第275回 UEFAカップ秋の陣(3) ソショー、オセール、ボルドーが2回戦突破

■フランス勢、不本意な第1戦

 フランス勢4チームが挑んだUEFAカップ2回戦の第1戦は諸聖人祭休暇の11月6日に行われた。フランス勢で最初にキックオフの笛を聞いたのはトルコのガジアンテップでガジアンテップスポールと戦うランス。フランス時間で17時30分、長い夜が始まった。ところが、ランスは思わぬ苦戦を強いられる。43分に先制を許し、後半に入っても59分、65分と立て続けに失点を喫し、攻撃陣は沈黙したまま0-3で初戦を落とす。アウエーゲームであるから勝利までは望まないものの、大量失点、無得点と言うのは不本意である。さらにフェアプレー枠で出場したランスがこの試合でも3枚のイエローカードを受けたことは勝敗以前の問題である。
 ランスに続く他のフランス勢も第1戦は不本意な結果に終わった。この日唯一のホームゲームとなったボルドーはスコットランドのハーツとシャバン・デルマスで18時30分にキックオフ。終始主導権を握って本拠地のゲームを支配したボルドーであるが、得点を奪うことができず、逆に超守備的な布陣で臨んだハーツに33分にゴールを奪われる。まさかの失点に浮き足つボルドー。ハーツのGKクレイグ・ゴードンの度重なるファインセーブもあり、無得点に終わり、ホームでの第1戦を落としたのである。
 残る2チームであるが、オセールはアウエーでオランダのユトレヒトとスコアレスドロー、ソショーはドイツのボルシア・ドルトムントと2-2のドローとアウエーの戦いを引き分けに持ち込んだ。この結果、フランス勢の第1戦は2分2敗と勝ち星のないまま11月27日の第2戦を迎えることになったのである。

■ランス、フェアプレー枠出場に汚点を残し、2回戦敗退

 再びランスが最初にキックオフを迎える。ランスのフェリックス・ボラールで18時30分にキックオフを迎えた試合で地元ファンは大逆転を期待する。統計的にアウエーの第1戦を0-3で落としたチームが合計で勝つ確率は1割以下だが、ランスのホームページ上では4分の3近くのファンがランスの3回戦進出を予想した。ところが、ランスはファンの期待ではなく統計学の神様に従ってしまう。ホームゲームでも元気なく1-3と連敗し、合計スコア1-6で欧州戦線から離脱する。そして地元ファン衆人環視の中でこの日も退場1、警告2を記録し、フェアプレー枠出場の名を汚したのである。

■ソショー、オセール、地元で強豪相手に大勝

 ランスの大敗でフランス中に暗雲が立ち込めたが、第1戦をアウエーで引き分けに持ち込んだソショーとオセールが地元ですばらしい試合を展開した。ボルシア・ドルトムントは立ち上がりの4分にサルバトーレ・ガンビーノが一発退場、そしてこの反則で得たPKをこのところ5試合で5つのPKを成功させているピエール・アラン・フローが決めて先制し、その後はソショーの一方的な試合となった。追加点こそ後半に入るまでなかったが、65分にサントス、76分にウィルソン・オルマ、89分にジェレミー・マチューが決めて、4-0という大差でソショーが勝利した。日本最古のフットボールクラブとチームカラーが同じということで日本でも人気のあるボルシア・ドルトムントが欧州カップでフランスのチームに敗退したのはこれが最初のことである。
 一方、近年日本でも人気急上昇のユトレヒトはオセールで戦う。勝つか得点を入れて引き分ければ3回戦進出というユトレヒトであったが、オセールが圧倒した。ジブリル・シセが22分に先制、29分にはオリビエ・カポが追加点、後半に入ってもシセとボナバンチュール・カルーが得点を上げて、ソショーと同じスコアで地元ファンを欣喜雀躍させたのである。

■ボルドー、鮮やかにアウエーで勝利、逆転して3回戦進出

 そして唯一この夜フランスを離れて戦ったのがボルドーである。ホームでまさかの敗戦を喫したボルドーに望みは無いと思われたが、ボルドーとハーツの力の差は明白で、ボルドーは精神的圧力のかかるアウエーの第2戦で力の違いを見せた。8分にアルベルト・リエラが先制し、これでイーブンとなる。そして66分にはパスカル・ファインデゥーノが決勝点を上げて見事な勝利。結局第1戦をホームで落とし、第2戦をアウエーで勝ったチームはUEFAカップ2回戦24試合でボルドーだけであり、劇的な逆転劇でフランス勢の2回戦を締めくくったのである。
 この結果、フランス勢はUEFAカップ3回戦に2回戦を勝ち抜いたソショー、オセール、ボルドーに加え、チャンピオンズリーグから回ってきたマルセイユを含め4チームが進出したのである。(この項、終わり)

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