第2845回 初戦はドイツに勝利(2) 先発メンバーの4分の1以上がバイエルン・ミュンヘンに所属

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■初めての初戦での開催国との対戦

 3年ぶりの主要国際大会の本大会となった欧州選手権、フランスの初戦の相手は第1シードのドイツ、しかもミュンヘンでの試合となり、実質的には開催国とのアウエーの試合となる。フランスが欧州選手権で開催国の国と対戦するのは2012年大会のウクライナ戦以来のこととなる。さらにそれが第1戦となると過去には例がない。ワールドカップについても同様で第1戦での開催国との対戦はない。

■ドイツと3戦目にして初勝利をあげたディディエ・デシャン監督

 前回の本連載で紹介した通り、フランスは2014年のワールドカップブラジル大会の準々決勝で敗れて以来、ドイツに敗れていない。ただ、ディディエ・デシャン監督が就任して最初の2013年2月のスタッド・ド・フランスでの親善試合がドイツとの初対戦であったが、その時は敗れており、2015年11月15日、あの忌まわしい同時多発テロの舞台となった試合でようやく勝利をあげている。デシャン時代の通算成績は3勝2分2敗であり、前回の欧州選手権もマルセイユで行われた準決勝で勝利している。

■5年前のメンバーも多い両チームの先発メンバー

 グループFということで出場24チーム中最後に登場したのが両チームである。青いユニフォームで赤のストッキングのフランス、先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からバンジャマン・パバール、ラファエル・バラン、プレスネル・キンペンベ、ルカ・エルナンデス、MFは4人であるが、低い位置にエンゴロ・カンテ、中盤の右にはポール・ポグバ、左にはアドリアン・ラビオ、トップ下にアントワン・グリエズマン、FWは右にカリム・ベンゼマ、左にキリアン・ムバッペという陣容であり、ブルガリア戦と全く同じである。
 一方、上から下まで白一色、細い横じまの入ったユニフォームのドイツ、ミュンヘンでフランスと対戦するのは3年前の親善試合以来、その時はスコアレスドローであったが、今回は勝たなくてはならない。その先発メンバーはGKはマヌエル・ノイアー、DFは3バック、右からマティアス・ギンター、マッツ・フンメルス、アントニオ・ルディガー、MFは4人、右からヨシュア・キミッヒ、イルカイ・ギュンドガン、トニ・クロース、ロビン・ゴセンス、FWは右にトーマス・ミューラー、中央にセルジュ・ニャブリ、左にカイ・ハバーツという布陣である。こちらも大会直前にリトアニアに7-1で勝利した試合と同じメンバーである。7年前のリオデジャネイロで試合に出場したのはフランスはロリス、バラン、ポグバ、グリエズマン、ベンゼマの5人、ドイツはノイアー、フンメルス、クロース、ミューラーの4人である。ドイツは近年世代交代をしたかに見えるが、意外と主力が残っている。

■両チームで6人が先発するバイエルン・ミュンヘン勢

 フランス対ドイツというと代表チームの戦いだけではなく、クラブレベルではチャンピオンズリーグでパリサンジェルマンとバイエルン・ミュンヘンが昨年の決勝、今年の準々決勝で対戦している。両チームに代表選手を送り込んでいるチームはドイツのバイエルン・ミュンヘン、ボルシア・メンヘングランドバッハ、イングランドのチェルシー、フランスのモナコと4チームあるが、その中でも他を圧倒するのがバイエルン・ミュンヘンである。バイエルン・ミュンヘンはドイツ代表に8人、フランス代表に4人を送り込んでいる。このフランス戦も先発メンバーにはノイアー、キミッヒ、ミューラー、ニャブリとドイツ代表の最後尾から最前線まで、フランス代表の両サイドDFのエルナンデスとパバールが名を連ねている。
 他に両チームに先発メンバーを送り込んでいるのはドイツのクロースとフランスのバラン、ベンゼマの所属するレアル・マドリッド、ドイツのハバーツとフランスのカンテが活躍するチェルシーだけである。ドイツ代表クラスのティロ・ケラー、ユリアン・ドラクスラーを擁するパリサンジェルマンであるが、2人とも選に漏れている。なお、かつてパリサンジェルマンに所属し、現在はドイツのフランクフルトに所属するケビン・トラップはノイアーに次ぐサブのGKとして登録されている。
 先発メンバーの4分の1以上がホームとするアリアンツ・アリーナで試合がキックオフされたのである。(続く)

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