第2508回 シーズン終了後の欧州選手権予選(2) 初対戦のボリビアに完勝

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■トルコとの首位対決の前に行われるボリビアとの親善試合

 シーズン終了後に控える欧州選手権予選、アウエーでのトルコ、アンドラとの連戦であるが、その前にボリビアとの親善試合が組まれている。今回の欧州選手権予選は大会前年の3月に開幕したが、フランスは3月に行われた試合でモルドバとアイスランドに連勝しているが、フランスの所属するグループHで連勝したチームがほかにあり、それがトルコである。ボリビア戦にはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝に出場する選手は出場できないが、ここである程度の手ごたえをつかみ、首位決戦に臨みたい。
 ボリビアは6月に行われる南米選手権の初戦で南米最強で世界ランキング3位のブラジルと対戦する。世界ランキング2位の強国フランスとの対戦を良い経験としてブラジル戦を迎えたい。ボリビアの世界ランキングは63位、南米選手権に出場するチームの中ではアジアの2チーム(日本:26位、カタール:55位)を加えても最も低い位置にある。そしてフランスとはこれが初対戦となる。フランスにとって84番目の対戦国となる。10か国が所属している南米連盟で対戦していないのはベネズエラだけとなった。

■ワールドカップ以降4試合目となるナントでの試合

 会場はナントのボージョワール競技場である。1984年の欧州選手権、1998年のワールドカップで使用された美しい競技場も今世紀に入ってからはフル代表の試合は親善試合2試合、欧州選手権予選1試合に使用されただけである。そしてこれまでのナントでのフランス代表の戦績は8勝1分と卓越した成績を残している、チケットの売れ行きもよく、見切れ席も開放し、35,218人の観衆が集まった。

■両翼にフローリアン・トーバンとトマ・ルメールを配した先発メンバー

 フランスの先発メンバーであるが、GKはアルフォンス・アレオラ、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、サミュエル・ウムティティ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置の右にタンギ・ヌドンベレ、左にポール・ポグバ、、攻撃的な位置には右にフローリアン・トーバン、左にトマ・ルメール、中央のトップ下にアントワン・グリエズマン、そしてFWは1トップでキリアン・ムバッペである。オリビエ・ジルー、エンゴロ・カンテ、ウーゴ・ロリスがトルコ戦になれば名を連ねるであろうが、チャンスを得た選手はデモンストレーションしたいところである。特に攻撃的な両翼のルマールとトーバンはこれまでは交代出場が多かったが、この日はキングスレイ・コマンを差し置いての先発出場である。

■アントワン・グリエズマンが2得点を演出

 試合は青白赤のトリコロールのユニフォームのフランスが緑のボリビアを圧倒した。パスをつなぎ、ボール支配率でもフランスが大きくリードする。先制点は結果を残したいルメールが5分に決める。グリエズマンからのパスを浮き球でそのままゴールネットを揺らす。そして前半終了間際の43分にはルメールのクロスをペナルティエリア内で受けたグリエズマンが相手の選手を交わしてシュート、これでフランスは2点目を前半のうちに決める。
 後半開始時にディディエ・デシャン監督は選手交代を行い、レオ・デュボワ、ウィッサム・ベン・イェデルをピッチに送り出す。現在リヨンに所属しているデュボワであるが、昨年までの4年間はナントに所属しており、プロとなった地での代表デビューとなった。また、ベン・イェデルもこれまでの代表戦出場歴は昨年3月の親善試合のコロンビア戦だけである。フレッシュなメンバーを加え公判を迎える。後半の立ち上がりにルメールがヘディングでゴールを狙うも相手のGKに阻まれる。53分にはボリビアが試合を通じて唯一の得点チャンスとなるFKでゴールを狙うがアレオラが難なくさばく。
 試合はこのまま2-0でフランスが押し切る。デシャン監督はもっと得点が取れたのではないかと若干不満であったが、注目の両翼が期待以上の働きを見せた。
 同じ日にウズベキスタン相手に2-0で勝利したトルコとの決戦に臨むのである。(続く)

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