第2896回 UEFAネーションズリーグファイナルズ(1) 初優勝を目指す23人のメンバー

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■開催期間を変更して行われるファイナルズ

 ワールドカップの予選が世界中で行われる10月のインターナショナルマッチデー、この期間にイタリアではUEFAネーションズリーグのファイナルズが4か国によって争われる。
 UEFAネーションズリーグについては昨年10月から11月にかけて本連載でグループリーグの模様について紹介してきた。フランスは最上位のリーグAの中でグループ3に入り、ポルトガル、スウェーデン、クロアチアと対戦し、5勝1分で首位となり、4チームで争われるファイナルズに進出した。
 当初はファイナルズは6月に開催される予定であったが、2020年に予定されていた欧州選手権が1年延期となったため、ファイナルズの日程は10月に変更して行われることになった。

■出場国はイタリア、ベルギー、フランス、スペイン

 このファイナルズに進出したのはグループ1のイタリア、グループ2のベルギー、グループ4のスペインである。この4か国は2年前に行われた第1回大会ではファイナルズに残ることができず、第1回のファイナルズに進出したポルトガル、オランダ、イングランド、スイスとはメンバーが一新した。
 ファイナルズに進出した国のうちのいずれかでファイナルズは集中開催されるが、昨年秋の段階で開催の意思のあった国のうち、ファイナルズに残ることができたのはイタリアだけであったため、イタリア開催となった。ミラノとトリノで準決勝2試合、3位決定戦と決勝が行われる。
 組み合わせ抽選の結果、準決勝は10月6日にミラノでイタリア-スペイン戦、7日にトリノでフランス-ベルギー戦が行われる。決勝と3位決定戦はいずれも10日に行われ、3位決定戦はトリノ、決勝はミラノで行われる。

■タイトル獲得を目指すディディエ・デシャン監督

 ディディエ・デシャン率いるフランスは2回目の挑戦でファイナルズ進出をものにした。デシャンは選手として最初の主要国際大会の予選は1990年ワールドカップ予選であり、敗退している。続く1994年大会予選も敗退したが、1998年大会では優勝している。欧州選手権については予選で敗れたことはなく、2000年大会では優勝している。監督になってからは予選敗退の経験がない。そのデシャンにとって前回のUEFAネーションズリーグでの敗退は忸怩たる思いがあったであろう。そして2度目の挑戦で得た優勝へのチャンスである。欧州選手権では決勝トーナメント1回戦で姿を消したが、留任する。来年のワールドカップを目指すが、その前にUEFAネーションズリーグというタイトルを獲得したいであろう。

■23人のメンバーが発表

 デシャン監督は9月30日にメンバーを発表した。GKはウーゴ・ロリス、マイク・メニャン、ブノワ・コスティルの3人、DFはプレスネル・キンペンベ、ラファエル・バラン、ダヨ・ウパメカノ、ルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ジュール・クンデ、バンジャマン・パバール、ルカ・エルナンデスの8人、MFはマテオ・ゲンドウジ、ポール・ポグバ、アドリアン・ラビオ、ジョルダン・ベレトゥ、オーレリアン・チュアメニ、テオ・エルナンデスの6人、FWはアントワン・グリエズマン、キリアン・ムバッペ、カリム・ベンゼマ、ムサ・ディアビ、アントニー・マルシャル、ウィッサム・ベン・イェデルの6人、総勢23人である。
 新人はいないが、9月初めに行われたワールドカップ予選の際に初選出となったベレトゥ、チュアメニ、ディアビの3人が10月にも選出されたことである。また、欧州選手権に出場しながら9月のメンバーから外れた30歳のベン・イェデルも戻ってきた。そして、長らく第2GKとして必ずメンバーに入っていた36歳のスティーブ・マンダンダが外れた。代わって入ったコスティルも34歳と正GKのロリスと同じ年齢である。26歳のメニャンにバトンをいずれか渡すことになるが、GKに関しては35歳前後に好人材がそろい、世代交代が難しい。しかし、メニャンは現在所属しているACミランの本拠地での決勝を熱望しているであろう。(続く)

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