第3544回 リヨン、準々決勝で敗退 (4) 後半アディショナルタイムに追いついたリヨン

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■リヨンで欧州カップでの最多観客を集めたマンチェスター・ユナイテッド戦

 これまでリヨンとマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)は欧州カップではチャンピオンズリーグで2回(4試合)対戦したことがある。最初は2004-05シーズンのグループリーグ、2回目は2007-08シーズンの決勝トーナメント1回戦である。いずれもリヨンでの試合は引き分け、マンチェスターでの試合はマンチェスター・ユナイテッドが勝利している。
 近年は国内外でかつてのような好成績を残していないリヨンとマンチェスター・ユナイテッドであるが、ヨーロッパリーグではあと3つ勝ち抜くと優勝となる。準々決勝第1戦は3月日、リヨンのグルーパマ競技場で第1戦が行われた。この日集まった観衆は58,018人、これは国内リーグの2022年9月18日の国内リーグのパリサンジェルマン戦の58,230人には及ばないが、欧州カップでは2019年2月19日のバルセロナ(スペイン)戦の57,889人を上回る最多観客動員となった。その観客にとって間違いなく素晴らしい試合を両チームは展開した。

■チアゴ・アルマダのFKでリヨンが先制

 リヨンのコランタン・トリッソのキックオフで始まった試合、序盤の20分過ぎまではリヨンがボールを支配するが、最初にスタンドを沸かせたのは23分、マンチェスター・ユナイテッドのカゼミーロがオーバーヘッドキックでゴールを狙うが、リヨンのGKのルカ・ペリにキャッチされる。この直後の25分、リヨンはペナルティエリアのすぐ外でチアゴ・アルマダがFKのチャンス、ゴール前にボールを入れたが、ムーサ・ニアカテもニコラス・タグリアフィコも触ることができなかったが、精度の高いボールはそのままゴールネットの隅に吸い込まれるように入っていき、リヨンが先制する。

■前半アディショナルタイムに追いついたマンチェスター・ユナイテッド、終盤に逆転

 この後も両チームともゴール前に迫るが、両チームのGKのナイスセーブもあり、そのままハーフタイムかと思われた前半アディショナルタイムの50分、マンチェスター・ユナイテッドはゴール右サイドのペナルティエリアの外でFKを得る。キッカーはブルーノ・フェルナンデス、低い弾道で直接ゴールを狙う。これをGKのペリがパンチング、ボールはペナルティエリアを超え、成功したかに見えたが、そこにいたのがマヌエル・ウガルテであった。ウガルテのボレーシュートをレニー・ヨロがヘディングでコースを変えて、ゴールイン。マンチェスター・ユナイテッドが追いついてハーフタイムを迎えた。ヨロは昨夏までリールに所属していたフランス人選手、これがマンチェスター・ユナイテッド加入後初めてのゴールとなった。
 後半に入って最初のチャンスは53分のリヨン、アレクサンドル・ラカゼットのシュートは枠を外れる。マンチェスター・ユナイテッドも61分にワンツーパスからヨロが勝ち越し点を狙うが、これも外れる。64分にはリヨンはラカゼットからパスを受けたトリッソがシュートするがマンチェスター・ユナイテッドのGKオナナの正面、簡単にキャッチされる。
 リヨンがやや優勢に試合を進め、両チームとも果敢にゴールを狙う展開となったが、両チームともシュートの威力がなく、GKに阻まれ続ける。
 このまま引き分けかと思われた88分、グルーパマ競技場は静まり返る。右サイドのブルーノ・フェルナンデスが左サイドにクロスを入れる。ここに飛び込んできたのが後半途中から出場したジョシュア・ザークツィーであった。ザークツィーのヘディングシュートはペリの頭上を越えて勝ち越し点となる。

■あきらめなかったリヨン、後半アディショナルタイムに追いつく

 しかし、リヨンはあきらめなかった。5分と表示された後半アディショナルタイム、押し込まれたリヨンはファウルで得たFKから前進する。ゴールラインを割ったかというボールをエインズリー・メイトランド・ナイルズがよく追いつき折り返す。リヨンはショートパスをペナルティエリア内でつなぎ、ギオルギ・ミカウターゼがシュート、これをオナナがキャッチできず、前に弾く。ラヤン・シェルキがこれを見逃さず、同点ゴール、あきらめなかったリヨンは2-2に追いつき、第2戦を迎えるのである。(続く)

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