第3761回 新大陸で有終の美を飾れるか、ディディエ・デシャン(2) 初招集の第3GKのロバン・リセ

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■唯一の代表初招集、ロバン・リセ

 ディディエ・デシャン監督最後の大会となるワールドカップ北中米大会、この大会にむけて26人のメンバーが発表された。本連載で紹介してきた通り、代表チームの最後の活動は3月末の米国遠征、それから欧州のサッカーシーンはクライマックスを迎える。栄光をつかんだ選手、無念な結果に終わった選手がいるが、この26人にはシーズン後にデシャン監督も行くことができなかった新大陸でのワールドカップが待っている。
 その26人のメンバーの中で唯一、今回が代表初招集というのがGKのロバン・リセである。リセはチーム最年少の21歳である。

■1部リーグ初年でリーグ2位、フランスカップ優勝、リーグ最優秀GKとなる

 これまで代表のGKは3人、マイク・メニャン、ブリス・サンバ、ルカ・シュバリエの3人体制であった。30歳のメニャンが正GK、第2GKは32歳のサンバ、そして24歳のシュバリエが第3GKという構図であった。ところがシュバリエが4月末に負傷し、所属チームのパリサンジェルマンでもマトベイ・サフォノフにポジションを譲っている。そのシュバリエの負傷離脱の後を埋めるべく、RCランスのリセが招集された。
 コルマール生まれのリセはストラスブールの下部組織に所属し、年代別代表に選出された。ストラスブールでプロ契約を結んだが、試合に出場することはなく、2部のディジョン、レッド・スターにレンタルされ、昨年の夏、RCランスに移籍したのである。
 ちょうどRCランスはGKを総入れ替えし、リセは1部リーグ初年であったが、リーグ戦では開幕戦から最終節まで全試合に出場し、パリサンジェルマンに次ぐ2位となり、リーグの最優秀GKに選出された。そしてフランスカップでも初優勝を果たしたのである。第3GKであるからワールドカップで試合に出場する可能性は少ないが、メニャン、ブリスの後はシュバリエとリセの時代となるであろう。また、リセは年代別代表の経験はあるが、所属クラブでの国際試合の経験もない。このワールドカップでの経験が来季のチャンピオンズリーグ等で生かされるであろう。
 代表出場歴が10試合に満たないのはリセの他にサンバ、マロ・グスト、マクサンス・ラクロワ、マグネス・アクリウシュ、ラヤン・シェルキ、デジレ・ドゥエ、ジャン・フィリップ・マテタの合計8人である。

■26人中9人が欧州カップの決勝に進出

 代表メンバーは5月29日にクレールフォンテーヌに集合した。しかし、26人のうち、9人の所属チームは欧州カップの決勝に進出しており、5月末まで試合がある。チャンピオンズリーグはパリサンジェルマンに5人(ルカ・エルナンデス、ウォーレン・ザイール・エメリ、ウスマン・デンベレ、ブラッドリー・バルコラ、ドゥエ)、イングランドのアーセナルに1人(ウィリアム・サリバ)、ヨーロッパリーグではイングランドのアストン・ビラに1人(ルカ・ディーニュ)、カンファレンスリーグではイングランドのクリスタル・パレスに2人(ラクロワ、マテタ)というように3分の1のメンバーが欧州の頂点を争っていたのである。

■出発前にナントとリールで親善試合

 フランスは本大会の準備のため、親善試合を2試合組んだ。まずフランスを出発する前の6月4日、ナントでコートジボワール戦、8日にリールで北アイルランド戦といずれも本大会に出場しないチームと対戦した。
 ナントは前回の本連載で紹介した通り、ディディエ・デシャン監督が選手としてプロの道を歩み始めた街である。そしてフランスの地方都市としてはマルセイユ、リヨンに次いで3番目に多く代表の試合を行っている都市であるが、過去10試合行っているが無敗である。そして1984年に建設されたボージョワール競技場では、その年に行われた欧州選手権でのグループリーグのベルギー戦に始まり、フランスは6戦全勝である。
 その縁起の良い競技場での試合となったが、フランスは欧州カップの決勝に臨んだ選手はベンチかスタンドでキックオフを迎えることになったのである。(続く)

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