第141回 欧州チャンピオンズリーグ、フランス勢全滅(2) 1次リーグ最終戦に望みをつないだランス

■2つの元欧州王者が存在する激戦区のグループG

 前回はリーグ3位で予備戦3回戦から参戦したオセールの第5節までの戦いぶりについて紹介したが、次にリーグ2位で1次リーグから姿を現したランスについて紹介しよう。ランスはACミラン、バイエルン・ミュンヘン、デポルティーボ・ラコルーニャと同じグループGに入る。ACミランとバイエルン・ミュンヘンは欧州チャンピオンズリーグを制覇したことがあり、過去10年間の欧州王者が複数入っているグループはこのグループGだけという激戦区である。この両チームが2次リーグへ進出すると思われていたが、予想外の展開となった。

■1分2敗と精彩を欠いた前半戦

 まず、初戦でランスはアウエーでACミランと対戦した。7万人以上のミラネスタに囲まれた中での試合、前半は無失点で乗り切るが、後半に入り57分、61分とフィリッポ・インザーギに連続ゴールを決められる。それに対してランスは75分にダニエル・モレイラが1点返す。1-2で敗退したが、アウエーで1点差の負けならば、評価できるスタートである。
 ACミラン戦の6日後に行われた第2戦は地元に帰り、バイエルン・ミュンヘンとの対戦となった。バイエルン・ミュンヘンは初戦でホームであるにもかかわらず、デポルティーボ・ラコルーニャのオランダ代表ロイ・マカーイのハットトリックの前に2-3と屈し、ランス戦では確実に勝ち点3を確保したいところである。今年のワールドカップで活躍したメンバーが勢ぞろいしたバイエルン・ミュンヘンを迎えるランスにはワールドカップで活躍したメンバーは数少ない。先制点はドイツのトーマス・リンケ、23分にドイツがリードする。その後なかなか得点シーンがなく、ようやくランスが同点に追いついたのは75分。ランスの数少ないワールドカップ組であるナイジェリア代表のジョン・ウタカのゴールでタイスコアとなる。試合は結局1-1のドロー。初戦を落とした両チームにとって初勝ち点となったが、ホームのランスにとっては負けに等しく、続く第3節でもアウエーでデポルティーボ・ラコルーニャに1-3と完敗し、前半戦を終える。前半戦が終わった段階でACミランが3勝(勝ち点9)、デポルティーボ・ラコルーニャが2勝1敗(6)、ランスはバイエルン・ミュンヘンと並んで1分2敗と精彩を欠いた。

■後半戦最初のデポルティーボ・ラコルーニャ戦で初勝利

 ところが3週間のインターバル後の後半戦に入り、ランスは前回紹介したオセール同様息を吹き返す。後半戦の最初の試合は前半戦の最後の試合と同じ相手である。アウエーでの1-3の完敗の記憶も生々しいランス相手にデポルティーボ・ラコルーニャのマカーイが先制点をたたきこむ。しかし、4万人近い赤と黄色の観客の声援に応えるかのように、ランスは3得点をあげて鮮やかに逆転勝ち。4試合目にしてようやく初勝利をあげたのである。

■連勝街道のACミランもストップ、最終戦に希望

 そして第5節は2次リーグ進出を早々と決めてしまったACミランをホームのフェリックス・ボラールに迎える。2次リーグ進出が決まっているとは言ってもここまで破竹の4連勝のACミラン。欧州の頂点から遠ざかっているとは言え、豪華なメンバーをずらりと揃える。この試合の先制点はワールドカップに出場できなかったウクライナのアンドレイ・シェフチェンコであった。1次リーグのホーム最終戦となるランスも大観衆の期待に応える。モレイラが同点ゴールをあげる。10月の最後に行われたこの試合での活躍もあり、モレイラは11月20日のユーゴスラビア戦で代表にデビューする。タイスコアで折り返して、後半開始早々にはウタカが勝ち越し点をあげる。結局、ACミランの連勝をストップさせると言う金星をあげ、2次リーグ進出へ希望をつないだのである。
 最終節を迎える段階で1位は勝ち点12のACミラン、2位は勝ち点9のデポルティーボ・ラコルーニャ、3位は勝ち点7のランス、最下位は勝ち点1のバイエルン・ミュンヘンである。1位と4位の順位は確定しており、2位争いに注目が集まった。最終節は11月13日、ミュンヘンでバイエルン・ミュンヘン-ランス戦、ミラノでACミラン-デポルティーボ・ラコルーニャという組み合わせである。2次リーグ進出を狙うチームがすでに順位が決定しているチームのホームに乗り込むことになった。両チームのサポーターはアウエーゲームであるから、ほとんどはテレビ観戦となり、お互いの試合経過をチェックしながらのスリリングな展開となったのである。(続く)

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