第3572回 3位に終わったUEFAネーションズリーグ (1) 4人の代表未経験者を選出
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リーグ戦終了後に行われるUEFAネーションズリーグ
5月31日に行われたチャンピオンズリーグ決勝で2024-25のレギュラーシーズンが終了した。ここから各クラブはシーズンオフとなるが、6月の初めには代表チームのインターナショナルマッチデーが設定され、それが終わるとクラブワールドカップが開催される。
今回からはフランスが準決勝に進出したUEFAネーションズリーグについて紹介しよう。これまでのフランスのUEFAネーションズリーグでの戦いは本連載で紹介してきたが、グループリーグは最終戦でアウエーでイタリアに勝利して首位突破、そしてクロアチアとのホームアンドアウエー形式の準々決勝ではアウエーの第1戦は0-2で敗れたが、ホームの第2戦では2-0と勝利、延長戦でも優劣が付かず、PK戦で勝ち抜いてきた。
■25人のうち代表戦出場歴のない選手が4人
フランスのディディエ・デシャン監督は5月21日に25人のメンバーを発表した。この時点でフランスではリーグ戦が終了しており、残っている試合は1部と2部の間の入替戦とそのプレーオフ、フランスカップ決勝、チャンピオンズリーグの決勝であった。
GKはマイク・メニャン、ブリス・サンバ、ルカ・シュバリエの3人、DFはバンジャマン・パバール、ルカ・ディーニュ、ロイック・バデ、クレマン・ラングレ、イブラヒマ・コナテ、マロ・グスト、ピエール・カルル、テオ・エルナンデス、ルカ・エルナンデスの9人、MFはマテオ・ゲンドウジ、オーレリアン・チュアメニ、ミカエル・オリーズ、マヌ・コネ、アドリアン・ラビオ、ウォーレン・ザイール・エメリの6人、FWはウスマン・デンベレ、マルクス・テュラム、キリアン・ムバッペ、ランダル・コロムアニ、ブラッドリー・バルコラ、デジレ・ドゥエ、ラヤン・シェルキの7人が入った。この中で代表出場歴がないのはGKのシュバリエ、フィールドプレーヤーはバデ、カルル、シェルキであり、これまでに比べると多くの未出場者がメンバーに入った。
シュバリエは昨年11月のイスラエルとイタリアとの連戦、今年3月のクロアチアとの準々決勝に続いて3回目の代表招集である。バデは昨年9月の連戦の際はフォファナの負傷、10月の連戦の際はダヨ・ウパメカノの負傷のため追加招集されたが、試合には出場していない。シェルキとカルルは代表初招集となった。
■リールで活躍するルカ・シュバリエ、ユベントスに移籍したピエール・カルル
所属クラブのシーズン終了後ということで所属クラブでのパフォーマンスを基にこれらの選手がメンバーに入った。まず、シュバリエに関してはリールで、チャンピオンズリーグでの活躍は記憶に新しい。リーグ戦では5位に終わり、来季のチャンピオンズリーグ出場権は逃したが、チームの失点は36、これは優勝したパリサンジェルマンイ続いて2番目に少ない数字である。GKというポジションであるからなかなか出場機会が見つからないが、第1GKのメニャンが29歳、第2GKのサンバが31歳であることを考えれば、23歳のシュバリエが代表デビューする日は遠くないであろう。
24歳のカルルは東京オリンピックに出場したことから日本の皆様はよくご存じであろう。イタリアのACミランに所属しているが、昨夏同じイタリアのユベントスにレンタルされた。ユベントスではコンスタントに出場し、上位進出はならなかったがチャンピオンズリーグでも活躍している。
■パリオリンピックに出場したロイック・バデとラヤン・シェルキ
バデは25歳、パリオリンピックに出場し、ゴールも記録したDFである。2年前からスペインのセビリアに所属している。今季、セビリアは国内リーグではかろうじて降格を逃れた17位と不振であったが、バデはキャリア最高の32試合に出場し、苦しいチームの守備を支えた。
21歳のシェルキもパリオリンピックに出場している。リヨンでは中心選手として活躍しており、選手協会選出のリーグのベスト11にも選出された。またヨーロッパリーグでの活躍は特筆すべきである。
なお、代表出場歴1試合の選手がいる。それがドゥエである。3月のクロアチア戦で代表にデビューしたドゥエはチャンピオンズリーグ決勝で活躍した。第2のドゥエはでてくるのだろうか。(続く)