第2509回 シーズン終了後の欧州選手権予選(3) 連勝同士のトルコとの首位決戦

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■勝ち点6同士のフランスとトルコが直接対決

 シーズン終了後に行われる欧州選手権予選の前に行われた親善試合のボリビア戦、南米で最弱と目されるチームとの初対決はフランスが2-0と順当に勝利した。ディディエ・デシャン監督としては不満な点もあるものの、勝利に安堵しているはずである。
 そして公式戦となる欧州選手権予選は6月8日にトルコ戦、11日にアンドラ線がいずれもアウエーで行われる。トルコは3月の2試合でアルバニア、モルドバにいずれも勝利、勝ち点6でフランスと並んでおり、首位決戦となる。

■2002年ワールドカップ以降は予選落ちの続くトルコ

 ワールドカップの本予選で初めてアジア以外の国として日本にアウエーで勝利したのがトルコである。長らく欧州では最弱クラスの地位であったが、48年ぶり2回目の本大会出場となった2002年のワールドカップ日韓大会では日本戦勝利でトルコは波に乗り、3位決定戦でも韓国を破る。開催国に2度勝利するというワールドカップ史上唯一のチームとして世界のサッカーファンに衝撃を与えた。しかし、その後のワールドカップ予選では敗退続きである。
 一方、欧州選手権ではワールドカップより良い成績を残しており、1996年のイングランド大会で初めての本大会出場、2000年大会では準々決勝、2008年は準決勝に進出し、3年前のフランス大会でも本大会出場を決め、グループリーグで敗退している。ワールドカップ日韓大会のころは世界ランキングも一桁であったが、その後下落し、現在は30位台と40位台を往復し、今回の予選もフランス、アイスランドに次いで第3シードである。上位2チームに本大会出場の切符が与えられるため、ホームでフランスに勝利すれば、大きな勝利となる。

■過去の戦績はフランスの4勝、ワールドカップ、欧州選手権では初対決

 これまでのフランスとトルコの対戦成績であるが、意外なことに初対決は1996年、4回しか対戦していない。そのうち3試合が親善試合、唯一の公式戦は2003年のコンフェデレーションズカップである。ワールドカップ、欧州選手権の本予選ではこれが初めての対戦である。フランスで開催されたコンフェデレーションズカップには前年のワールドカップの優勝チーム、準優勝チームが出場する予定であったが、準優勝チームのドイツが辞退したため、3位のトルコが出場することになった。最新の対戦は2009年6月にリヨンで行われた親善試合、直前の親善試合でナイジェリアに敗れたフランスであったが、カリム・ベンゼマのPKによって1-0と勝利している。

■フルメンバーがそろったフランス

 フランス代表にはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝を戦った選手がイングランドから戻ってきた。
 GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、サミュエル・ウムティティ、ルカ・ディーニュ、MFは低い位置の右にムーサ・シッソコ、左にポール・ポグバ、攻撃的な位置には右にキリアン・ムバッペ、左にブレーズ・マツイディ、中央のトップ下にアントワン・グリエズマン、そしてFWは1トップでオリビエ・ジルーである。ロリス、シッソコ(以上トットナム・ホットスパー)、ジルー(チェルシー)が登場したが、エンゴロ・カンテ(チェルシー)は負傷のため離脱し、メンバーに加わることはかなわなかった。
 一方のトルコはビッグクラブに所属する選手は少なく、ベクシタシュ、フェネルバフチェ、アンタルヤスポルなどの国内組が多い。
 フランスリーグに所属する選手も1人先発しており、それが右サイドDFのゼキ・チェリクである。昨年の夏にリールにイスタンブールから移籍してきた22歳の選手である。リーグ開幕戦に先発出場し、得点に絡む活躍をし、リーグ戦では34試合に出場し、リールのチャンピオンズリーグ出場に貢献している。また、代表デビューはリール移籍直前の昨年6月であり、リールでの活躍が本人の自信となっているのであろう。(続く)

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