第1636回 ワールドカップ組み合わせ決定(1) 組み合わせ抽選前のポット分け

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■11月20日に32代表が決定

 11月19日に欧州予選のプレーオフの第2戦が行われ、その翌日の20日に行われた大陸間プレーオフのニュージーランド-メキシコ戦、ウルグアイ-ヨルダン戦を最後に長い予選がすべて終了し、全32代表が決定した。欧州からはベルギー、イタリア、ドイツ、オランダ、スイス、ロシア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イングランド、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、クロアチア、フランス、南米はブラジル、アルゼンチン、チリ、エクアドル、コロンビア、ウルグアイ、北中米・カリブ海は米国、コスタリカ、ホンジュラス、メキシコ、アフリカはコートジボワール、ナイジェリア、カメルーン、ガーナ、アルジェリア、アジアは日本、豪州、イラン、韓国という顔ぶれである。

■連続出場の多いアジア、アフリカ、中南米・カリブ海

 初出場はボスニア・ヘルツェゴビナだけである。32チーム中24チームが前回大会に続いて連続出場し、特にアフリカは5か国すべてが連続出場、アジアも4か国中3か国、北中米・カリブ海も4か国中3か国とこれらの大陸では出場国も固定化しつつあるが、これまで決勝戦を独占してきた欧州勢と南米勢は前回大会に出場していなかったチームが多く、欧州は13か国中4か国、南米は6か国中2か国が前回大会には出場していない。ワールドカップで上位を占めるこれらの地域はハイレベルの戦いが展開されているが、いわゆる上位を占める国は順当に連続出場している一方、それ以外の2番手レベルの国はまだ上位国に比べて確固たる地位を築いていないということも言えるであろう。

■10月に発表されたポット1の8か国

 さて、本大会の組み合わせ抽選は12月6日に行われたが、シードの発表はそれに先立って2回にわたって行われた。まず、シードに相当するポット1の8か国がプレーオフが行われる前の10月17日に決定している。10月の国際試合が終了した時点でFIFAランキングの上位7か国と開催国のブラジルがポット1となった。10月段階でのFIFAランキング上位国は1位スペイン、2位ドイツ、3位アルゼンチン、4位コロンビア、5位ベルギー、6位ウルグアイ、7位スイスである。この段階では6位のウルグアイはヨルダンとのプレーオフを控えている段階であり、もしウルグアイが本大会出場できなかった場合は8位のオランダが繰り上げて第1シード入りすることになっていた。
 このシード国のうち、コロンビア、スイスは前回大会には出場しておらず、強豪大陸において近年好成績を残してきたことを意味している。一方、2006年の優勝チームのイタリア、サッカーの母国イングランドは第1シードから外れ、結果的には前回準優勝のオランダも第1シードから外れている。2大会連続の第1シード入りはブラジル、スペイン、ドイツ、アルゼンチンの4か国だけである。現在のFIFAランキング上位3チームと開催国のブラジルであり、このトップ4チームは前回大会から継続した力を持っているが、それに続くレベルでの地殻変動は興味深い。

■抽選の3日前に決まったポット2からポット4

 そして抽選を3日後に控えた12月3日に残りのポット2からポット4までの振り分けが発表された。ポット2はポット1に入らなかった南米2か国(エクアドル、チリ)とアフリカ5か国(コートジボワール、ナイジェリア、カメルーン、ガーナ、アルジェリア)、ポット3にはアジアの4か国(日本、豪州、イラン、韓国)と北中米カリブ海の4か国(米国、コスタリカ、ホンジュラス、メキシコ)、ポット4はポット1に入らなかった欧州9か国(イタリア、オランダ、ロシア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イングランド、ポルトガル、ギリシャ、クロアチア、フランス)となった。各ポットでチーム数が異なるが、9か国のポット4の欧州勢のうち、抽選で1チームが7か国のポット2に回ることになるのである。(続く)

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