第1164回 ルーマニア、ルクセンブルクと連戦 (5) スタッド・ド・フランスで1年ぶりに勝利

■ヨアン・グルクフとサミール・ナスリが復帰で大激戦区となったMF

 今年になってから負け越しているチーム同士の対戦となったフランス-ルーマニア戦、しかし、フランスは9月7日のサラエボでのボスニア・ヘルツェゴビナ戦で手ごたえをつかんだようである。スタッド・ド・フランスではフランス代表はこれが今年3度目の試合であるが、その期待感もあり、今年一番の大観衆となった。
 さて、ローラン・ブラン監督はボスニア・ヘルツェゴビナ戦で得たリズムを継続しようと4-3-3システムを使う。そして頭が痛いのは中盤の人材があふれていることである。今回のメンバーにはヨアン・グルクフとサミール・ナスリが復帰しており、不調でリーグ戦では精彩を欠いていたアルー・ディアラとアブー・ディアビも復調している。さらにここにヤン・エムビアが加わるとなると大激戦区である。ジェレミー・トゥーラランがメンバーから外れたのもよくわかる。

■サミール・ナスリが中央のMFに、アントニー・レベイエールは5年ぶりのタイトルマッチ

 そして10月9日21時、スタッド・ド・フランスでラ・マルセイエーズを歌い、ピッチに散らばったメンバーは次のとおりである。GKはウーゴ・ロリス、DFは中央にアディル・ラミ、フィリップ・メクセスのコンビ、サイドDFは右にアントニー・レベイエール、左がガエル・クリシーである。注目のMFは3人、守備的な位置に2人、右にアルー・ディアラ、左にエムビア、そして攻撃的な位置にナスリを配置し、攻撃の中心となる。そしてFWは中央にカリム・ベンゼマ、右ウイングはマチュー・バルブエナ、左ウイングはフローラン・マルーダとなる。
 ボスニア・ヘルツェゴビナ戦との違いは右サイドDFのバカリ・サーニャが負傷のためレベイエールが入り、今年6月の中国戦以来の出場となるが、ワールドカップや欧州選手権の本予選というタイトルマッチは2005年10月に行われたワールドカップ予選のスイス戦以来ちょうど5年ぶりの出場となる。  中盤に関しては人数的には3人で変わりないが、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦はアルー・ディアラ1人が下がっていたが、2人が下がり目となる。これは相手との力関係というより、攻撃面でナスリの力を活かしたいということの表れであろう。アルー・ディアラとエムビラが下がり目、高い位置に入ったナスリはアブー・ディアビに代わって出場したことになる。そしてFW3人はボスニア・ヘルツェゴビナ戦と同じメンバーである。
 主将はボスニア・ヘルツェゴビナ戦に続き、ディアラが務める。ボルドーでのブラン監督との絆がそのまま継続となった。

■素晴らしいフランスの攻撃、ルーマニアを圧倒

 試合は素晴らしくエキサイティングなものとなった。前半一番目立ったのは右サイドのバルブエナであろう。立ち上がりから激しいタックルで投資を見せ、サイドを駆け抜ける。フランスはグラウンドを広く使い、早い展開を仕掛け、ルーマニアを圧倒する。しかしながらフランスの枠内へのシュートは40分になるまで生まれず、バルブエナの放ったシュートはルーマニアのGKにストップされる。そしてその直後、左サイドからベンゼマの放ったシュートはポストに軽く当たり、ゴールの外を通り過ぎた。

■終盤にロイック・レミ、ヨアン・グルクフが鮮烈なゴール

 後半の立ち上がりはルーマニアの時間帯であった。ルーマニアの攻撃陣がフランスのゴールを襲うが、ロリスが好セーブを見せる。
 そして後半の半ばからブラン監督は選手を入れ替える。バルブエナに代わりロイック・レミ、ナスリに代わってグルクフを投入する。ルーマニアも逆襲し、フランスがゴールポストに救われるシーンもあったが、何としても勝ちたいという執念はフランスが勝ったようである。83分、アルー・ディアラからのパスを受けたレミがドリブルで突進、スピードに乗ったドリブルから放たれたシュートはゴールネットを揺らし、フランスが先制する。そして3分と表示されたロスタイムにも歓喜の時は訪れた。エムビアが左サイドを攻め上がり、マイナス気味のクロスを入れる。そこにはノーマークのグルクフがおり、力強いシュートを放ち、フランスは93分に追加点をあげる。
 得点こそ遅い時間帯であったが、フランスは終始攻め続け、昨年来漂う沈滞ムードを一掃する勝利をあげたのである。スタッド・ド・フランスでの勝利は昨年10月のオーストリア戦以来ちょうど1年ぶりのことで4試合ぶりに勝利の凱歌を聖地でとどろかせたのである。(続く)

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