第3211回 ジブラルタル、ギリシャと欧州選手権予選(1) クリストファー・ヌクンクが復帰

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■シーズン終了後に行われる欧州選手権予選

 シーズン中にワールドカップが行われ、変則的でかつ長いシーズンとなったが、6月初めにようやくシーズンが終わった。シーズン終了後にはインターナショナルマッチデーが控え、各国の代表選手はこれが終わってから本格的なバカンスとなる。
 今年は6月のインターナショナルマッチデーは6月中盤に設定されている。本来であればUEFAネーションズリーグのファイナルズを戦っているはずであるが、昨年のグループリーグでは辛うじて最下位を免れるという体たらくであった。ワールドカップは心配とは逆に快進撃で準優勝を果たす。
 そしてワールドカップが終わってからは欧州選手権予選が3月から始まった。3月の予選の模様については本連載第3172回から第3180回にかけて紹介した通り、オランダ、アイルランドというグループBの強豪国との連戦でドイツへの道が始まった。フランスは第1シードをオランダに譲ったが、3月24日の開幕戦ではそのオランダにホームで4-0と大勝した。さらに27日は第3シードのアイルランドとのアウエーの試合で1-0と連勝する。フランスはシード上位の難敵相手に連勝するという望外のスタートを切った。

■連勝スタートのフランス、メンバー選考に注目

 シーズン終了直後に欧州選手権の予選が2試合行われ、第5シードのジブラルタルと6月16日にアウエー、第4シードのギリシャと19日にホームで戦う。
 連勝して勝ち点6をすでに獲得したフランスにとっては、下位シードのチームとの連戦で新戦力をテストする機会となり、5月31日のメンバー発表でディディエ・デシャン監督がどのようなメンバーを選出するか、注目を集めた。
 メンバー選出に関する、注目点はいくつかある。まずは新戦力の抜擢である。そして昨年のワールドカップは負傷者が続出した中での戦いとなったが、当時の負傷者をどれだけカムバックさせるか、ということも注目を集める。そしてこれらの新戦力の抜擢、負傷者のカムバックとともにベテラン選手がどれだけ抜けるか、ということも考えなくてはならない。

■ジブラルタル、ギリシャ戦に臨む23人

 23人のメンバーは次のとおりである。GKはアルフォンス・アレオラ、マイク・メニャン、ブリス・サンバの3人、DFはアクセル・ディザジ、ウェスレイ・フォファナ、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、フェルラン・マンディ、バンジャマン・パバール、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはエドゥアルド・カマビンガ、ユスフ・フォファナ、アドリアン・ラビオ、オーレリアン・チュアメニ、アントワン・グリエズマンの5人、FWはキングスレー・コマン、ウスマン・デンベレ、オリビエ・ジルー、キリアン・ムバッペ、ランダル・コロムアニ、アントワン・グリエズマン、クリストファー・ヌクンク、マルクス・テュラムの7人である。

■カタールへの出発前日に負傷したクリストファー・ヌクンク、ドイツで活躍

 23人のメンバーのうち、代表戦に未出場という選手は2人(サンバ、フォファナ)いるが、代表に初選出という選手はいなかった。また、負傷者については、ポール・ポグバとエンゴロ・カンテは負傷が癒えず、ヌクンクが半年ぶりに戻ってきた。昨年のワールドカップのメンバーに入りながら、カタールのドーハへ向かう前日にクレールフォンテーヌで負傷し、メンバーから外れてしまった。
 パリサンジェルマンの下部組織出身で、下部組織に在籍時はMFであったが、トップチームに上がってからはFWに転じた。しかし、パリサンジェルマンでは出場機会に恵まれず、4年間で55試合出場、得点は8、アシストは2と凡庸な成績しか残せなかった。しかし2019年にドイツのRBライプチヒに移籍してから才能を開花させる。4年間でリーグ戦118試合出場と倍増し、47得点、36アシストという記録を残す。2021-22シーズンは最優秀選手、2022-23シーズンは負傷によるブランクがあったが、16得点で得点王に輝いた。  そのヌクンクが自らの活動の場であるドイツで開催される欧州選手権予選に臨む。他方、FWにヌクンクが入り、3月の時はFW登録だったグリエズマンがMF登録となり、ベテランのジルーはメンバーから外れなかった。メンバーから外れたのはテュラム兄弟など若手選手だった。(続く)

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