第3611回 ワールドカップ2026年大会の予選開幕(2) フランスの初戦の相手はウクライナ

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■UEFAネーションズリーグへのファンの関心を高めた新方式

 前回の本連載では来年行われるワールドカップ予選が短期決戦となり、さらにUEFAネーションズリーグで準々決勝に進出し、勝利したフランスは4チームのグループDに入り、9月から予選を戦うことになった。
 UEFAネーションズリーグの準々決勝に出場する8チームは第1シードになり、3月の準々決勝が終わるまで、どちらのグループに入るかわからないという組み合わせの仕組みは、これまでの大会であれば、出場している国のファンだけしか関心を得ることができなかったが、その関心を広げることになり、サッカーの普及とビジネスに貢献した。さらに、各国の試合数は同じで、主に同レベルの相手との公式戦を増やしたことは、親善試合の機会を少なくしても、強化面ではプラスであろう。

■フランスに敗れたクロアチアが入るグループL

 フランスとクロアチアは4チームのグループDか5チームのグループLに入ることになるが、ここで両グループの第2シード以下の国を紹介しよう。グループDについては第2シードから順に、ウクライナ、アイスランド、アゼルバイジャンとなる。グループLはチェコ、モンテネグロ、フェロー諸島、ジブラルタルとなっている。
 グループLはUEFAネーションズリーグの準々決勝の行われる3月のインターナショナルマッチデーに開幕しており、第2シード以下のチームが2試合を消化し、シード上位国のチェコとモンテネグロが2勝、シード下位国のフェロー諸島とジブラルタルが2敗となっている。順当な結果に見えるが、3月22日の開幕戦ではジブラルタルはアウエーでモンテネグロ相手に先制、フェロー諸島もチェコに対し、終盤の83分にいったんは追いついている。25日の第2戦でもモンテネグロはホームでフェロー諸島と対戦し、90分を過ぎても両チーム得点がなく、スコアレスドローかと思われたが、96分にモンテネグロが決勝点を上げている。

■第1シードらしく大差の連勝でスタートしたクロアチア

 このように苦戦しながらもシード上位国が連勝し、6月のインターナショナルマッチデーからクロアチアが参戦することになる。クロアチアの初戦は6日のジブラルタルとのアウエー戦である。ジブラルタルは主要国と対戦する際は、国内ではなくポルトガルのファロにあるアルガルベ競技場で試合を行う。本連載の第3213回でも紹介したが、フランスは2024年の欧州選手権予選でジブラルタルと同じグループになり、その時もこの女子サッカーのメッカでジブラルタルと試合を行っている。これがフランスとジブラルタルとの初対戦となったが、フランスが3-0と勝利している。このジブラルタルに対し、クロアチアはゴールを量産し、7-0という大差でスタートした。
 また、同日には連勝スタートしたチェコとモンテネグロがチェコのホーム、プルゼニで対戦し、チェコが2-0とモンテネグロを下し、3連勝となった。クロアチアの第2戦、ホームでの初戦は3連勝したチェコが相手、前半終盤の42分にアンドレイ・クラマリッチが先制、後半に入って追いつかれたが、その後4得点を奪って突き放し、5-1と大勝し、クロアチアは連勝して秋を迎えることになった。

■UEFAネーションズリーグでリーグA昇格を逃したウクライナ

 さて、フランスの初戦は9月6日、アウエーでのウクライナ戦である。ウクライナはUEFAネーションズリーグのリーグBのグループ1でチェコに次いで2位となった。リーグAの3位チームとの入替戦を3月に行った。入替戦の相手はリーグAでフランスと同じグループ2のベルギーである。3月20日のウクライナでのホームゲームは3-1で勝利したが、23日のベルギーでの試合は0-3と敗れ、ウクライナはリーグAへの昇格を逃した。6月には親善試合でカナダ、ニュージーランドと対戦、カナダには2-4で敗れたが、ニュージーランドには2-1と勝利している。
 ウクライナとは前回のワールドカップ予選でも対戦、この時は2試合とも1-1のドローだったのである。(続く)

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