第3657回 折り返し初戦で好調なフランス勢(6) リヨンは首位、ストラスブールも2位

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■ガザ紛争の影響でホームゲームをセルビアで戦うマッカビ・テルアビブ

 ヨーロッパリーグのリーグフェーズの後半戦最初の第5節は11月27日に行われ、前回紹介した通り、ニースはポルト(ポルトガル)に敗れて5連敗でリーグフェーズでの敗退がほぼ確定した。ニースがプレーオフ出場となる24位以内に入るためには第5節終了時点で勝ち点6のバーゼル(スイス)、ルドゴレツ・ラズグラド(ブルガリア)、ヤングボーイズ(スイス)、ゴー・アヘッド・イーグルス(オランダ)の4チームがそろって残り2試合に連敗することが最低条件となる。不名誉な結果となったが、国内リーグ戦での雪辱を期待したい。リールはクロアチアのディナモ・ザグレブに4-0と快勝した。今回はフランス勢で最も成績の良いリヨンを紹介しよう。
 前半戦を3勝1敗で折り返したリヨンの後半戦最初の試合はアウエーでイスラエルのマッカビ・テルアビブとの対戦である。マッカビ・テルアビブのホームゲームであるが、3年目に入ったガザ紛争の影響でイスラエル国内では試合を行うことができず、セルビアのトポラでホームゲームを開催している。なお、マッカビ・テルアビブは昨季は欧州カップのホームゲームを同じセルビアのベオグラードで行っている。トポラではリヨン戦が3試合目となるが、第2節ではディナモ・ザグレブ(クロアチア)、第4節ではミッティラン(デンマーク)にいずれも敗れ、ホームゲームの利点を奪われてしまったマッカビ・テルアビブの前半戦の成績は1分3敗であり、わずか1ゴールしか上げていない。

■国内で停滞気味のリヨン、序盤から得点を重ね、2位に上昇

 ヨーロッパリーグでは前半戦最後の第4節で初黒星を喫し、国内リーグでもこのところ足踏み状態で直近5試合の戦績が3分2敗と勝ちがないリヨン、不安の中でキックオフを迎える。会場のTSCアリーナには観衆はわずか400人、リヨンは開始早々からエンジン全開、4分にはコランタン・トリッソのシュートがはじかれたところをアブネル・ビニシウスが無人のゴールに押し込む。オフサイドではないかとVARが入ったが、得点が認められ、リヨンが先制する。25分には今度は逆にビニシウスのパスからトリッソが文句なしのゴールを決め、クラブ史上、欧州カップで500得点目となる。35分にはPKを獲得してムーサ・ニアカテが決めて3点差とする。
 組織的なチームプレーで前半を圧倒したリヨンは、後半も勢いは止まらず、トリッソが51分にファーポストでのヘディングスートで決め、さらに53分にはハットトリックを達成する。62分には角度のないところからアダム・カラベクがシュートを決めて6点目となる。 リヨンはこのところの停滞から抜け出るきっかけとなる大勝で4勝1分とする。この結果、リヨンはリーグフェーズで首位に躍り出、他のフランス勢はリールが11位、ニースが36位となった。

■プレミアリーグで好調なクリスタル・パレスと対戦するストラスブール

 そしてカンファレンスリーグに出場しているストラスブールも前半戦を2勝1分で折り返し、好調である。後半戦最初の試合はクリスタル・パレス、イングランドのプレミアリーグでは現在5位、カンファレンスリーグでもここまで2勝1敗、ストラスブールとは勝ち点1の差である。注目選手は日本の鎌田大地と今秋フランス代表にデビューしたジャン・フィリップ・マテタである。

■先制されたが、逆転したストラスブールも2位に順位を上げる

 ホームのストラスブールが試合を支配したが、先制点をあげたのはクリスタル・パレスであった。35分にマテタからのパスをティリック・ミッチェルが決め、ストラスブールのラ・メノー競技場を沈黙させた。
 後半に入り、ストラスブールは53分にエマニュエル・エメガが同点ゴールを決め、77分にフリオ・エンシソのFKがはじかれたが、サミール・エルムラベがゴールに押し込んで逆転した。
 逆転勝利をあげたストラスブールは勝ち点で首位サムスンスポル(トルコ)と並び、得失点差で2位となったのである。(この項、終わり)

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