第3785回 ディディエ・デシャン監督のラストゲーム(1) 3位決定戦の相手はイングランド

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■初めての7月14日の試合を飾ることができなかったフランス

 準決勝ではスペインに完全に抑え込まれてしまい、フランスは準決勝で敗れてしまった。準決勝が行われたのは7月14日、革命記念日の日である。実はフランスがこの日に試合をするのは今回が初めてである。
 通常この期間はシーズンオフであり、試合をする可能性があるとすれば、ワールドカップか欧州選手権の本大会の終盤である。自国開催となった1998年ワールドカップ、フランスは決勝戦を7月14日に設定しようとしたが、その主張は認められず、日曜日の7月12日に開催された。
 しかし、これまでにワールドカップや欧州選手権の試合が7月14日に行われたことがある。まず、ワールドカップに関しては2018年のロシア大会、3位決定戦のベルギー-イングランド戦が行われた。そして2024年の欧州選手権の決勝、スペイン-イングランド戦が行われた。2018年のワールドカップはフランスは準決勝で勝利し、決勝に進出している。また2024年の欧州選手権でフランスは準決勝でスペインに敗れている。このようにフランスは7月14日に試合を行うチャンスをわずかな差で逃してきた。そして奇遇なことに2試合ともイングランドが敗れている。そのイングランドが3位決定戦の相手である。

■前回大会の準々決勝以来の対戦となるイングランド戦

 フランスとイングランド、長年のライバル関係にある両国であるが、最新の対戦は4年前のカタールでのワールドカップの準々決勝である。この試合については本連載の第3109回から第3113回で紹介しているが、イングランドが優位に試合を運びながら、終盤にハリー・ケインがPKを失敗し、フランスが勝利している。準優勝したフランスのこの大会の7試合のうち、最も苦戦した試合であったと言ってもよいであろう。

■ドイツ人のトーマス・トゥヘル新監督

 準々決勝で敗れてしまったイングランドの次のタイトルは2024年の欧州選手権、予選は無敗で乗り切り、グループリーグも首位突破、決勝トーナメントでも勝ち進み、決勝まで進出したが、スペインに惜敗する。8年間指揮を執ったガレス・サウスゲイトの後任は暫定監督としてリー・カーズリーが就任、リーグBに陥落したUEFAネーションズリーグの指揮を執り、5勝1敗で首位となり、リーグAへの復帰を決める。そして2025年1月にはドイツ人のトーマス・トゥヘルがイングランド代表史上3人目の外国人監督となった。
 イングランドはワールドカップ予選が3月から始まり、8戦全勝、無失点という完璧な成績で本大会出場を決める。すなわち、前回のワールドカップ以降の公式戦では2敗しかせずに今大会に臨むのである。

■準決勝のアルゼンチン戦で終盤に逆転されたイングランド

 ただし、イングランドは今大会のグループリーグの初戦は強豪のクロアチアとタフな相手となった。グループリーグでの強豪同士の初戦での対戦にありがちな力の探り合いではなく、両チームともこの試合にかける思いが伝わるような試合で、前半は2回イングランドがリードし、クロアチアがその都度追いつく。後半にイングランドが2点を上げて、勝利する。
 イングランドは第2戦のガーナ戦では苦労する。引いて守るガーナを崩すことができず、スコアレスドローとなる。第3戦のパナマ戦も前半は似た展開となったが、後半になってジュード・ベリンガムの活躍で2-0と勝利、グループ首位で通過した。
 決勝トーナメントでは1回戦はコンゴ民主共和国に先制を許し、リードされる時間が長かったが、後半の終盤にケインが2点を上げて逆転勝利する。
 2回戦のメキシコ戦はアウエーゲームとなる。メキシコにボールを持たせて速攻を狙う戦術を取り、ベリンガムが2得点、ケインが1点を上げて勝利する。
 準々決勝のノルウェー戦も先制を許す。前半のうちに追いついて、延長戦に入り、ベリンガムが決勝点を上げる。
 逆転勝ちが続いてきたイングランドであるが、準決勝のアルゼンチン戦は55分にアンソニー・ゴードンが先制点をあげて、守りに入るが、リオネル・メッシのアシストで85分にエンソ・フェルナンデス、92分にラウタロ・マルティネスが得点をあげ、逆転負けして3位決定戦に回ることになったのである。(続く)

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