第3776回 パラグアイの堅守を破り、8強入り(2) ドイツをPK戦で退けたパラグアイ

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■劣勢のドイツ戦でPK戦に持ち込んだパラグアイ

 決勝トーナメント1回で対戦するドイツとパラグアイはこれまで2013年に親善試合で対戦したことがあるだけで、その時は3-3のドローに終わっている。
 6月29日にボストン郊外のフォックスボロで行われた試合、パラグアイはキックオフ直後は攻めたが、その後はドイツが猛攻を仕掛ける。守勢一方のパラグアイであったが、前半終盤の42分にフリオ・エンシソがヘディングで先制点を決める。
 先制点を奪われたドイツは後半開始時にレオン・ゴレツカを投入する。知将ユリアン・ナーゲルマンスの采配が的中し、54分にフロリアン・ビルツのクロスをカイ・ハバーツがヘディングシュート、ドイツが同点に追いつく。そしてパラグアイはチームの中心のエンシソが57分に負傷して退場すると、チームとして機能しなくなる。しかしそれでも何とかドイツの猛攻をしのぎ、90分を終えて今大会初の延長戦に入る。両チームとも交代枠いっぱいの6人ずつを交代させたが、延長の前半の102分、ヨナタン・ターのシュートが決まったが、VARの末、直前のプレーでドイツのバルデマール・アントンがパラグアイのGKオーランド・ヒルに対するファウルがあったため、取り消される。その後もゴールは生まれず、PK戦となる。

■今大会初のPK戦を制したパラグアイ

 先蹴のドイツ、トップのハバーツが失敗するが、2人目と3人目は成功させる。パラグアイはトップから3人連続で成功させる。4人目は両チームとも失敗、5人目はドイツはナディーム・アミリが決めるが、パラグアイはファビアン・バルブエナが失敗し、6人目になる。ドイツはヨナタン・ターのキックはゴールの上を通り、スタンドに一直線、パラグアイはホセ・カナーレが決めて勝利した。パラグアイは2010年大会の日本戦に続いてPK戦をものにした。

■建国250周年の日に独立宣言の地フィラデルフィアでキックオフ

 南米予選、グループリーグ、そしてこの決勝トーナメント1回戦と劣勢の戦いで勝ち抜いてきたパラグアイと7月4日、フランスはフィラデルフィアで対戦することになった。建国250周年という記念すべき日に米国独立宣言の場であるフィラデルフィアでの試合となる。そしてフィラデルフィアと言えば映画「ロッキー」の舞台である。フランスはロッキーをイメージしたグラフィックを作成した。

■ストラスブールを躍進させたフリオ・エンシソ

 さて、パラグアイの中心選手のエンシソは、ドイツ戦は負傷により途中で退場したが、フランス戦には復帰する。エンシソはストラスブールに所属、パラグアイ代表で唯一フランスのクラブに所属している選手であり、本連載にはしばしば登場している選手である。南米のチームの選手は現在は多くは欧州のクラブに所属しているが、パラグアイの場合、欧州のクラブに所属する選手は少数派である。エンシソの所属するストラスブールはビッグクラブとは言えないが、昨季はカンファレンスリーグで準決勝まで進出し、多くの国際試合を経験した。この躍進を支えたのが22歳のエンシソである。15歳でパラグアイのクラブでプロデビュー、18歳でイングランドに渡りブライトン、イプスウィッチで活躍し、昨夏、ストラスブールに移り、移籍初年でクラブを欧州において史上最高の成績に導いたのである。ワールドカップデビュー戦は米国に1-4と敗れたが、この1点をアシストしたのはエンシソであった。
 そしてここまでの戦いを支えてきたのはGKのヒルである。ヒルは昨年の9月に代表入りしたばかりである。前回の本連載で紹介した通り、南米予選は10チームのホームアンドアウエーの総当たり戦で行われ、各チーム18試合を戦う。ヒルが代表にデビューしたのはこの南米予選の最終節のペルー戦であった。すでにこの段階でパラグアイは本大会出場となる6位以内を確定していたが、ヒルはこの試合を無失点で乗り切り、そのまま正GKに定着したのである。(続く)

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