第1054回 新春恒例のフランスカップ (2) 荒れる天候とは逆に、1部勢は順当なスタート

■唯一行われた1部勢対決はルマンが勝利

 寒波の影響で、32試合中12試合が延期になったフランスカップのベスト32決定戦であったが、その結果を中間報告したい。
 ベスト32決定戦は、1部勢20チームを含む64チームによって争われる。注目の1部勢であるが、1部同士の戦いは、ルマン-バランシエンヌ戦、サンテエチエンヌ-ロリアン戦とグルノーブル-モンペリエ戦の3試合だけである。
 しかし、これらの中で山間部での試合となったサンテエチエンヌ-ロリアン戦とグルノーブル-モンペリエ戦は延期となった。唯一の1部勢同士の対戦はルマン-バランシエンヌ戦であるが、厳寒の中で行われた試合、観衆はわずか1500名と寂しい雰囲気の中で行われた。試合はリーグ戦では17位と振るわない地元ルマンがアントニー・ルタレックのゴールを守りきり、リーグ戦では10位と上位であるバランシエンヌを破った。

■リヨン、マルセイユとも下位チームに順当勝ち

 残りの14チームは下位のクラブチームの挑戦を受けて立つことになる。1部で首位、チャンピオンズリーグのグループリーグでも好調なボルドーはホームでナショナルリーグのロデスと対戦、てこずったものの、終盤にPKを得て、ウェンデルが決め、緒戦を突破した。2位のリールはアウエーでコルマールと対戦する予定であったが、延期となる。
 また人気チームのマルセイユ、パリサンジェルマンともにアマチュアのCFA2に所属するチームとの対戦となった。前回の本連載で紹介したとおり、両チームの10月の対戦の新型インフルエンザによる延期が、今回のベスト32決定戦の実施に大きな影響を与えている。マルセイユはトレリサックとアウエーで対戦するが、スタジアムの収容人数の関係でボルドーの近くのアキテーヌ地方の中核都市であるペリグーに舞台を移す。ペリグーは雪こそ降らなかったものの、気温は氷点下であり、ピッチの凍結による試合の延期が危ぶまれた。しかし、試合前の懸命のグラウンド整備により、マルセイユからのサポーターを含む1万人を超す観衆の前で試合はキックオフされる。これまでに10回の最多優勝を誇るマルセイユは、前半にハテム・ベンアルファ、後半にブノワ・シェイルーが得点をあげて、2-0と順当に勝利する。

■パリサンジェルマン、リヨンとも初戦を突破

 パリサンジェルマンの相手はオーベルビリエである。オーベルビリエといえば、パリ近郊のセーヌサンドニ県の都市であり、いわゆるバンリューの典型と言う都市である。同じパリ郊外の都市とは言ってもるルバロワとは対照的な都市である。ルバロワが上流階級の都市であるならば、オーベルビリエは共産党が長く政権を保持してきた都市である。この試合はパリの保守層の牙城といわれる16区にあるパルク・デ・プランスで行われた。ダービーマッチの様相を呈した試合であったが、パリサンジェルマンが10分のペギー・リュインデュラのゴールをはじめにゴールラッシュで5得点、5-0と4つ下のカテゴリーのチームを一蹴する。
 そして復調の兆しの見えるリヨンはアウエーで2部のストラスブールが相手である。2年前まで1部リーグに所属していたストラスブールは今季は元気なく前半戦を終了した段階で20チーム中18位とナショナルリーグ降格に危機に瀕している。ストラスブールはアルザスの都市であり試合開催が難しかったが、試合は氷点下4度と言う厳しい条件の中で行われた。リヨンも昨年末に順位を落としリーグ前半戦を終えて6位であるが、常に先行する展開で、3-1と勝利し、2年ぶりの優勝へとまず一歩を踏み出したのである。

■ニース以外の1部勢は下位チーム相手に勝利

 これらのチーム以外に試合が延期とならなかった1部勢はブローニュ、トゥールーズ、モナコ、レンヌ、ニース、オセールの6チームである。この中で敗れたのはナショナルリーグのプラベネックと対戦したニースだけである。ニースは先制したものの、前半終了間際に同点にされ、前半ロスタイムにオウンゴールで逆転される。ニースは同点に追いつくことができず、敗退してしまう。それ以外の試合は、PK戦までもつれたモナコを含み、1部勢が順当に勝利する。
 結局、予定通りに行われた20試合に出場した1部勢は12チームあったが、1部勢同士の戦いで敗れたバランシエンヌ以外はニースが敗れただけであった。荒れる天候とは逆に1部勢は安泰であり、穏やかな年の始まりとなったのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ