第1707回 栄光目指す23人(1) シーズン終了間際にメンバーを発表

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■2013-14シーズンのフランスリーグ

 本連載では4月からチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、リーグカップ、フランスカップ、フランスリーグとシーズン終盤のフランスサッカーを紹介してきた。フランスでは5月17日にリーグも終了し、パリサンジェルマンが優勝、2位のモナコと3位のリールがチャンピオンズリーグ、4位のサンテチエンヌと5位のリヨンがヨーロッパリーグに出場する。またフランスカップの覇者であるギャンガンもヨーロッパリーグに参加する。2部から昇格した3チームがすべて残留しただけではなく、ナントを除く2チームが次年度の欧州カップに出場することは快挙であると言える。
 一方、18位のソショー、19位のバランシエンヌ、最下位20位のアジャクシオが2部に降格し、2部からは優勝したメッス、2位のRCランス、3位のカーンが1部に復帰する。優勝したメッスはかつては1部でも活躍したが昨季はナショナルリーグに所属しており、2部復帰初年度で1部復帰を決めた。一方、今季2部に降格したナンシー、ブレスト、トロワは復帰ならなかった。

■5月13日に30人を予備登録、その中から6月2日に23人を登録

 このように国内のサッカーシーンは例年通り悲喜こもごもの中で終わりを告げたが、今年は4年に1度のワールドカップイヤーである。そのため、例年より若干早く日程も消化されている。
 フランス代表は3月初めにオランダ戦を行ってから、チームは編成されず、各選手は所属するチームのシーズン終盤の戦いに全力を尽くす。各国のシーズンがほぼ終了する5月13日にディディエ・デシャン監督がメンバーを発表することになっていた。ワールドカップにエントリーできるメンバーは23人であるが、その前の段階として5月13日に上限30人の予備登録を行うことになっている。この予備登録されたメンバーは5月24日に行われるチャンピオンズリーグの決勝を除き、各クラブでの活動を制限される。そして最終的にこの30人の中から大会10日前の6月2日に上限23人のメンバーを登録することになる。
 いずれにせよ国内リーグの最終戦目前の5月13日の段階でディディエ・デシャン監督が30人の予備登録メンバーを発表するのか、それとも23人の本登録メンバーと予備メンバー7人を発表するか、ということに加え、だれがこのメンバーに入るかということが注目を集めた。

■守備陣では注目を集める第3GKと左サイドバック

 もっとも、23人(30人)のメンバーのうち、20人近くはほぼ確実なメンバーであると言えよう。 まずGKはウーゴ・ロリスが先発メンバーであり、第2GKはスティーブ・マンダンダ、第3GKに誰を起用するかが注目である。なお、規程により23人のメンバーには3人のGKを入れなくてはならないため、出場の可能性が低い第3GKはチームビルディングに貢献できる観点からの選手選考が行われる。
 続いてDFラインは中央のラファエル・バランとローラン・コシエルニー、ママドゥ・サコー、エリキアム・マンガラが有力視され、左サイドはマチュー・ドビュッシー、バカリ・サーニャと人材がいるが、左サイドはパトリス・エブラぐらいが合格点、7人はほぼ決まっているが8人目、9人目、特にエブラに次ぐ第2の左サイドに誰を起用するかが注目である。

■レギュラー以外のMF陣、6人目以降のFWが焦点

 MFについてはヨアン・カバイエ、ブレーズ・マツイディという守備的な位置、攻撃的な位置の選手はポール・ポグバ、ムーサ・シソッコあたりが固まっており、それ以外の選手は2、3人は入るであろう。
 そしてFWであるが、カリム・ベンゼマ、オリビエ・ジルーというトップの選手、サイドの選手としてアントワン・グリエズマン、フランク・リベリー、マチュー・バルブエナがリストアップされるが、これらの選手に次ぐ6人目以降のFWは長丁場となるワールドカップでは決して控えではない。
 上記の18人はこれまでの実績から見て当確であるが、それ以外の選手も含めて、デシャン監督は5月13日夜に発表したのである。(続く)

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