第1466回 パリサンジェルマンとマルセイユの首位争い

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■昨季、一昨季のチャンピオンが低迷、ビッグクラブが首位争いするフランスリーグ

 秋になり、代表チームはワールドカップ予選、クラブチームはチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグという欧州カップの戦いが本格化してきたが、毎週リーグ戦が行われていることを忘れてはならない。
 フランスリーグは昨季はモンペリエが初優勝、そしてその前年はリールが57年ぶりに優勝と、近年のリーグ戦では優勝経験のないチームの優勝が続いたが、今季は少々異なった様相を呈している。
 チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグでフランスのクラブを取り上げた際に紹介してきたが、昨季優勝のモンペリエ、一昨年優勝のリールは下位に低迷し、パリサンジェルマン、マルセイユ、リヨンといういわゆるビッグクラブが上位を占めている。

■序盤から低迷が続くモンペリエとリール

 ちょうどロンドンオリンピックが閉幕しようとしている8月10日の開幕戦にはモンペリエが登場し、古豪トゥールーズと引き分ける。モンペリエはその後ロリアン、マルセイユ相手に連敗し、初勝利は第4節のソショー戦、第9節を終了した時点で2勝2分5敗で16位である。
 そして一昨年優勝し、昨季3位のリールは新スタジアムが完成し、シーズン前の親善試合で連戦連勝、この勢いをそのまま開幕戦に持ち込み、サンテチエンヌに勝利したところまではよかったが、第2節からは勝ち星に見放される。新スタジアムのこけら落としとなる第2節のナンシー戦で引き分け、第3節のニース戦もドローとなる。チャンピオンズリーグのFCコペンハーゲンとのプレーオフでエネルギーを使い果たしてしまったのか、第4節のホームのパリサンジェルマン戦は1-2と満員の観衆の期待を裏切る形となる。結局第8節まで勝利を記録を記録することができず、勝ち点1またはゼロしか積み上げられず、第9節終了時点で2勝3分4敗で11位にとどまっている。

■首位を争うマルセイユ、パリサンジェルマン、リヨン

 一方、首位を争っているのがマルセイユ、パリサンジェルマン、リヨンである。 まず7連覇以降リーグ優勝から離れてしまったリヨンであるが、開幕戦はアウエーでレンヌを下し、第2節でもトロワを下す。第3節ではエビアンと引き分けるが、第4節からまた3連勝、第7節でボルドーに敗れた以外は引き分け以上の成績で、第9戦を終了した段階で5勝3分1敗で3位である。
 そして特筆すべきは首位争いがパリサンジェルマンとマルセイユで行われていることである。リヨンと並び、フランスのビッグクラブの両チームであるが、パリサンジェルマンは1993-94シーズンを最後にリーグ優勝していない。マルセイユはパリサンジェルマンの最後の優勝の前季まで5連覇を果たしたが、その後八百長事件の影響もあり、長年低迷しており、ようやく2009-10シーズンにリーグで優勝した。両チームの対戦はフランスダービーと言われ、国全体の注目を集めるカードであるが長年、少なくともどちらか一方のチームが下位に低迷し、熱狂と順位表が必ずしも一致しなかった。
 この両チームの対戦は第7節、10月7日にマルセイユの本拠地ベロドロームで行われた。この試合を迎える段階で両チームの歩みを見ると、パリサンジェルマンは第1節から第3節までは3試合連続で引き分けであったが、第4節以降4連勝、4勝3分勝ち点15の2位でこの一戦を迎える。
 一方のマルセイユは開幕から6連勝、第7節でバランシエンヌに敗れたが、6勝1敗勝ち点18で首位をキープする。

■19季ぶりに首位と2位が対決したクラシコはドロー

 1位と2位の首位攻防戦となったが、このフランスを代表するカードが1位と2位の間で行われたのはパリサンジェルマンが優勝した1993-94シーズン以来19シーズンぶりのことである。
 国民注目のこの一戦はマルセイユのアンドレ・ピエール・ジニャックが18分に先制し、パリサンジェルマンは今季の150億円かけた移籍の中心選手であるイブラヒモビッチが23分に同点ゴール、さらに25分に逆転ゴールと期待に応える。マルセイユもジニャックがすかさず32分に同点に追いつき、その後ほぼ1時間の攻防は両チームネットを揺らすことができず、2-2の引き分けとなり、地元のマルセイユが首位をキープする。しかし続く第9節でマルセイユが再開のトロワに敗れ、首位をパリサンジェルマンが奪ったが、両チームの争いは来年5月まで続くであろう。(この項、終わり)

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