第3723回 ワールドカップ予選、大陸間プレーオフ(3) フランスの相手は初対戦のイラク

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■イラク、スリナム、ボリビアが争うパス2

 前々回と前回の本連載はフランスの海外領土であるニューカレドニアの大陸間プレーオフでの戦いを紹介したが、今回はワールドカップ本大会でフランスとグループIで戦うことになるパス2の争いを紹介しよう。
 パス2はアジア9位のイラク、北中米カリブ海5位のスリナム、南米7位のボリビアで争われた。パス2もメキシコで行われたが、こちらはモンテレイが会場である。モンテレイのBBVA競技場も完成は2015年であり、今夏には初めてのワールドカップを迎える。3チームは組み合わせ抽選時のFIFAランキングによって組み合わせが決まり、58位でランキングトップのイラクは準決勝を免除、76位のボリビアと123位のスリナムの勝者と決勝を争う。

■人材の宝庫のスリナム

 ボリビアは昨年代表チームが訪日し、多くの日本人が移民として海を渡ったことから日本の皆様はよくご存じであろう。一方、スリナムは地理的には南米大陸であるが、サッカーの世界では北中米カリブ海に所属している。なお、ガイアナ、仏領ギアナも同様に南米の国であるが北中米カリブ海の連盟であるCOCACAFに所属している。スリナムはオランダから独立した国で、スリナム出身者あるいはスリナムからのオランダ本国への移民は多くのオランダ代表の名選手を輩出してきた。1990年代のACミラン(オランダ)全盛期のフランク・ライカールト、ルート・フリット、それ以降もクラレンス・セードルフ、エドガー・ダービッツ、パトリック・クライファート、そして現在の代表主将のフィルジル・ファン・ダイクなど錚々たるメンバーを輩出している。
 今回の北中米カリブ海予選は開催国である米国、カナダ、メキシコが参加せず、それ以外の国にとってはチャンスが広がった。予選出場国のうち、開幕時のランキングでは12番目だったスリナムは最終予選に進出、4チームずつ3つにわかれたリーグ戦で2位になり、他のグループの2位との比較となった。スリナムはホンジュラスと勝ち点、得失点差で並んだが、総得点で上回り、ジャマイカと共に大陸間プレーオフにたどり着いた。
 スリナムは多くの選手を輩出しているが、力のある選手はオランダ代表を選ぶ。ただ、ニューカレドニアとの違いは代表選手のほとんどが欧州のクラブに所属しており、控えGKのバルネル・ハーンは京都サンガに所属していたこともある。

■スリナムに逆転勝利したボリビアが決勝進出

 3月26日の試合、前半はボリビアとスリナムはお互い攻めあうが、スコアレスでハーフタイムとなる。後半に入って先制したのは48分、スリナムであった。ここで南米予選で強豪と戦ってきたボリビアの経験値が生きる。リードされたボリビアは交代選手が同点ゴールを決めると、終盤には別の交代選手がPKを誘う。このPKを成功させたボリビアが決勝に進出した。

■ボリビアを下したイラク、ワールドカップ本大会でフランスと初対戦

 イラクとボリビアの決勝、4万4000人の観客の前で立ち上がりから攻めたのはイラクであった。9分にイラクがFKを直接ゴールに狙うが、ボリビアのGKギジェルモ・ビスカラがCKに逃れる。しかし、このCKからイラクがヘディングで先制する。準決勝に続いて先制を許したボリビアは38分に追いついてハーフタイムを迎える。
 後半に入って決勝点を奪ったのはイラクであった。53分にクロスをアイマン・フセインが右足でボレーシュートを決める。
 イラクは1986年大会以来2回目のワールドカップ出場を決めた。1986年大会は今回の大陸間プレーオフを行ったメキシコで開催されている。
 イラクはグループリーグ第2戦でフランスと対戦する。これまでにフランスはイラクと対戦したことがなく、6月22日のフィラデルフィアでの対戦が初顔合わせとなる。ワールドカップ本大会が初対戦というのはこれまでに1930年大会のメキシコ、アルゼンチン、チリ、1958年大会のパラグアイ、1982年大会のクウェート、1986年大会のカナダ、1998年大会のクロアチア、2002年の日本・韓国大会のセネガル、2006年大会のトーゴ、2014年大会のホンジュラスが過去にある。さて、イラクとの初対戦はどうなるだろうか。(この項、終わり)

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