。

■クリストファー・ヌクンクが同点ゴール

 圧倒的に押し込み、次々とシュートを放ちながらも1点のリードを許して後半を迎えたフランス、ディディエ・デシャン監督は動かない。後半開始時にアイスランドは選手を1人交代(アイスランドは前半アディショナルタイムにも負傷した選手を1人交代している)させたが、フランスは前半と同じ11人がピッチに散らばる。後半もフランスが主導権を握り、フロリアン・トーバンがたびたびシュートを試みるが、枠をとらえきれない。次々にシュートを外していたフランスであったが、ようやく63分、左サイドのルカ・ディーニュからのパスを受けたヌクンクが右足で強烈なシュートを決めて、同点に追いついた。

■ジャン・フィリップ・マテタの代表初ゴールで逆転

 同点に追いついた直後、フランスは最初の選手交代、トーバンに代えてマグネス・アクリウシュを投入する。モナコの若者がさっそく活躍する。68分にエドゥアルド・カマビンガからオフサイドライン上でパスを受けたアクリウシュはクロスを入れる。これをジャン・フィリップ・マテタがゴールに押し込み、マテタはうれしい代表初ゴールとなり、フランスはワールドカップ出場決定の必要条件である勝利に近づいた。この時、ポーランドのクラコフではウクライナが2-1でリードしたところであった。

■逆転直後に追いつかれ、勝ち越し点を奪えなかったフランス

 しかし、フランスの逆転ゴールの直後、アイスランドはイタリアのフィオレンチナで活躍するグドムンドソンがダヨ・ウパメカノとウィリアン・サリバを交わしてクリスティアン・ヒリンソンにパス、20歳のヒリンソンがメニャンの頭上を越える同点ゴールを決める。70分に追いつかれたフランスは残り20分になんとか勝ちこそうと攻勢を強める。 残り数分となってからはフランスはアイスランドをペナルティエリア内に釘付けにし、左右からクロスを供給するものの、勝ち越し点をあげることなく、5分と表示されたアディショナルタイムも活かすことができなかった。
 フランスのシュート数20本に対し、アイスランドは4本、さらに枠内シュートはフランスは9本、アイスランドは2本でそれがいずれも得点となった。
 もう1試合は2位ウクライナがアゼルバイジャンを2-1で退け、フランスとの勝ち点差を3に縮め、ワールドカップ出場決定は11月に持ち越されたのである。(この項、終わり)

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