第3777回 パラグアイの堅守を破り、8強入り(3) 激しいプレーに苦戦するが、キリアン・ムバッペのPKで勝利
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■自信をもって送り出したフランスの先発メンバー
予選から一貫してしぶとい戦いを続けてきたパラグアイに対し、フランスはこれまでと同じ布陣で臨む。これはこれまでのパラグアイとの戦績がワールドカップの2勝を含め、3勝2分と無敗であることに加え、今大会に入ってフランスは4戦全勝という成績を残している自信の表れであろう。
青一色のユニフォームに身を包んだフランス、先発メンバーGKはマイク・メニャン、DFは右からジュール・クンデ、ダヨ・ウパメカノ、ウィリアム・サリバ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置にマヌ・コネとアドリアン・ラビオ、MFは高い位置に右にウスマン・デンベレ、左はブラッドリー・バルコラ、トップ下はミカエル・オリーズ、FWは1トップでキリアン・ムバッペである。1回戦のスウェーデン戦とは1人変わっただけ、練習中に負傷したオーレリアン・チュアメニに代わってラビオが出場している。
■5バックで臨むパラグアイ
一方のパラグアイであるが、伝統の赤と白の縦縞、GKはオーランド・ヒル、DFが5人並べて右からファン・ホセ・カセラス、グスタボ・ベラスケス、グスタボ・ゴメス、オマル・アルデレーテ、フニオール・アロンソ、MFはフラットに4人、ミゲル・アルミロン、ディエゴ・ゴメス、アンドレス・クバス、マティアス・ガラルサ、FWは1トップでフリオ・エンシソという布陣、フランスに攻め込まれることは想定内、数少ないチャンスをエンシソの個人技に託すという戦術である。ドイツ戦では4バック、そしてFWは3人配置し、エンシソはウイングであった。エンシソはストラスブールでもCFの他にウイングやトップ下も務め、ポリバレントな能力を持つ選手である。
■パラグアイのファウルを取らないウズベキスタン人の主審
試合はフランスがパスをつなぎ、一方的に攻める展開となり、パラグアイの選手はペナルティエリア内にくぎ付けとなった。ここまではフランスは想定していたであろうが、想定できなかったのはパラグアイの激しいタックルである。危険なプレーも多数あったが、ウズベキスタン人の主審イルギス・タンタシェフ氏はことごとくパラグアイのファウルを見逃す。日本の皆様であればよくご記憶であろう、タンタシェフ氏は今年4月に行われたアジアチャンピオンズリーグエリートの決勝、アルアハリ(サウジアラビア)-町田ゼルビアの試合の笛を吹いている。この試合もアルアハリの選手の危険なプレーをファウルと認めず、大荒れの試合となり、アルアハリが勝利した。
フランスのボール保持率は8割を超え、パラグアイの選手がタックルでフランスの選手を倒してもホイッスルは吹かれない。逆に19分にバルコラのファウルにはイエローカードが提示される。30分になるまで、パラグアイのプレーに対しファウルの反則が取られなかったのである。パラグアイに最初のファウルが認められる時点ですでにフランスには5回もファウルが取られていたのである。
そのような試合展開となったが、フランスの選手は次々とシュートを放つ。しかしながら、エースのムバッペのシュートの機会はなく、前半は両チーム枠内シュートがゼロでハーフタイムを迎える。前半の枠内シュートがなかった試合はワールドカップの決勝トーナメントでは実に20年ぶりのことである。
■フランスを勝利に導いたキリアン・ムバッペのPK
後半も全く同じ試合展開となった。53分にはコネのミドルシュートをパラグアイのGKヒルがセーブし、CKに逃れるが、デンベレのCKをヒルは今度はキャッチする。
65分にはドゥエがドリブルでペナルティエリア内に持ち込むが、パラグアイの選手に倒され、パラグアイがボールをもって攻め上がる。フランスの選手はファウルをアピールするが、主審はそのまま試合続行、ようやくVARが試合を止めて、PKの判定となる。
ムバッペの出番である。これまで好セーブを続けてきたヒルのタイミングをずらして、PKを決める。
パラグアイの汚いプレーとヒルの好守だけが目立つ試合となり、試合終盤にフランスはコネとオリーズが警告を受け、ファウルを駆使返したパラグアイは警告なしというレフェリングに疑問の残る試合となったが、フランスがベスト8入りしたのである。(この項、終わり)
