第2478回 欧州選手権予選で連勝スタート(5) 記念すべき試合となるアイスランド戦

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■早くも最大のライバルと対戦するフランス

 欧州選手権予選の初戦、初対戦となるモルドバに力の差を見せつけ、フランスは4-1と快勝した。フランスの入るグループHは初戦は上位シード国がアウエーで戦ったが、第2シードのアイスランドは第6シードのアンドラに、第3シードのトルコは第4シードのアルバニアにそれぞれ2-0で勝利している。
 第2日となる3月25日にはフランス-アイスランド、トルコ-モルドバ、アンドラ-アルバニアの3試合が予定され、フランスは早くも最大のライバルとの試合を迎えることになった。

■予選の全5試合をスタッド・ド・フランスで開催

 アイスランド戦はスタッド・ド・フランスで行われるが、今回の予選ではフランスはホームゲーム5試合を全てスタッド・ド・フランスで開催する。従来は下位シード国との試合は収容人員の少ない地方の競技場で行ってきたが、これを変更した。 1900年代の末にはパリ症候群と言ってフランス代表の選手はパリのパルク・デ・プランスで試合をしたくないという声が上がった。これはパリのファンが厳しい目で試合を見ることから、たとえ地元パリサンジェルマンの選手であっても、凡プレーには容赦なくブーイングの嵐となり、選手が委縮してしまうからである。このようなパリジャンの気質に加え、地方におけるフランス代表のプロモーションという点から、地方開催を続けてきた。 しかし、スタッド・ド・フランスフランス代表の成績が良く(過去30試合で22勝8分)、そして地方での試合では2017年9月にトゥールーズで行ったワールドカップ予選でルクセンブルグ戦はスコアレスドローに終わってしまったこともある。そしてフランス代表の人気が高く、収容人員の多いスタッド・ド・フランスでのチケット販売の売れ行きも上々である。アイスランド戦も平日の夜の試合であるが、前売りの段階で6万5000枚のチケットがすでに売れており、全5試合をスタッド・ド・フランスで開催する予定である。

■スタッド・ド・フランスで100試合目、連盟設立100周年記念ユニフォーム

 イングランドのロンドンのウェンブリーで決勝が行われる欧州選手権に向けた長い旅、地元での第1戦に対して期待が高まる。このアイスランド戦は1998年1月28日のこけら落しのスペインとの親善試合でジネディーヌ・ジダンのゴールで勝利してから、スタッド・ド・フランスでの100試合目になる記念すべき試合となる。
 さらに、1919年4月7日に設立したフランスサッカー連盟は今年で設立100周年を迎え、アイスランド戦のみに着用する100周年記念ユニフォームを準備した。青壱色で長袖、ポロシャツのように襟がある。胸のエンブレムの上には2回のワールドカップ制覇を記念して2つの星が輝いている。そしてこの記念ユニフォームを7000枚作成し、一般にも販売した。

■力をつけてきたアイスランド

 さて、アイスランドは写真家の宇都宮徹壱の作品「レイキャビク」が有名であるが、人口35万人という小国であり、サッカーの世界では中堅以下の位置づけであった。
 しかし、2014年ワールドカップ予選ではグループEでスイスに次ぐ2位となる。ノルウェー、スロベニアをおさえてプレーオフに出場する。プレーオフではクロアチアと対戦、第1戦はホームでスコアレスドロー、第2戦はアウエーで敗れ、国際大会初出場を逃した。だが、これはフロックではなかった。続く2016年欧州選手権では第5シードで予選に臨み、第1シードのオランダにホーム、アウエーとも勝利し、堂々の首位突破で本大会に出場する。本大会でも旋風を起こし、グループリーグを2位で突破し、決勝トーナメント1回戦ではイングランドに逆転勝ち、準々決勝に進出したのである。そして2018年ワールドカップでは予選で4年前にプレーオフで敗れたクロアチアと同じグループに入るが、クロアチアをおさえて首位で本大会出場を決める。本大会ではグループリーグ最下位となったが、確実に力があることを世界に示したのである。(続く)

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