第3574回 3位に終わったUEFAネーションズリーグ (3) 猛反撃も及ばず、スペインに準決勝で敗れる
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■昨年の欧州選手権準決勝でスペインに敗れたフランス
UEFAネーションズリーグ準決勝の第2試合、フランスとスペインの試合は6月5日にドイツのシュツットガルトのMHPアレーナでキックオフされた。昨年、同じドイツのミュンヘンで行われた欧州選手権の準決勝でフランスはスペインに1-2と敗れている。フランスはこのところワールドカップ、欧州選手権、UEFAネーションズリーグ、コンフェデレーションズカップという主要国際大会の準決勝では滅法強く、1996年欧州選手権でチェコにPK負けしたが、それ以降は9連勝(欧州選手権2勝、ワールドカップ4勝、UEFAネーションズカップ1勝、コンフェデレーションズカップ2勝)であったが、スペインにドイツでストップされた、それから1年たたない段階で同じドイツでスペインとの対戦となる。
■先制点を奪われ、流れをつかめなかったフランス
フランスの主将、キリアン・ムバッペのキックオフで試合は始まった。最初のシュートはテオ・エルナンデス、4分のシュートはゴールの上を通過した。さらにテオ・エルナンデスは12分にもシュートを放つが、今度はクロスバーに当たる。フランスが序盤は試合を支配したが、22分のスペインの先制点で流れが変わる。右サイドでラミン・ヤマルがボールを保持、テオ・エルナンデスのマークを振り切ってクロスをあげ、ゴール前のミケル・オヤルサバルにパスをするが、イブラヒマ・コナテにマークされていたので、ファーサイドにパスを出し、ニコ・ウィルアムスが代表デビュー戦となったピエール・カルルを交わしてシュート、マイク・メニャンは止めることができなかった。その直後の25分にはマルティン・ズビメンディがフランスのDF陣の裏にパス、ミケル・メリーノの足元に入り、メニャンと一対一になるが、メリーノのシュートもメニャンは止めることができず、スペインに2点目が入る。フランスは攻撃の精度を欠く。スペインは43分にもディーン・ハイセンのシュートがゴールに入るが、ズビメンディがオフサイドポジションにいたため、2点差で後半を迎える。
■後半も失点を重ねたフランス
後半の立ち上がり、フランスは攻め込むが、得点をあげるには至らず、逆に中盤でボールを失い、攻め込まれてアドリアン・ラビオがペナルティエリアの中でヤマルを倒してしまう。このファウルで得たPKをヤマルが決めて、54分にスペインは3点のリードとなる。さらに55分、ニコ・ウィリアムズからゴール前でボールを受けたペドリが至近距離からシュート、フランスは4点を失った。フランスが4失点したのは10年ぶりのことである。
シュートの精度を欠き、得点をあげることができなかったフランスの初得点は59分のことであった。ペナルティエリアに侵入しようとしたムバッペがポロに倒され、PKを獲得する。これをムバッペが難なく決め、ムバッペはボールを抱えてセンターサークルに戻る。ただ、スペインも67分に右サイドをズビメンディ、ポロとつなぎ、最後はニコ・ウィリアムズにボールが渡り、シュート、メニャンもボールに触れることはできたが、ゴールに入り、再び4点差となる。
■遅すぎた猛反撃、1点及ばず準決勝敗
遅ればせながら、ここからフランスの猛反撃が始まる。72分にはウスマン・デンベレのシュートがポストに当たり、76分にはムバッペのシュートがスペインのゴールを襲う。そして、途中交代し、代表デビューしたラヤン・シェルキが79分にムバッペのパスをハーフボレーで決める。初出場初得点となった。押されているスペインは84分にダニ・ビバンがフランスの右サイドからのクロスを自ゴールに蹴りこんでしまう。
2点差となったフランスは攻め続け、後半アディショナルタイムの93分にシェルキからのクロスをランダル・コロムアニがヘディングでシュート、1点差に詰め寄ったが、1点及ばず、準決勝でまたスペインに敗れたのである。(続く)