第1495回 競り合う3強、勝ち点38で折り返す(2) ベロドロームで歴史的連敗となったマルセイユ

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■国内リーグに力点を置くことのできる上位勢

 フランスリーグは11月末の段階で首位リヨン、2位パリサンジェルマン、3位マルセイユ、4位サンテチエンヌ、5位ボルドー、首位から5位までの勝ち点の差は4である。12月にはリーグ戦が4試合行われる。4位のサンテチエンヌ以外はチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグを戦っているが、すでにこの時点で決勝トーナメント進出の可否が明らかになっており、各チームとも国内リーグに力点を置くことができる。

■バフェタンビ・ゴミスのゴールで首位固めをしたリヨン

 11月30日から12月2日にかけて行われた第15節、まず11月30日に登場したのがサンテチエンヌである。サンテチエンヌは得失点差が+14と最も多い。サンテチエンヌはアウエーでのアジャクシオ戦をスコアレスドローに持ち込み、勝ち点を1つ上積みし、パリサンジェルマン、マルセイユと同じ勝ち点26となるが得失点差により2位に浮上する。
 12月1日に登場したリヨン、パリサンジェルマン、ボルドーは三者三様の結果となった。まずリヨンは昨季チャンピオンのモンペリエをホームに迎え、直近のマルセイユ戦でハットトリックを記録したバフェタンビ・ゴミスが唯一の得点をあげて1-0と勝利し、首位固めをする。ボルドーはソショーを迎えて先制点を許したが逆転、しかしながら試合終盤に追いつかれて2-2のドローにおわる。そしてパリサンジェルマンはニースでの試合となり、試合終盤まで両チーム無得点であったが、最後の15分間にスコアボードが動き、76分にニースが先制、82分にズラタン・イブラヒモビッチの得点で追いついたものの、86分に決勝点を奪われ、勝ち点を獲得できなかった。
 12月2日の日曜日にはマルセイユがブレストに乗り込む。マルセイユはブレストでの試合を苦手としているが、この日は積極的に攻め続ける。そしてMFのバートンが大活躍、前半にスレイマン・ディアワラ、後半にはアンドレ・アユーのゴールをアシストし、2-1でマルセイユが勝利。マルセイユはブレストでの久しぶりの勝利をあげ、勝ち点3をあげてカルロ・アンチェロッティ監督の去就が問題となったライバルのパリサンジェルマン、暫定2位となったサンテチエンヌをかわして2位に浮上したのである。

■ポルト戦勝利の勢いでエビアン戦でも大勝したパリサンジェルマン

 第16節も3日間にわたって行われ、上位陣ではパリサンジェルマンだけが土曜日に試合を行い、それ以外は日曜日の試合となった。パリサンジェルマンは本連載第1489回で紹介したチャンピオンズリーグのグループリーグ最終節でのポルト戦の勝利が嫌なムードを断ち切った。下位のエビアンをパルク・デ・プランスに迎え、イブラヒモビッチの先制点を皮切りに、ゴールを重ね、4-0と大勝し、勝ち点でマルセイユに並び、得失点差で上回って2位に浮上する。

■リヨン戦に次ぎ、ロリアン戦でも3点差で連敗したマルセイユ

 そして第16節は日曜日の12月9日に3試合が行われた。14時キックオフの試合ではワインの都のボルドーがシャンパンの都のランスに乗り込む。この試合、両チームとも攻撃に精彩を欠き、スコアレスドロー、前節バランシエンヌに得失点差で抜かれて6位に落ちたボルドーであるが、バランシエンヌも引き分けたため6位のままとなる。17時からの試合はマルセイユのベロドローム、ロリアンを迎えた一戦、マルセイユは勝利すれば暫定とはいえ首位を奪うことができる。直前のヨーロッパリーグのAELリマソル(キプロス)戦では敗れており、11月以降の低迷からが続いているが、ここで勝利すれば流れも変わるというファンの期待は高まる。試合も互角であったが、得点は一方的となった。シュート数は双方10ずつであったが、奪ったゴールはロリアン3に対し、マルセイユはゼロ、マルセイユは11月28日のリヨン戦でも1-4と大敗している。マルセイユがホームで3点差で連敗するのはクラブ史上初めてのことである。マルセイユはライバルのパリサンジェルマンに得失点差で2位を譲ったのである。(続く)

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