第787回 欧州選手権予選ファイナル(5) 最終戦はドロー、最低の第4シードになったフランス

■5大会連続で本大会出場となるフランス

 グラスゴーでのスコットランド-イタリア戦のロスタイムにクリスチャン・パヌッチがヘディングで決勝点を入れて、来年の欧州選手権にグループBからはイタリアとフランスが出場することになった。
 6万人のモロッコ人が詰めかけ、アンリ・ミッシェル監督の執念の采配があったにせよ、モロッコ戦の大苦戦はフランス国民に十分な不安感を与えた。それだけに、イタリアが勝利して欧州選手権の出場権をウクライナとの一戦の前に獲得したことはフランス全土を安心させた。これでフランスは欧州選手権予選に関しては1992年大会以来、5大会連続で予選突破をしている。さらにワールドカップ予選を含めると、1996年欧州選手権予選以来、5大会連続(欧州選手権は4大会、ワールドカップは2006年大会)で予選をクリアしている。ワールドカップに関しては1998年は開催国、2002年は前回優勝国ということで予選を免除されており、これらの二大大会には7大会連続出場しており、以前のように予選でつまずくということは考えられなくなった。

■本大会の成績を左右するシード争い

 ウクライナ戦は消化試合になってしまった。これが2回目の予選突破となるレイモン・ドメネク監督は選手の調整や発掘もかねて控えメンバーにもチャンスを与えるであろう。しかし、フランスにとってはここで勝利をしなくてはならない理由があるのである。フランスにとってゴールは予選突破ではなく、本大会での上位進出、優勝である。本大会で良い成績を残すためにはグループリーグの段階から優位な位置にあることが望ましい。
 欧州選手権の本大会のグループ分けはシステマティックになっており、参加16か国を実力順に第1シードから第4シードまでの4チームごとの4グループに分けて抽選会を行うことになっている。このシード分けは2006年ワールドカップ予選、そして今回の欧州選手権予選という2つの予選での1試合あたりの平均勝ち点で決められる。なお、開催国のスイスとオーストリア、前回優勝のギリシャは自動的に第1シードに組み込まれる。フランスの場合、2006年ワールドカップ予選は5勝5分で勝ち点20、そして今大会の予選は最終戦を前にして8勝1分2敗で勝ち点25、合計21試合で勝ち点45となり、1試合あたりの勝ち点は2.14である。実はこの数字はかなり低い数字で、この段階では16チーム中で下から3番目となり、このままで行くと、第4シードになってしまうのである。ウクライナ戦の勝利で何とか第3シードに入りたいところであり、ポーランド、スペインなどがライバルである。

■逆転するが追いつかれ、ドローに終わる

 キエフで対戦するウクライナは終盤に出場権争いから脱落してしまい、フランスが予選突破を決めた17日にはリトアニア相手に元気なく0-2で敗れている。フランスはGKに代表デビューとなるセバスチャン・フレイを起用、相手のウクライナも代表経験のないアンドレイ・ピトフを起用し、両チームのGKが代表デビューとなった。8万人収容のキエフのオリンピックスタジアムはわずか1万5000人しか集まらず、市民の注目は翌週の27日に行われるチャンピオンズリーグのディナモ・キエフ-ASローマ戦であろう。その閑散としたスタジアムで、キエフでの炭鉱事故の犠牲者を悼む追悼に続いてキックオフされた試合の先手はウクライナ、14分に先制点をあげる、一方のフランスは20分にティエリー・アンリが同点ゴール、そして34分にシドニー・ゴブーが逆転ゴールを上げる。
 フランスの1点リードで始まった後半、ウクライナは46分に得点をあげ、同点に追いつく。フランスは後半にもしばしば得点チャンスを迎えるが、決勝点をあげる気力は残っておらず、結局試合は2-2のドローで終わってしまう。

■下から3番目の成績で第4シードにとどまったフランス

 グループBの最終成績はフェロー諸島に勝利したイタリアが勝ち点29で首位、フランスは勝ち点26で2位、3位のスコットランドの勝ち点は24であった。そして注目のシード争いであるが、フランスは22試合で勝ち点46、1試合あたりの平均勝ち点を2.09と落としてしまう。フランスは参加16チーム中の下から3番目という順位は変わらず、第4シードにとどまった。もしもウクライナ戦で勝利していれば第3シードに滑り込むことができたが、引き分けに終わったため、同日に北アイルランドに勝利したライバルのスペインに第3シードを譲ってしまった。12月2日の抽選会に不安を持ち越したまま、フランスは予選の全日程を終了したのである。(この項、終わり)

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