第1494回 競り合う3強、勝ち点38で折り返す(1) 首位奪回をかけたマルセイユ戦で勝利したリヨン

 読者の皆様、あけましておめでとうございます。一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。本年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。

■リーグランキング5位の座をキープするフランスリーグ

 前回までの本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパカップのグループリーグの模様を紹介してきた。パリサンジェルマン、リヨン、ボルドーの3チームが決勝トーナメント進出を果たした。この結果、UEFAのリーグランキングであるが、フランスリーグは、スペインのリーガエスパニョーラ、イングランドのプレミアリーグ、ドイツのブンデスリーガ、イタリアのセリエAに次ぐ5番目のランキングであり、6位のポルトガルリーグに1ポイントの大差をつけた。4位のセリエAからチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出しているのはACミランとユベントス、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出しているのはラツィオ、ナポリ、インテルミラノの3チームである。一方、6位のポルトガルリーグからチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出しているのはパリサンジェルマンとグループリーグで戦ったポルト、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントに進出しているのはチャンピオンズリーグのグループリーグから転戦してきたベンフィカである。4位のセリエAを逆転することは難しいが、6位のポルトガルリーグとの差を広げてしまいたいところである。

■欧州カップ出場チームが上位を争う

 そしてこれら欧州の舞台で活躍するチームも日頃のリーグ戦で切磋琢磨することによってレベルをあげているのである。フランスリーグは年末で前半戦を終えている。これまでもしばしばリーグ戦の状況について紹介してきたが、今回から前半戦を振り返ってみよう。
 本連載でも紹介した通り、今年の秋以降のリーグ戦はパリサンジェルマン、リヨン、マルセイユ、ボルドーといった欧州カップにも出場しているチームが上位争いをしてきた。各チームとも下位チームに取りこぼすこともあったが、順当に勝ち点を積み重ねてきた。注目すべきはこれらの上位勢同士の対戦であろう。

■強風のため11月28日に延期された第10節のマルセイユ-リヨン戦

 ヨーロッパリーグに出場しているマルセイユとリヨンの対戦は10月末の第10節で行われる予定であったが、強風のため延期となる。両チームともヨーロッパリーグに参戦しているということで、なかなか代替日程が決まらず、ようやく試合が行われたのはほぼ1月後の11月28日のことであった。この段階でリーグ戦は第14節を終了しており、マルセイユとリヨンだけが試合数が少なく13試合消化、順位は1位パリサンジェルマン(14試合、勝ち点26、得失点差+13)、2位マルセイユ(13試合、勝ち点26、得失点差+6)、3位サンテチエンヌ(14試合、勝ち点25、得失点差+14)、4位リヨン(13試合、勝ち点25、得失点差+9)、5位ボルドー(14試合、勝ち点24、得失点差+7)となっている。地元のマルセイユは引き分け以上で首位浮上、一方のリヨンは勝利すれば首位浮上と首位奪還のかかった1戦となった。

■精彩を欠くマルセイユに大勝したリヨンが首位奪回

 しかし、本連載第1493回で紹介した通り、この段階でマルセイユは調子を落としており、マルセイユはホームのアドバンテージを活かせなかった。マルセイユは開始早々にGKのスティーブ・マンダンダがファウルし、リヨンにPKを与えてしまう。バフェタンビ・ゴミスがPKを決めてリヨンが先制点、ゴミスは34分にも追加点をあげて2-0とリヨンがリードしてハーフタイムを迎える。後半もリヨンは開始早々に3点目を入れ、72分にはゴミスがハットトリックを達成する。マルセイユは攻守に精彩を欠き、77分にロイック・レミが1点を返すのが精一杯で今季初めてホームで負ける。4-1と快勝したリヨンは首位を奪還したのである。
 そしてこの第14節終了の段階での順位は首位リヨン(勝ち点28、得失点差+12)、2位パリサンジェルマン(勝ち点26、得失点差+13)、3位マルセイユ(勝ち点26、得失点差+3)となり、この3チームが折り返しまで首位争いを続けていくことになるのである。(続く)

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