第3636回 ワールドカップ出場決定にあと一歩(4) ワールドカップ出場のかかるアイスランド戦の先発

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■アイスランドとの点の取り合いを制したウクライナ

 前回の本連載では10月10日にパルク・デ・プランスで行われたアゼルバイジャン戦でフランスが2-0と勝利したことを紹介したが、今回、代表初選出となったジャン・フィリップ・マテタは後半に入って79分にウーゴ・エキティケに代わって出場、948人目のフランス代表となった。そしてディディエ・デシャン監督の下では87人目の代表選手である。 さて、気になるグループDのもう1試合であるが、勝ち点3のアイスランドは勝ち点1のウクライナをレイキャビクに迎える。この試合は点の取り合いとなった。先制したのはアウエーのウクライナ、14分に得点を奪うが、アイスランドは35分に追いつく。ところがウクライナは45分に勝ち越し、前半アディショナルタイムの50分には2点差となるゴールを決めて、ハーフタイムを迎える。後半に入ってアイスランドは59分と75分に得点をあげて、3-3に追いつく。しかし、ウクライナは終盤の85分と88分に連続ゴール、ウクライナが5-3で初勝利をあげる。

■フランスが勝利し、ウクライナが引き分け以下でワールドカップ出場決定

 この結果、ちょうど半分の3試合を終えた時点のグループDの順位は首位が3連勝で勝ち点9のフランス、2位が勝ち点4のウクライナ、3位は勝ち点3のアイスランド、最下位が勝ち点1のアゼルバイジャンである。
 13日の第4節は欧州中央時間の20時45分にレイキャビクでアイスランド-フランス戦、ポーランドのクラクフでウクライナ-アゼルバイジャン戦が行われる。フランスがこの日にワールドカップ予選突破を決めるためには2位チームとの勝ち点差を6以上に広げることが必要である。この夜にフランスが本大会出場を決めるのは、フランスが勝利して、ウクライナが引き分け以下となった場合のみである。
 フランスはこれまでアイスランドと16回対戦し、14勝2分と一度も負けていない。ウクライナもホームゲームとはいえ、ロシアのウクライナ侵攻でホームゲームを他国で行わなくてはならないため、ランキング下位のアゼルバイジャンに勝利できない可能性は十分になる。またアゼルバイジャンがここまでに獲得した唯一の勝ち点がホームのウクライナ戦であったということも忘れてはならない。
 ウクライナがホームゲームを国内ではなくポーランドで行うことから2試合が同時にキックオフとなり、フランスの首脳陣はポーランドでの試合経過を気にしながら指揮を執ることになる。

■アゼルバイジャン戦と大幅に入れ替わった先発メンバー

 フランスは上から下まで白のユニフォームでレイキャビクのラウガルタル競技場の満員の9000人の観衆の前に姿を表す。先発メンバーはGKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、ウィリアン・サリバ、ダヨ・ウパメカノ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置にマヌ・コネとエドゥアルド・カマビンガ、高い位置に右からフローリアン・トーバン、ミカエル・オリーズ、クリストファー・ヌクンク、FWは1トップ、ジャン・フィリップ・マテタという陣容であり、3日前のアゼルバイジャン戦とは大きくメンバーが変わった。
 GKと最終ラインのストッパー2人は変わらなかったが、両サイドバックは変わる。中盤より上ではアゼルバイジャン戦にも先発していたのはオリーズだけである。

■初先発となるジャン・フィリップ・マテタ、6年ぶり先発のフローリアン・トーバン

 そして驚きはアゼルバイジャン戦の終盤に代表にデビューしたマテタがCFとして先発出場を果たした。また、トーバンは2019年6月11日の欧州選手権予選のアンドラ戦以来、6年半ぶりの先発出場となった。トーバンはこのブランクの間には、2021年に行われた東京オリンピックにオーバーエイジ枠で出場しているが、これはメキシコのクラブに所属していたことが大きい。そのトーバンはイタリアのウディネーゼを経て、今夏、フランスに4年ぶりに戻り、RCランスに所属している。アゼルバイジャン戦の先発にはいなかったフランスのクラブに所属する選手が先発することになったのである。(続く)

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