第3782回 スペインにまたも敗れる(2) 予選、本大会通じて無敗で準決勝に進出したスペイン

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■欧州予選を圧倒的な強さで通過したスペイン

 2024年の欧州選手権を制し、2024-25シーズンのUEFAネーションズリーグではポルトガルに次ぐ準優勝、開幕時点のFIFAランキングでは2位とフランスの3位よりも上位にあるスペイン、準決勝までの道のりを紹介しよう。
 スペインは欧州予選では開幕から5試合連続で完封勝利、19得点、無失点、最終戦のトルコ戦こそ2-2の引き分けであったが、圧倒的な力を見せた。
 主力は欧州のビッグクラブに所属しており、シーズン終盤までクラブでの厳しい戦いを余儀なくされる。ただ、今年はバルセロナ、レアル・マドリッドはチャンピオンズリーグの準々決勝で敗退、4月中旬に舞台から降りている。ただ、チャンピオンズリーグの決勝を争ったパリサンジェルマンにはファビアン・ルイス、アーセナル(イングランド)にはダビド・ラヤ、ミケル・メリーノ、マルティン・ズビメンディがいる。このようなチームの場合、開幕が遅い方が都合がよい。逆に序盤は苦戦することもある。それがまさに当てはまったのが今回のスペインであった。

■カーボベルデとドローでスタートするもグループ首位突破

 スペインの入ったグループHはウルグアイ、サウジアラビア、カーボベルデ、大方の予想はスペインとウルグアイが上位2位を占め、3位のサウジアラビアが決勝トーナメントに進出できるかどうか、というものであっただろう。ところが、スペインは6月16日のカーボベルデ戦である。カーボベルデは本連載では2年に1回開催されるアフリカネーションズカップで紹介することがあるかないか、という位置づけの国である。チャンピオンズリーグの決勝に出場した選手のうち、ファビアン・ルイスのみが出場したスペインはパスを回し、ボールを支配し、次々とシュートを放ったが、カーボベルデのGKボジーニャにことごとく阻まれ、スコアレスドローに終わる。
 これが準決勝まで進出したスペインにとって勝利できなかった唯一の試合となった。第2戦はサウジアラビアに4-0、第3戦は決勝トーナメント進出に向けて首の皮一枚となったウルグアイを1-0と倒し、グループを首位通過する。

■オーストリアに完勝、試合終盤に決勝点を決めたポルトガル戦

 決勝トーナメント1回戦はオーストリア戦、終始圧倒し、3-0と勝利する。2回戦以降はタフな対戦相手となった。2回戦の相手はポルトガル、イベリア半島ダービーというだけではない。2025年に行われたUEFAネーションズリーグの決勝でPK戦で敗れている相手である。
 スペインにとってはこれまでとは全く違う試合展開になった。互角という単語が最もふさわしく、両チームが試合を作り、相手チームの作った試合をつぶしにかかる。このまま延長戦かと思われたが、90分をちょうどすぎたところで交代出場したミケル・メリーノへのスルーパスがうまく通り、GKと一対一になったミケル・メリーノは冷静に決めて、これが決勝点となったのである。

■出場停止処分解除で注目のベルギーに大勝

 そして準々決勝の相手はベルギーである。黄金世代が峠を越しかかっているベルギーはグループGでは2試合連続引き分けとなり、最終戦でニュージーランドに大勝し、グループGを首位突破する。決勝トーナメント1回戦はセネガルに2点を先行されながら、試合終盤に追いつき、延長戦で勝ち越し点を入れて逆転勝利を収めている。
 2回戦の米国戦は注目を集めた。出場停止処分から一転して出場することが可能になったモナコの所属するフォルラン・バログンは先発したが、米国チームは精彩を欠き、逆にベルギーの良いところばかり目立つ試合となった。前半にシャルル・デケテラーレが2点、後半にもロメル・ルカクがゴールをあげ、4-1と完勝する。
 上り調子のベルギーに対してスペインはポルトガル戦同様、思うような試合が展開できない。それでも30分にファビアン・ルイスが先制点。ところが前半の終盤にベルギーはデケテラーレがヘディングシュートを決める。ワールドカップでは前回大会の日本戦以来の失点となった。そしてポルトガル戦同様、試合の終盤の88分、ミケル・メリーノがシュートのこぼれ球を押し込んで決勝点、準決勝進出を決めたのである。(続く)

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